【AUREXはどこの国のブランド?】実はあの伝説的オーディオ。歴史から人気のAUREX ポータブルテープレコーダー  AX-W10Cまで徹底解説

はじめに

押し入れの奥で眠っているカセットテープ、もう一度聴いてみたいと思ったことはありませんか。シティポップが世界的なブームとなり、サブスクリプションサービス全盛の今だからこそ、あえてカセットテープの持つ独特の温かみや質感が、私たちの心を惹きつけます。

その「カセットを聴く」という体験を、現代的なスタイルで叶えてくれるのが、今回ご紹介する「AUREX(オーレックス)」のポータブルテープレコーダー「AX-W10C」です。

「AUREX」という名前に、胸が熱くなる方もいるかもしれませんね。そうです、かつて東芝が世界に放ち、オーディオの「王様」を目指したあの伝説のブランドです。1970年代から80年代にかけて、その高い技術力でオーディオマニアを唸らせましたが、時代の波に押され、一度は表舞台から姿を消しました。

しかし、伝説は終わりませんでした。四半世紀以上の時を経て、AUREXは復活。その象徴ともいえる「AX-W10C」は、懐かしいカセットの音を最新のBluetoothで楽しめる、まさに過去と未来をつなぐ一台なのです。この記事では、AUREXが歩んだ栄光と復活の物語を紐解きながら、この魅力的な製品が私たちの音楽ライフをどう豊かにしてくれるのか、その核心に迫ります。

AUREXとは

企業詳細

AUREX(オーレックス)は、日本の大手総合電機メーカーである東芝(TOSHIBA)が展開する、由緒あるオーディオ専門ブランドです。その歴史は1969年まで遡り、ラテン語の「Audio(聞く)」と「Rex(王)」を組み合わせた「オーディオの王様」を目指すという熱い想いを込めて誕生しました。

70年代から80年代にかけてのオーディオブームの真っ只中、AUREXは東芝の持つ半導体技術や豊富な開発資金を背景に、数々の革新的な製品を世に送り出します。特に、ノイズリダクションシステム「adres」や、伝説的な高級プリアンプ「SY-Λ88」などは、当時のオーディオ愛好家(オーディオマニア)から絶大な支持を集め、「玄人好み」の本格派ブランドとしての地位を確立しました。

しかし、オーディオブームの終焉とともに、1990年にブランドは一度休止状態に入ります。伝説が途絶えたかに思われましたが、26年の時を経た2016年、東芝グループの東芝エルイートレーディング株式会社によって、ハイレゾ対応のCDラジカセを皮切りに「AUREX」ブランドは待望の復活を遂げました。

現在は、新生AUREXとして、確かな品質とユニークなアイデアで、現代のライフスタイルに合わせたオーディオ製品を展開しています。2023年にはブランド誕生50周年を機にロゴを刷新するなど、過去の栄光を受け継ぎつつ、新たな歴史を刻み始めています。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

  • 歴史と実績:★★★★★ (5.0)
    1969年からの長い歴史と、オーディオブームを牽引した実績は絶大な信頼に値します。一度休止したものの、その伝説的なブランド価値は今なお健在です。
  • 技術力と品質:★★★★☆ (4.0)
    母体である東芝グループの技術力が背景にあり、品質への期待感は非常に高いです。現代の製品においても、そのDNAは受け継がれていると考えられます。
  • ブランド復活後の勢い:★★★☆☆ (3.5)
    2016年の復活以降、現代のニーズを捉えた製品を継続的にリリースしており、ブランド再建への意欲が感じられます。今後のさらなる展開に期待が持てます。
  • サポートと将来性:★★★★☆ (4.5)
    東芝エルイートレーディングという国内企業が運営しているため、サポート体制には安心感があります。ブランドを大切に育てていこうという姿勢から、将来性も有望です。

総合評価:★★★★☆ (4.3)
総合的に見て、極めて信頼度の高いブランドと言えます。過去の伝説に安住することなく、現代のユーザーに寄り添う姿勢は、これから先のファンをも魅了していくでしょう。

商品紹介:AUREX ポータブルテープレコーダー AX-W10C

商品スペック

  • 電池付属: いいえ
  • 電池使用: はい
  • ブランド名: オーレックス(AUREX)
  • メーカー: 東芝(TOSHIBA)
  • 製品型番: AX-W10C
  • 付属品: USBケーブル、取扱説明書(保証書)
  • 製品サイズ: 3.3 x 9.4 x 12.15 cm; 182 g
  • 商品重量: 182 グラム
  • ワイヤレスカセットプレイヤー
  • Bluetooth送信機能
  • セミオートストップ
  • バーチャルサラウンド機能搭載
  • USB Type-C

良い口コミ

「昔集めたカセットテープを、まさか今使っているワイヤレスイヤホンで聴ける日が来るとは。Bluetooth接続は本当に革命的です。」


「スケルトンボディからカセットテープが回っているのが見えるのが、とにかくエモい。音だけでなく見た目でも楽しませてくれるデザインが最高。」

「正直、今の時代のカセットプレーヤーだから音質は期待していなかったけど、思ったよりクリアで安定している。バーチャルサラウンド機能も面白い。」


「USB-Cで給電できるのが地味に嬉しいポイント。スマホの充電器とケーブルを共有できるので、余計な荷物が増えません。」


「ガチャッという操作音や、少し不便なところが逆に愛おしい。デジタルにはない〝手間〟が、音楽を大切に聴く気持ちを思い出させてくれました。」

気になる口コミ

「再生速度が少し速い個体だったようで、若干ピッチが高く聴こえるのが気になります。調整機能があれば完璧だったのに。」


「オートリバース機能がないのは承知で購入したが、やはりテープが終わるたびに入れ替えるのは少し面倒に感じてしまう。」


「セミオートストップ機能は再生が終わると止まるけど、早送りや巻き戻しの後には止まらない。うっかりモーターを回しっぱなしにしてしまいそう。」


「プラスチックの質感が少し安っぽく感じる。昔の金属ボディのウォークマンを知っている世代からすると、もう少し重厚感が欲しい。」


「AUXからの録音機能も試してみたが、音質は正直おまけ程度。高音質でデジタル音源をダビングしたいなら、専用のデッキを用意した方が良さそう。」

AUREX AX-W10Cのポジティブな特色

この製品の最大の魅力は、単なる懐古趣味のアイテムに留まらない現代的な実用性です。60点のアイデアを100点に引き上げるような、素晴らしい改善点が随所に見られます。

特筆すべきは「Bluetooth送信機能」でしょう。これにより、戸棚の奥に眠っていたカセットテープの音源を、最新のワイヤレスイヤホンやBluetoothスピーカーで気軽に楽しむことができます。ケーブルの煩わしさから解放されるだけで、カセットテープとの距離がぐっと縮まります。これは、過去の資産を現代のライフスタイルに融合させる、まさに100点満点の機能です。

「バーチャルサラウンド機能」も、ただの再生機ではないというAUREXのこだわりを感じさせます。ポータブルプレーヤーでヘッドホンを使って聴く際に、より広がりのある立体的な音場を体験できるのは嬉しい驚きです。カセット特有の温かみのある音に、現代的な音響効果が加わることで、新たな音楽体験が生まれます。

さらに、電源供給に「USB Type-C」を採用した点は、ユーザー視点に立った素晴らしい判断です。多くのスマートフォンやPCで採用されている規格なので、専用のACアダプターを持ち歩く必要がありません。この「いつもの充電器が使える」という利便性は、60点の製品を100点に引き上げる重要な要素です。

そして、182gという驚異的な軽さとコンパクトなサイズ感。これは、かつてのずっしりとしたプレーヤーを知る世代にとっても、スマホのように気軽に音楽を持ち歩きたい現代の若者にとっても、非常に魅力的なポイントと言えるでしょう。

AUREX AX-W10Cのネガティブな特色

一方で、完璧に見える製品にも、ユーザー視点で見るといくつかの「惜しい」点が存在します。

最も多くのユーザーが指摘するであろう点が「セミオートストップ機能」です。再生が終了した際に自動で停止するのはテープ保護の観点から非常に重要ですが、早送りや巻き戻し後には停止しません。また、テープのB面を聴くためには手動で裏返す必要があります。ここがもし、テープの終端で自動的に反対側の再生を始める「オートリバース機能」や、全ての動作で自動停止する「フルオートストップ機能」であれば、利便性は格段に向上し、まさに100点満点の使い勝手になったことでしょう。

次に、「再生速度の個体差」が一部の口コミで見られる点です。これは現代の量産型メカニズムの限界かもしれませんが、音楽を正確なピッチで楽しみたいユーザーにとっては見過ごせない問題です。外部から簡単に速度調整ができるような機構があれば、ユーザー自身で最適な状態に追い込める「遊び」の要素も加わり、より愛着の湧く製品になったかもしれません。

最後に、これはコストとのトレードオフですが、筐体の質感についてです。クリアパーツのデザインは魅力的ですが、全体がプラスチック製であるため、かつての金属製プレーヤーが持っていたような所有感を満たすほどの高級感はありません。もし上位モデルとして、少し価格が上がっても金属パーツを使用したバージョンがあれば、「一生モノの相棒」として選びたいユーザーの心も掴めたはずです。

これらの点は、決して製品の価値を損なうものではありません。むしろ、この「少し不便」な部分こそが、カセットテープというメディアが持つ本来の魅力であり、それをどう楽しむかというユーザーの工夫を促す「余白」なのかもしれません。

他メーカーとの比較

AUREX AX-W10Cは、現代に蘇ったカセットプレーヤーとして多くの魅力を持ちますが、購入を検討する上で他メーカーの製品と比較することは非常に重要です。ここでは、特に注目すべき競合製品との比較を通じて、AX-W10Cの立ち位置を明らかにします。

ライバル対決:FiiO CP13との比較

現在、新品で購入できるポータブルカセットプレーヤー市場で、AX-W10Cの最大のライバルと言えるのが、中国のオーディオ専門メーカーFiiOが発売した「CP13」です。この2機種は、同じ「令和のカセットプレーヤー」でありながら、その開発思想は大きく異なります。

機能性のAUREXか、音質特化のFiiOか

AX-W10Cの最大の武器は、なんといっても「Bluetooth送信機能」と「録音機能」です。ワイヤレスイヤホンで手軽にカセットを楽しめる利便性は、現代のライフスタイルに完璧にマッチしています。一方、CP13はこれらの機能を一切持たず、有線接続での再生に特化しています。

CP13が目指したのは、純粋な「高音質再生」です。多くのレビューで、その音質の高さ、特にテープ走行の安定性はAX-W10Cを凌駕すると評価されています。CP13は、大型のフライホイールや高品質な磁気ヘッド、高性能なオペアンプ「JRC5532」などを採用し、回転ムラ(ワウ・フラッター)を徹底的に抑え込む設計がなされています。実際に、AX-W10Cで感じられた再生速度の不安定さや音の揺れが、CP13ではほとんど感じられないという声が多く聞かれます。

デザインと携帯性

デザイン面では、両者ともに魅力的です。AX-W10Cのクリアボディは、カセットテープが回転するメカニカルな動きを視覚的に楽しませてくれます。対してCP13は、往年のソニー・ウォークマンを彷彿とさせるデザインと、アルミ合金製の堅牢なボディが所有欲を満たしてくれます。

携帯性においては、重量182gのAX-W10Cに軍配が上がります。金属ボディを採用するCP13は約310gと、手に持つとずっしりとした重さを感じます。気軽にポケットに入れて持ち歩きたいならAX-W10C、しっかりとした筐体の安心感を求めるならCP13、という選択になるでしょう。

価格とターゲットユーザー

価格はAX-W10Cが1万円を切る手頃な価格帯であるのに対し、CP13は約2万円と高価です。

結論として、「手軽さ」と「多機能性」を重視し、ワイヤレスで気軽にカセットの世界に触れてみたいライトユーザーにとっては、AUREX AX-W10Cが最適です。一方、少し価格が高くても、有線接続でとことん「高音質」を追求したい、より本格志向のオーディオファンにとっては、FiiO CP13が魅力的な選択肢となります。

往年の名機たちとの歴史的対比

AX-W10Cを語る上で、かつて市場を席巻した日本の名門ブランドの製品との比較は欠かせません。

「ウォークマン」の系譜:パナソニック(Technics)

ポータブルカセットプレーヤーの代名詞といえば、ソニーの「ウォークマン」ですが、パナソニックも「Technics」ブランドなどで数々の名機を世に送り出してきました。当時のパナソニック製品は、薄型・軽量化を追求しつつ、高い再生技術やオートリバース機能、快適な操作性を実現していました。

AX-W10Cは、Bluetoothという現代的な機能を搭載している点でこれらの名機とは一線を画しますが、オートリバース機能の非搭載や、メカニズムの安定性といった点では、オーディオブーム全盛期の製品に及ばない部分もあります。しかし、これはAX-W10Cが劣っているというより、現代の部品供給の制約の中で、コストと性能のバランスを追求した結果と捉えるべきでしょう。

個性派ブランドの雄:サンヨー(OTTO)やアイワ

サンヨーの「OTTO」ブランドや、カセットデッキで名を馳せた「アイワ(AIWA)」も、ユニークな機能やデザインで独自のファン層を築いていました。これらのブランドの製品は、堅実な作りと信頼性で評価されていました。

AX-W10Cは、東芝という巨大メーカーのDNAを受け継ぐ「AUREX」ブランドの製品であり、そのブランドストーリーはこれらの個性派ブランドにも通じるものがあります。かつてのAUREXがそうであったように、AX-W10Cもまた、「ただの再生機」ではない付加価値(Bluetoothやバーチャルサラウンド)で差別化を図っており、往年のオーディオファンの心をくすぐる存在と言えるでしょう。

総じて、AUREX AX-W10Cは、現代の市場において「機能性と手軽さ」で独自のポジションを築いています。音質特化のFiiO CP13とは明確な棲み分けができており、ユーザーは自身の求めるスタイルに合わせて最適な一台を選ぶことができます。また、過去の名機たちと比較することで、現代の技術だからこそ実現できた利便性と、時代ゆえのトレードオフの両側面が見えてきます。AX-W10Cは、カセットテープという文化を未来へつなぐ、重要な役割を担った製品なのです。

まとめ

本記事では、伝説のオーディオブランドAUREXの歴史と、現代に蘇ったポータブルテープレコーダー「AX-W10C」の魅力を解説しました。

日本の大手メーカー東芝が手掛けた信頼性、そしてBluetooth接続などの現代的な機能を備えながらも、カセットならではのアナログ感を味わえる本製品は、唯一無二の存在です。

音質特化のFiiO CP13とは異なるアプローチで、カセットテープの新しい楽しみ方を提案してくれます。

この記事が、あなたの音楽ライフをより豊かにするきっかけとなれば幸いです。

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