はじめに
近代的な飛行機の座席に座り、最新の映画を楽しもうとした瞬間、目の前にあるのは古めかしい2ピンのジャックだった。そんな経験はありませんか。手元には高音質なワイヤレスイヤホンがあるのに、機内のエンターテインメントシステムには繋がらない。有線イヤホンをわざわざ取り出す煩わしさは、快適な空の移動を少しだけ憂鬱なものに変えてしまいます。
今回ご紹介するTwelve Southの「AirFly Pro 2」は、そんなデジタル時代の「接続の断絶」を解消する画期的なガジェットです。一見すると小さな白いドングルですが、これを座席の端子に差し込むだけで、愛用しているノイズキャンセリングイヤホンが機内モニターと無線で繋がります。Apple製品との親和性を極限まで高めたデザインと、前モデルから進化した機能性は、出張の多いビジネスパーソンや、移動時間を質の高い没入体験に変えたいと願う人々にとって、待ち望んでいた解答と言えるでしょう。本記事では、この製品を生み出したTwelve Southというユニークな企業の背景と共に、その実力を徹底的に紐解きます。


Twelve Southの会社概要と歴史
企業詳細
Twelve South(トゥエルブサウス)は、2009年にアメリカ合衆国サウスカロライナ州チャールストンで設立された、デジタルアクセサリーメーカーです。創業者はアンドリュー・グリーン氏とリー・アン・グリーン氏の夫妻です。
同社の最大の特徴は、創業当初から掲げている「Apple製品のためだけのアクセサリーを作る」という明確なコンセプトにあります。多くのメーカーがAndroidやWindowsなど多岐にわたるデバイス向けの製品を展開する中、Twelve Southは「Macフレンドリーではなく、Macオンリー(現在はAppleオンリー)」という哲学を貫いてきました。
この徹底したこだわりは、Appleユーザーの美意識に深く刺さる製品開発に繋がっています。例えば、洋書のような外観を持つMacBookケース「BookBook」や、iMacの高さを調整するスタンド「HiRise」などは、機能性だけでなく、Apple製品と並べた時の視覚的な調和を最優先にデザインされています。
設立当初は自宅のリビングから始まった小さなビジネスでしたが、そのデザイン性の高さとApple製品への深い理解が評価され、創業直後からApple Storeでの取り扱いが開始されました。現在では世界的なブランドとして認知されており、Appleのエコシステムを拡張する「純正品以上にAppleらしい」サードパーティメーカーとしての地位を確立しています。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
- 歴史と実績:★★★★☆ 4.5
- 2009年の創業から15年以上にわたり、Appleアクセサリー市場の第一線で活躍し続けています。移り変わりの激しいガジェット業界での生存年数は信頼の証です。
- ブランドの一貫性:★★★★★ 5.0
- 「Apple専用」という軸をぶらすことなく、製品のデザイン言語を統一している点は、他社にはない圧倒的な強みです。
- 市場での評価:★★★★☆ 4.5
- 世界中のApple Storeで製品が販売されている事実は、品質管理と供給体制が世界最高水準であることを証明しています。
- サポート体制:★★★★☆ 4.0
- 海外メーカーですが、日本国内にも正規代理店が存在し、一定のサポートが受けられる体制が整っています。
総合評価:★★★★☆ 4.6
商品紹介:AirFly Pro 2の製品スペック詳細



商品詳細
- コネクタのオス/メスなし
- カラーホワイト
- ワイヤレス対応ブルートゥース
- 電池付属はい
- 電池使用はい
- 製品型番TS-2411
- サイズAirFly Pro 2
- 製品サイズ1.09 x 3.3 x 10.8 cm; 59 g
良い口コミ
「機内のエンタメをいつものAirPods Proで聴けるのが最高に快適です。ノイキャンが使えるのでエンジンの轟音も気になりません」
「ホワイトの筐体がApple製品と完全にマッチしていて、ガジェットポーチの中身が統一されました」
「バッテリー持ちが非常に良く、欧州への長距離フライトでも充電切れの心配がありませんでした」
「二人で同じ映画を見たい時に、イヤホンを二台同時に接続できる機能が地味ですが便利です」
「接続が安定していて、トイレに立つために席を離れても音が途切れませんでした」
気になる口コミ
「たまにリップシンク(映像と音声のズレ)を感じることがあります。アクション映画だと少し気になるかもしれません」
(※補足:Bluetooth送信機の特性上、完全にゼロにはできませんが、本機は低遅延コーデックに対応しています)
「本体が小さすぎて、機内の座席ポケットに入れたまま忘れてしまいそうになります」
「価格が他のトランスミッターに比べて高めです。デザイン料が含まれていると感じます」
「ボリューム調整ボタンが本体にありますが、小さくて暗い機内だと操作しにくいことがあります」
「付属の充電ケーブルが少し短く、充電しながら使う場合に場所を選びます」
AirFly Pro 2のポジティブな特色
AirFly Pro 2の最大の魅力は、その「洗練された存在感」と「Appleユーザーへの最適化」にあります。
多くのBluetoothトランスミッターが機能重視の武骨な黒いプラスチックの塊であるのに対し、本製品は滑らかなホワイトの仕上げとコンパクトな形状を採用しています。これは単なる見た目の問題ではありません。AirPodsやiPhoneと共に持ち歩く際、視覚的なノイズにならず、所有欲を満たしてくれる重要な要素です。
機能面では、バッテリー持続時間が大幅に強化されており、国際線のロングフライトでも追加充電なしで乗り切れるタフさを備えています。また、2台同時接続機能により、パートナーと同じ音楽や映画を共有できる点は、カップルや夫婦での移動時間を豊かなものにします。さらに、本体に物理的なボリュームボタンが搭載されたことで、イヤホン側で音量調整ができない機種を使っていても、手元で素早く音量をコントロールできる実用性の高さも見逃せません。
AirFly Pro 2のネガティブな特色
ネガティブな側面として無視できないのは、やはり「価格」です。Amazonなどで検索すれば、同等の機能(Bluetooth送信)を持つ他社製品は半額以下で見つかります。「音を飛ばすだけ」という機能に対して、どこまでデザインとブランドの信頼性にお金を払えるかが購入の分かれ目となります。また、非常に小型であるため、紛失のリスクが常に付きまといます。特に機内の暗がりで落とした場合、白い筐体とはいえ見つけるのに苦労する可能性があります。ストラップホールの活用や、定位置への収納を徹底するなどの自衛策が必要です。


他メーカーの商品との比較
AirFly Pro 2の購入を検討する際、比較対象となるのは主にUGREENやAnkerといった大手周辺機器メーカーのBluetoothトランスミッターです。ここでは、具体的な利用シーンを想定し、他社製品との違いを明確にします。
デザインとエコシステムへの親和性
ここが最大の差別化ポイントです。UGREENや1Miiなどの安価なトランスミッターは、その多くが黒色の長方形で、機能性を最優先した無機質なデザインです。これらは「機械」としての主張が強く、洗練されたApple製品の横に置くとどうしても違和感が生じます。
対してAirFly Pro 2は、Apple製品の一部であるかのような佇まいを持っています。AirPodsのケースと同じような光沢のあるホワイト、角の取れたラウンドフォルムは、ガジェットポーチの中身に統一感を求めるユーザーにとって唯一無二の選択肢となります。「機能さえ満たしていれば良い」という場合は他社製品で十分ですが、「使うたびに気分が上がるか」という情緒的な価値において、Twelve Southは頭一つ抜けています。
バッテリー性能と携帯性
多くの汎用トランスミッターは、バッテリー持続時間が8時間〜12時間程度のものが一般的です。これは国内線であれば十分ですが、日本から北米や欧州へ向かう10時間を超えるフライトでは心許ない数字です。AirFly Pro 2はこれらを大きく上回るスタミナを持っており、乗り継ぎを含めた長時間の移動でも充電のストレスから解放されます。
また、Ankerの一部のモデル(Soundsyncなど)は非常に高性能ですが、サイズが一回り大きく、形状も四角いため、ポケットへの収まりが悪いことがあります。AirFly Pro 2はスティック型を採用しているため、狭い座席ポケットやシャツの胸ポケットにもスッと収まり、邪魔になりません。
操作性と機能の細部
安価な製品で見落とされがちなのが「ボリューム調整」と「接続の安定性」です。市場に出回る多くのトランスミッターは、本体にボリュームボタンを持たず、音量調整を送信元(飛行機のモニター)か受信側(イヤホン)に依存します。しかし、AirPodsなどの一部のイヤホンは本体での音量調整がしにくい、あるいはできない場合があります。AirFly Pro 2は本体側面に物理ボタンを備えているため、どんなイヤホンを使っていても手元で確実に音量を操作できます。
さらに、安価なモデルでは再接続に手間取ったり、接続が不安定でプツプツと音が途切れたりすることがありますが、Twelve SouthはApple Storeで扱われる品質基準を満たしており、接続の安定性とペアリングのスムーズさにおいて高い信頼性があります。
結論として、「コストパフォーマンス」を最優先するならUGREENなどの汎用ブランドが優れていますが、「デザイン」「長時間駆動」「Apple製品との親和性」を重視する場合、AirFly Pro 2への投資は十分に回収できる価値があります。
まとめ
Twelve Southの「AirFly Pro 2」は、単なるBluetoothトランスミッターの枠を超え、移動という体験そのものをアップグレードするツールと言えます。チャールストンで生まれたデザイン哲学は、無機質になりがちな機内空間に彩りと快適さをもたらしました。
安価な代用品は市場に溢れています。しかし、あえてこの製品を選ぶことは、自分の持ち物に対するこだわりや、移動時間さえも質の高いものにしたいという美意識の表れでもあります。次に飛行機に乗る際、お気に入りのノイズキャンセリングイヤホンと共にこの小さな白いデバイスをポケットに忍ばせてみてください。エンジンの轟音が消え、クリアな音が流れた瞬間、その選択が間違いではなかったと確信するはずです。




