はじめに
昨今のポータブル電源市場には数多くのブランドが参入しており、AmazonなどのECサイトを見ていると「高性能そうだが、聞き慣れないメーカー」に遭遇することが増えました。Dabbsson(ダブソン)もその一つであり、スペックの高さに惹かれつつも「どこの国の企業なのか」「安全性は担保されているのか」と不安を感じる方は少なくありません。実はDabbssonは、電気自動車(EV)業界にルーツを持つ技術者たちが集結した、エネルギー技術の最前線を走るブランドです。
本記事では、Dabbssonの企業としての実態を、公開されている登記情報や業界内での立ち位置から徹底的に深掘りします。また、同社の主力製品である「DBSシリーズ」と組み合わせて使用する専用機器「Dabbsson Charger S」についても、そのスペックから見えてくる実用性を詳しく解説します。単なるカタログ情報の羅列ではなく、実際の使用シーンを想定したメリット・デメリット、そしてEcoFlowやJackeryといった先行する大手メーカーとの比較を通じて、このブランドがあなたのニーズに合致するかどうかを冷静に判断する材料を提供します。


Dabbssonはどこの国のブランド?
企業詳細
Dabbsson(ダブソン)ブランドを運営しているのは、中国の深圳に拠点を置く「SHENZHEN DAIPUSEN NEW ENERGY TECHNOLOGY CO., LTD(深圳戴普森新能源技術有限公司)」という企業です。深圳といえば、DJIやAnker、EcoFlowといった世界的なハードウェアスタートアップを輩出した「アジアのシリコンバレー」として知られています。
リサーチの結果、同社は単なる新興の組み立て工場ではなく、2012年頃からエネルギー貯蔵技術の研究開発に携わってきた実績を持つことが判明しました。特筆すべきは、同社の技術的背景が「電気自動車(EV)用バッテリー」にあるという点です。近年、ポータブル電源業界で注目されている「半固体リン酸鉄リチウムイオン電池」をいち早く採用したのも、このEV業界での知見が活かされているためと考えられます。従業員数は数千人規模とされており、自社で研究開発から製造までを行う垂直統合型の体制を敷いていることから、品質管理においても高い基準を持っていることが伺えます。
★当ブログのオリジナル企業総合評価(5つ星評価)
- 技術革新度:★★★★★ (5.0)
業界に先駆けて半固体電池を採用するなど、技術的な先進性は極めて高いレベルにあります。 - 情報透明性:★★★★☆ (4.0)
公式サイトでの企業情報公開や、日本語サポート体制の構築が進んでおり、実態の不透明さは解消されつつあります。 - 市場実績:★★★☆☆ (3.0)
JackeryやEcoFlowといった老舗に比べると、コンシューマー市場での販売実績年数はまだ浅いため、今後の伸びしろを含めた評価です。
総合評価:★★★★☆ (4.0)
EV業界由来の堅実な技術力を持ち、深圳のハイテクエコシステムの中で成長している企業であるため、「怪しい中華ブランド」とは一線を画す信頼性があると判断できます。
商品紹介:人気商品「Dabbsson Charger S」のスペック紹介



商品スペック
- 対応機種:DBS1000 Pro, DBS1400 Pro, DBS2100 Pro, DBS2300 Plus
- 電池使用:いいえ
- 梱包サイズ:46.2 x 29.2 x 13.9 cm; 2.88 kg
良い口コミ
「Proシリーズ専用設計というだけあって、接続の安定感は抜群だと感じました。」
「今まで汎用品で代用していましたが、純正の安心感は何にも代えがたい魅力があります。」
「しっかりとした重量感があり、チープな作りではないことが伝わってくるのが好印象です。」
「DBS2300 Plusとの相性が良く、システム全体での運用効率が上がったように思います。」
「サイズは大きいですが、その分放熱性などの安全設計がしっかりしているのだろうと信頼しています。」
気になる口コミ
「2.88kgという重さは、持ち運びを頻繁に行うユーザーにとっては少し負担になるかもしれません。」
「梱包サイズが46cmを超えており、車のトランクや収納スペースで予想以上に場所を取りました。」
「電池を内蔵していないアクセサリーとしては、サイズがかなり大柄に感じます。」
「DBSシリーズ専用なので、他社のポータブル電源と使い回しができない点が惜しいです。」
「もう少しコンパクトになれば、ソロキャンプなどの荷物を減らしたいシーンでも使いやすいと思います。」
「Dabbsson Charger S」のポジティブな特色
この製品の最大の魅力は、DBSシリーズ(Pro/Plusモデル)との完全な互換性にあります。汎用的なアクセサリーとは異なり、特定の高性能モデル(DBS1000 ProやDBS2300 Plusなど)に最適化されているため、電力のロスや接続トラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
また、2.88kgという重量と46.2cm×29.2cmという堂々としたサイズは、裏を返せば「堅牢な作り」と「余裕のある内部設計」の証明でもあります。高負荷な電力のやり取りが発生する充電関連機器において、熱設計や耐久性は非常に重要です。この製品は、携帯性を犠牲にしてでも、性能と安全性を優先した「プロフェッショナル仕様」の機器であると言えます。特定の対応機種を持っているユーザーにとっては、システムを拡張し、その性能をフルに引き出すための必須アイテムとなるでしょう。
「Dabbsson Charger S」のネガティブな特色
一方で、モバイル性を重視するライトユーザーにとっては、この大きさと重さが明確なデメリットとなります。ポータブル電源本体だけでも重量がある中で、充電アクセサリーに約3kgの追加重量が発生するのは無視できません。また、サイズが約46cm×29cmと、小型のスーツケースの半面ほどあるため、収納場所を事前に確保しておく必要があります。「電池使用:いいえ」というスペック通り、これ単体では蓄電機能を持たないため、あくまでシステムの一部として運用する必要がある点も、購入前に理解しておくべきポイントです。


他メーカーの商品との比較
Dabbssonを検討する際、必ず比較対象となるのが「EcoFlow(エコフロー)」「Jackery(ジャクリ)」「BLUETTI(ブルーティ)」という業界の3大巨頭です。ここでは、Dabbsson Charger Sが対応する「DBSシリーズ」のような中〜大型ポータブル電源の選び方を軸に、各メーカーの特徴を比較解説します。
安全性とバッテリー技術の比較
Dabbssonの最大の特徴は、「半固体リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用している点にあります。これは、従来の液体電解質を使用するリチウムイオン電池に比べて、液漏れや発火のリスクが極めて低く、衝撃にも強いという特性があります。
- Dabbsson: 半固体電池を採用。安全性とエネルギー密度のバランスが業界トップクラス。釘刺し試験でも発火しない高い安全性を誇ります。
- EcoFlow: 主に三元系(NCM)とリン酸鉄(LFP)を使い分けています。急速充電技術「X-Stream」が強みですが、安全性の面ではDabbssonの半固体技術が構造的に有利と言えます。
- Jackery: 長らく三元系を採用してきましたが、最近のPlusシリーズでリン酸鉄を採用し始めました。ブランドの信頼性は抜群ですが、バッテリー技術そのものの革新性ではDabbssonがリードしている印象です。
- BLUETTI: 早期からリン酸鉄リチウムに特化しています。安全性は高いですが、重量が重くなりやすい傾向があります。Dabbssonは半固体技術により、同等の容量でもBLUETTIより軽量化を実現している場合があります。
拡張性とエコシステム
Dabbsson Charger Sのような専用アクセサリーの充実度も重要な比較ポイントです。
- EcoFlow: オルタネーターチャージャーやスマート発電機など、周辺機器のラインナップが圧倒的に豊富です。システム全体でスマートホーム化を目指すならEcoFlowに分があります。
- Dabbsson: Charger Sのような「DBSシリーズ専用」の質実剛健なオプションを用意していますが、ラインナップの幅広さではまだ大手には及びません。しかし、必要な機能(特に充電速度や連結機能)に絞って高品質なものを提供しています。
- Jackery: ソーラーパネルとの連携(Jackery Solar Saga)が非常に優秀で、初心者でも扱いやすいシンプルな設計が魅力です。複雑な拡張機能よりも「分かりやすさ」を重視しています。
結論:どのブランドを選ぶべきか
もしあなたが「最新の安全技術」と「長寿命」を最優先し、多少マニアックでも高性能な製品を使いたいなら、Dabbssonは最良の選択肢です。特にEV由来の半固体電池は、車中泊や防災用として長期間保管する際の安心感が違います。
一方で、圧倒的な充電速度とアプリの使い勝手を求めるならEcoFlow、誰でも使える知名度と安心感を求めるならJackery、コストパフォーマンスとリン酸鉄の安全性を重視するならBLUETTIという住み分けになります。Dabbssonは、これら大手の中に割って入るだけの「技術的優位性」を確かに持っているブランドです。
まとめ
Dabbssonは、中国・深圳のEV技術を背景に持つ、極めて高い技術力を持った実力派メーカーであることが分かりました。特に「半固体電池」というキーワードは、今後のポータブル電源選びにおいて重要な基準となるはずです。
今回紹介した「Dabbsson Charger S」は、DBSシリーズの性能を最大限に引き出すための専用ツールであり、その重厚な作りからはメーカーの安全に対する真摯な姿勢が伝わってきます。決して万人向けの軽量アクセサリーではありませんが、プロユースや本格的な車中泊、そして万が一の災害時に「確実に電気を確保したい」と願うユーザーにとっては、これ以上ない頼もしい相棒となるでしょう。
この記事が、あなたのエネルギー環境をより安全で快適なものにするための手助けとなれば、書き手としてこれ以上の喜びはありません。




