Ulanziの正体とは?謎に包まれた企業背景を深掘りし、話題の撮影ライト「120W」が選ばれる理由

はじめに

撮影機材の沼は深く、そして魅惑的です。新しい機材を探しているとき、ふと目に留まる「Ulanzi」というロゴ。洗練されたデザインに驚くほどの低価格、Amazonのランキングでも常連です。しかし、あまりの安さに「本当に仕事で使えるのか?」「すぐに壊れてしまうのではないか」と、購入ボタンを押す指が止まってしまう経験はありませんか。

実は、このUlanziこそが、今の映像制作の現場を足元から変えつつある台風の目なのです。かつては「謎の中華ブランド」の一つに過ぎませんでしたが、今やプロの現場でもサブ機、あるいはメイン機として堂々と鎮座しています。

今回は、深圳の熱気の中から生まれたこの企業の正体を徹底的に解剖します。そして、クリエイターたちの間で話題となっている撮影ライト「120W」にフォーカスし、なぜこれほどまでに熱烈な支持を集めているのか、その秘密を紐解いていきます。読み終える頃には、あなたの機材選びの基準が、ガラリと変わっているかもしれません。

Ulanziとはどんな企業?基本情報から紐解く

企業詳細

Ulanzi(ウランジ)の正式名称は「Shenzhen Ulanzi Technology Co., Ltd.(深圳市优篮子科技有限公司)」です。2015年に中国のシリコンバレーと呼ばれる深センで設立されました。創業者のWilliam氏(Zou Qingqing氏)を中心とした写真・映像愛好家チームによって立ち上げられ、当初はスマートフォンの撮影用ホルダーなどの小型アクセサリーからスタートしました。

特筆すべきは、その圧倒的な開発スピードとユーザーフィードバックの反映速度です。単なるコピー品の製造ではなく、「FALCAM(ファルカム)」や「VIJIM(ヴィジム)」といったサブブランドを展開し、クイックリリースシステムや照明機材において独自の特許技術やエコシステムを構築しています。現在では世界100カ国以上のクリエイターに製品を供給する、モバイル・Vlog撮影機材のリーディングカンパニーへと成長しました。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

  • 革新性:★★★★☆ (4.5)
    • FALCAMシリーズに見られる独自の脱着システムなど、既存の枠にとらわれない開発力は業界トップクラスです。
  • コストパフォーマンス:★★★★★ (5.0)
    • プロ品質に近い機能を、アマチュアでも手の届く価格帯で提供する姿勢は圧倒的です。
  • 品質管理:★★★★☆ (4.0)
    • 創業初期と比較してビルドクオリティは飛躍的に向上しており、金属パーツの加工精度も非常に高い水準です。
  • サポート体制:★★★☆☆ (3.5)
    • グローバル展開していますが、国内代理店や直接サポートのレスポンスには、大手老舗メーカーと比較してまだ伸びしろがあります。

総合評価:★★★★☆ (4.25)

商品紹介:撮影ライト「120W」の詳細スペック紹介

商品詳細

  • 製品型番:120W
  • 付属品:Cスタンド、Type-Cケーブル、パワーバンクスタンド、ストラップ、収納バッグ、マニュアル、ライト本体、リモコン付きのグリップ
  • 電池付属:はい
  • 梱包サイズ:31.4 x 19.6 x 14.8 cm; 1.32 kg
  • ハードウェアインターフェイス:USB-C
  • 対応シューマウントタイプ:ホットシュー

良い口コミ

「ワンオペ撮影の救世主です。リモコン付きグリップのおかげで、照明の位置を調整しながら手元で光量を変えられるのが本当に便利でした」

「このサイズ感で120Wクラスの光量が出せるのは驚異的です。ロケ撮影でも荷物が減り、機動力があがりました」

「付属のCスタンドが意外としっかりしていて驚きました。追加でスタンドを買わずにすぐ本格的なライティングが組めるのはありがたいです」

「Type-C給電に対応しているので、万が一のバッテリー切れでもモバイルバッテリーから給電しながら撮影を続けられました」

「収納バッグの質感が良く、全ての付属品がきれいに収まるので、現場への持ち運びがストレスフリーになりました」

気になる口コミ

「光量は十分ですが、最大出力で使い続けるとファンの音が少し気になります。静かなインタビュー撮影ではマイク位置に注意が必要です」

「付属のリモコン付きグリップは便利ですが、プラスチック感が強く、ハードな現場でラフに扱うと耐久性が心配になります」

「バッテリー持ちに関しては、フルパワーだと減りが早いです。長時間の収録なら外部給電の準備は必須だと思いました」

「マニュアルの日本語訳が少し不自然で、一部の細かい設定方法を理解するのに時間がかかりました」

「パワーバンクスタンドの固定力が少し弱く、太めのケーブルを使うとテンションで外れそうになることがありました」

「120W」のポジティブな特色

この「120W」最大の特徴は、「機動力」と「光量」の常識を覆すバランスにあります。通常、120Wクラスの光量を持つライトは大きく重くなりがちですが、本製品は梱包サイズからもわかる通り非常にコンパクトに設計されています。

特筆すべきは「リモコン付きグリップ」と「パワーバンクスタンド」が標準付属している点です。これは、固定スタジオだけでなく、「動きながら撮る」あるいは「アシスタントなしで撮る」という現代のクリエイターのニーズを完璧に汲み取っています。グリップを握りながら手元で光をコントロールできる体験は、一度味わうと戻れない快適さがあります。さらに、USB-Cインターフェイスによる給電システムは、専用の重いACアダプターへの依存を減らし、市販のモバイルバッテリー運用を可能にすることで、撮影場所の制約をほぼゼロにしました。まさに「光を持ち歩く」感覚を極めた一台です。

「120W」のネガティブな特色

一方で、プロの現場でメインライトとして運用するには注意が必要です。コンパクトな筐体に高出力を詰め込んでいるため、熱処理とファンの動作音はトレードオフの関係にあります。静寂が求められるシビアな音声収録現場では、ライトとマイクの距離を稼ぐなどの工夫が必要になる場合があります。

また、付属品が充実している反面、各パーツの「剛性」は業務用のハイエンド機材には及びません。特にCスタンドやグリップの接合部は、頻繁な激しい移動やラフな取り扱いを想定した設計というよりは、軽量化を優先した設計と感じられるかもしれません。あくまで「個人のクリエイター」に最適化された仕様であり、レンタル機材のような堅牢さを期待するとギャップを感じる可能性があります。

他メーカーの商品との比較

Ulanziの「120W」を検討する際、避けて通れないのが競合他社との比較です。ここでは、照明機材業界でシェアを争う「Godox」「Neewer」「Amaran」の3社と比較し、それぞれの立ち位置を明確にします。

Godox(ゴドックス)との比較:プロの「標準」か、次世代の「機動」か

Godoxは、今やプロカメラマンの間でも「標準機」として扱われるほどの信頼と実績があります。特に「SLシリーズ」や「VLシリーズ」は、光の質の安定性や、モディファイア(照明アクセサリー)の種類の豊富さにおいて圧倒的です。

Godoxの強みは「システム全体の厚み」です。スタジオ撮影を前提とした堅牢な作りや、複数のライトを一括管理するシステムは完成されています。しかし、その分、機材は大きく重くなる傾向があります。バッテリー運用をする場合でも、専用のVマウントバッテリーが必要になるなど、システムが大掛かりになりがちです。

対してUlanzi「120W」は、「圧倒的な身軽さ」で勝負しています。Godoxが「スタジオを構築する」機材なら、Ulanziは「スタジオをリュックに詰める」機材です。USB-C給電やグリップスタイルでの運用など、Godoxがカバーしきれていない「ワンマンオペレーション」の領域では、Ulanziに軍配が上がります。画質や光の質に極限までこだわるならGodoxですが、機動力とセットアップの速さを優先するならUlanziが最適です。

Neewer(ニーワー)との比較:価格の「安さ」か、設計の「思想」か

Amazonで検索すると必ず比較対象になるのがNeewerです。Neewerの最大の武器は、何と言っても「価格」です。同じスペックであれば、Neewerの方が安価に手に入ることが多いでしょう。とにかく予算を抑えたい、壊れても買い直せばいいという考え方であれば、Neewerは強力な選択肢です。

しかし、製品の「設計思想」においてUlanziとは大きな差があります。Neewerは既存の製品を安価に提供することに長けていますが、Ulanziは「クリエイターの不満を解決する独自のギミック」を盛り込むことに長けています。

今回の「120W」で言えば、リモコン付きグリップやパワーバンクスタンドの付属がその最たる例です。「ただ光ればいい」のではなく、「どうすれば一人で楽に撮れるか」まで考え抜かれています。Neewerは「部品の集合体」を感じさせることがありますが、Ulanziは「使い勝手の体験」を提供しています。数千円の差であれば、撮影時のストレスが少ないUlanziを選ぶ価値は十分にあります。

Amaran(アマラン)との比較:映像の「忠実度」か、運用の「自由度」か

Aputure(アプチャー)の姉妹ブランドであるAmaranは、YouTuberや映像クリエイターから絶大な支持を得ています。彼らの強みは「演色性(色の再現度)」と「アプリの操作性」です。Sidus Linkというアプリを使った照明制御は業界最高峰で、複雑な演出をスマホ一つで完璧にこなせます。

映像の「色」にとことんこだわる場合、Amaranは非常に強力なライバルです。肌のトーンや商品の色味を厳密に再現する必要がある場合、Amaranの信頼性は揺るぎません。

しかし、Ulanzi「120W」は「オールインワンのパッケージ力」で対抗します。Amaranのライトは本体性能が高い反面、スタンドやバッテリー、グリップなどは別途揃える必要がある場合が多く、トータルの出費と荷物量は増えます。Ulanziは、箱を開けた瞬間から、ストラップやスタンドを含めた撮影体制が整います。「色は後編集で調整できるが、撮影の準備時間は短縮したい」と考える効率重視のクリエイターにとって、Ulanziのパッケージングは非常に魅力的です。

まとめ

今回は、深センの熱気から生まれたブランドUlanziと、その野心作である「120W」について詳しく見てきました。かつて「謎のメーカー」だった彼らは、今や世界中のクリエイターのバッグの中身を占領する、頼れる相棒へと進化を遂げています。

紹介した「120W」は、単に明るいだけのライトではありません。「一人で、どこでも、自由に撮りたい」という現代のクリエイターの切実な願いを、形にしたような一台です。もちろん、歴史ある老舗メーカーのような重厚感はないかもしれません。しかし、現場で汗をかく私たちが本当に欲しかったのは、権威あるブランドロゴよりも、重い機材から解放してくれる「軽やかさ」だったのではないでしょうか。

このライトを手にしたとき、あなたの撮影スタイルはより自由で、軽快なものに変わるはずです。次の現場では、Ulanziのライトが照らす新しい景色を、ファインダー越しに覗いてみてください。

タイトルとURLをコピーしました