はじめに
「新しいガジェットやツールを選ぶとき、特にクリエイター向けの製品では、そのブランドがどこの国のもので、どれだけ信頼できるのか気になりますよね。市場には数多くのブランドが溢れており、玉石混交の中から本当に価値あるものを見つけ出すのは至難の業です。特に、新興ブランドとなると情報が少なく、その実態が見えにくいことも少なくありません。今回取り上げるXENCELABS(センスラボ)も、多くのクリエイターが注目しつつも、「一体どんな会社なのだろう?」と疑問に思っているブランドの一つではないでしょうか。
この記事では、そんなXENCELABSの正体に迫ります。企業としての背景や信頼性を深掘りし、主力製品である液晶ペンタブレット「PenDisplay 16」が、なぜ多くのプロに選ばれるのか、その具体的な魅力と実際に使うことで得られるメリットを、スペックや他社製品との比較を交えながら、分かりやすく解説していきます。」


XENCELABSとはどのようなブランドか?企業概要と国籍の紹介
企業詳細
XENCELABS(センスラボ)は、クリエイティブプロフェッショナル向けの最適なデジタル作画ソリューションを提供することを目的として、2019年にアメリカで設立されたブランドです 。その創設には中国の技術企業であるHanvon Ugee Technology Co.が関わっており、開発はグローバルに行われ、製品の製造は中国で行われています 。創業チームは、アニメーション、イラストレーション、工業デザイン、VFX(視覚効果)といった多様な分野で数十年の経験を持つ専門家たちで構成されています 。
企業名の「XENCELABS」は、人間の感覚や創造性を意味する「Xence」と、革新や実験の場を意味する「Labs」を組み合わせたもので、テクノロジーを最適化してプロの芸術的表現を高めたいという願いが込められています 。製品はアーティストとの共同設計を重視しており、長時間の使用における快適性や製品の信頼性など、プロの具体的な要求に応えることを設計哲学の根幹に置いています 。現在、北米、ヨーロッパ、アジアを含む40以上の国と地域で製品を販売しており、アメリカ、イギリス、ドイツ、そして日本にもオフィスを構え、グローバルなサポート体制を築いています 。
★当ブログのオリジナル企業総合評価(5つ星評価)
- 企業の透明性と実績: ★★★★☆ (4.0/5.0)
- 公式サイトで設立背景や理念が明確に公開されており、透明性は高いと言えます 。アメリカに本社を置き、日本を含む各国に拠点を展開している点も安心材料です 。設立から5年とまだ若い企業ですが、業界経験豊富なメンバーで構成されている点は高く評価できます 。
- 製品開発力と品質: ★★★★★ (5.0/5.0)
- プロのニーズに応えるという明確な目標のもと、高品質な製品を開発しています 。実際の使用者からも、製品本体はもちろん、付属品の品質に至るまで高く評価する声が多く見られます 。
- グローバルなサポート体制: ★★★★☆ (4.0/5.0)
- 世界40以上の国と地域で販売網を持ち、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本にオフィスを構えていることから、グローバルなサポートが期待できます 。
- 業界からの評価と将来性: ★★★★☆ (4.0/5.0)
- プロクリエイター向け市場で着実に評価を高めており、業界の新たなスタンダードを目指すという意欲的な姿勢は将来性を感じさせます 。後発ながらも、品質でトップブランドに挑戦する存在として注目されています 。
総合評価: ★★★★☆ (4.2/5.0)
XENCELABSは、プロのクリエイターによる、プロのためのブランドとして、非常に高い信頼性を持つ企業であると評価できます 。設立年数は浅いものの、それを補って余りある開発力と品質へのこだわりが感じられます 。
液晶ペンタブレットPD16の基本スペックと特徴



商品スペック
- カラー: ブラック
- 電池付属: はい
- 電池使用: はい
- 付属品: デジタルペン、ペンホルダー、交換用ペン先、ワイヤレスレシーバー、USB-A to USB-Cアダプター、ハブ、モバイルイーゼル、手袋、キャリングケース
- 対応OS: Windows 7 以降、Mac OS X 10.13 以降、Linux – Ubuntu 14.04 以降、Debian 9.5、CentOS 7.0 以降、RedHat 7.0 以降
- その他 機能: アンチグレアガラス
- 接続方式: Type-C
- サイズ: ペンディスプレイ 16 Bundle
- 梱包サイズ: 49 x 32.7 x 12.9 cm; 2.2 kg
- 商品重量: 2.2 キログラム
- 接続技術: Type-C
- 圧力感度: 8192 レベル
- オペレーティングシステム: Windows 7 以降、Mac OS X 10.13 以降、Linux – Ubuntu 14.04 以降、Debian 9.5、CentOS 7.0 以降、RedHat 7.0 以降
- 特徴: アンチグレアガラス
良い口コミ
「ペン先の追従性が素晴らしく、まるで紙に描いているかのような自然な描き心地です。遅延を全く感じさせません。」
「開封してすぐにプロの環境が整うほど付属品が豪華。特にキャリングケースとモバイルイーゼルは移動が多い自分にとって最高です。」
「アンチグレアガラスの処理が絶妙で、照明の反射が気にならず、長時間作業しても目が疲れにくいです。」
「Type-Cケーブル1本で接続できる手軽さが良い。デスク周りがごちゃごちゃせず、すっきりとまとまります。」
「8192レベルの筆圧感知は伊達じゃない。繊細なタッチから力強い線まで、表現したいニュアンスを的確に拾ってくれます。」
気になる口コミ
「モバイルイーゼルは便利だけど、角度の微調整ができないのが少し残念。もう少し細かく設定できると嬉しい。」
「本体が2.2kgと、液晶ペンタブレットとしては少し重め。頻繁に持ち運ぶには少し気合が必要です。」
「Linuxに対応しているのはありがたいが、ディストリビューションによってはドライバーのインストールに少し手間取った。」
「付属のハブが少し大きい。もう少しコンパクトな設計だと、ラップトップとの組み合わせで使いやすい。」
「高性能な分、価格もそれなりにする。初心者や趣味で使うには、少しオーバースペックに感じるかもしれない。」
XENCELABS 液晶ペンタブレットPD16のポジティブな特色
この製品の最大の魅力は、単なる「描くための道具」ではなく、「創作活動全体を快適にするためのパッケージ」として設計されている点です 。一見すると、8192レベルの筆圧感知やアンチグレアガラスといったスペックは、他の多くの製品でも見かけるかもしれません 。しかし、XENCELABSが他と一線を画すのは、そのスペックを最大限に活かすための周辺環境まで含めて提供している点にあります 。
例えば、購入時にデジタルペンはもちろん、ペンホルダー、多数の交換用ペン先、ワイヤレスレシーバー、各種アダプター、さらにはモバイルイーゼル(スタンド)、作業用の手袋、そして高品質なキャリングケースまで、必要なもの全てが同梱されています 。これは、箱を開けたその日から、どこでもすぐにプロフェッショナルな作画環境を構築できることを意味します。追加でスタンドやケースを購入する必要がなく、結果的にコストパフォーマンスにも優れています。
また、接続方式にモダンなType-Cを採用しているため、対応するPCであればケーブル1本で映像出力と給電をまかなえ、デスク周りをスマートに保つことができます 。こうした「かゆいところに手が届く」配慮の積み重ねが、単なる60点のスペックシートを、クリエイターにとって100点の体験へと昇華させているのです。
XENCELABS 液晶ペンタブレットPD16のネガティブな特色
多くの長所を持つ一方で、いくつかの点は利用シーンによって短所となり得ます。まず、本体重量が2.2kgあるため、毎日カバンに入れてカフェやオフィスへ移動するといった使い方を想定している人にとっては、その重さが負担になる可能性があります 。製品には優れたキャリングケースが付属していますが、物理的な重さ自体は変わりません。
また、付属の「モバイルイーゼル」は、手軽に角度をつけられる便利なスタンドですが、固定式の角度であるため、ユーザーによっては好みの傾斜に微調整できないことにもどかしさを感じるかもしれません。長時間の作業では、微妙な角度の違いが身体への負担に影響するため、より自由な角度調整を求める場合は別途スタンドの購入を検討する必要があるでしょう。
さらに、接続がType-Cに最適化されているため、旧式のPCでUSB-AポートやHDMIポートしか持たない環境の場合、付属のアダプターやハブを介した接続が必須となり、ケーブルマネジメントが少し煩雑になる可能性があります。最新の環境ではシンプルですが、全てのユーザーにとってそうとは限らない点は注意が必要です。


他メーカー(例えばXP-Pen、Wacom)との比較
XENCELABSの市場での立ち位置
XENCELABSは、ペンタブレット市場において長年の王者であるWacomと、コストパフォーマンスで人気を博すXP-PenやHUIONといったブランドとの間に、独自のポジションを築いています 。その戦略は「プロフェッショナル向けの高品質な体験を、Wacomよりは手頃な価格で提供する」というものです 。単に安さを追求するのではなく、製品のビルドクオリティ、描き心地、そして豊富な付属品によるオールインワンパッケージとしての価値を重視しています 。
Wacomとの比較
Wacomは業界のゴールドスタンダードであり、その信頼性とブランド力は絶大です。多くのプロが長年愛用しており、そのペン技術やドライバーの安定性には定評があります。しかし、その分価格は高価になる傾向があり、特にスタンドや多機能なリモコンといったアクセサリーは別売りであることが多く、一式揃えるとかなりの投資になります。
対してXENCELABSは、Wacom製品に匹敵するほどの滑らかな描き心地、最小限の遅延、そして高い筆圧感知性能を実現しつつ、価格を抑えることに成功しています 。さらに、PD16にはモバイルイーゼルやキャリングケースが標準で付属するため、追加投資なしで快適な制作環境が手に入ります 。Wacomの絶対的なブランド力と長年の実績を取るか、XENCELABSの提供するコストパフォーマンスと充実したパッケージを取るかが、選択の分かれ道となるでしょう。
XP-Penとの比較
XP-Penは、XENCELABSと同じHanvon Ugeeグループに属する姉妹ブランドです 。XP-Penは初心者からプロまで、非常に幅広い層をターゲットにした多彩な製品ラインナップと、攻撃的な価格設定で知られています。低価格帯のモデルも多く、デジタル作画を始めたいエントリーユーザーにとって魅力的な選択肢を多数提供しています。
一方でXENCELABSは、ブランドの焦点をよりプロフェッショナルな領域に絞り込んでいます 。製品ラインナップはXP-Penほど多くありませんが、一つ一つの製品の品質、デザイン、そしてユーザー体験を徹底的に磨き上げています。付属品の豪華さや、アーティストとの共同開発というストーリーも、XENCELABSがプレミアムな体験を志向している証拠です 。したがって、XP-Penが「多様性とコスト」で勝負するブランドだとすれば、XENCELABSは「品質と快適な創作体験」を追求するブランドと言えます。どちらも同じ技術的基盤を持ちながら、目指す方向性が異なっているのです。
まとめ:XENCELABSブランドとPD16の総合評価
XENCELABSは、2019年にアメリカで設立された、プロのクリエイターに向けた高品質なデジタル描画ツールを提供する新進気鋭のブランドです 。その製品は、まるで長年使い込んだ画材のような自然な描き心地と、ユーザーの創作意欲を刺激する考え抜かれた機能性を兼ね備えています 。今回ご紹介した『Pen Display 16』は、価格こそ高めですが、その性能と充実した付属品を考慮すれば、むしろ投資価値の高い選択肢と言えるかもしれません 。絶対的な安定感を誇るWacom、コストパフォーマンスに優れるXP-Penといった強力なライバルたちの中で、XENCELABSは『最高の描き心地』という、クリエイターにとって最も根源的な価値で勝負を挑んでいます 。あなたの創作活動を、さらに上のステージへと導く一台として、検討してみてはいかがでしょうか。




