YOSHINOって何者?話題のブランドの特徴から選ばれる理由まで解説!「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」の実力に迫る

その11kgは「軽さ」ではなく「密度」の証明

はじめに

停電の夜に、スマートフォンの残量表示だけをじっと見つめた経験はないでしょうか。

台風が近づくたびに懐中電灯と乾電池を買い足し、それでも冷蔵庫の中身だけはどうにもならない。

そんな不安を一台で引き受ける道具として、ポータブル電源はここ数年ですっかり生活用品の側に移ってきました。

家電量販店の防災コーナーには、数万円から数十万円まで、大小さまざまな箱が並んでいます。

ただ、並んだ製品の中身はどれも似ています。

大半がリン酸鉄リチウムイオン電池、いわゆるLiFePO4(リン酸鉄リチウム)を積んだ、同じ設計思想の延長線上にある製品です。

その列の中で、明らかに毛色の違う名前が置かれています。

YOSHINO(ヨシノ)です。

日本語のような響きを持ちながら、実はアメリカ・カリフォルニア州で生まれたブランドで、しかも「固体電池を積んだポータブル電源」という、他社がまだ量産できていない領域を主戦場にしています。

今回取り上げる「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」は、その技術を1kWh級のボディに詰め込んだモデルです。

容量1085Wh、定格出力1200W、そして本体重量は約11kg。

商品ページには「軽量」と書かれています。

しかし、この11kgという数字だけを見れば、同じ容量帯のライバルとほとんど変わりません。

では、この製品の「軽量」とは何を指しているのか。

そこにYOSHINOというブランドの正体が隠れています。

順を追って、企業の実像から見ていきます。

YOSHINOとは

企業詳細

まず押さえておきたいのは、YOSHINOという名前が日本企業を意味しないという点です。

Yoshino Technologyは2021年にアメリカのカリフォルニア州で設立され、日本法人であるヨシノパワージャパンは2023年1月に同社の日本法人として設立されました。

つまり、ブランドとしての出自はアメリカ生まれということになります。

日本法人の登記情報も明確です。

株式会社ヨシノパワージャパンの設立年月日は2023年1月31日、代表者は櫻田徹氏、資本金は1,000万円、事業内容は蓄電池・発電機及び関連製品の製造・販売・輸出入とされています。

法人番号は9010001232673で、本店住所は東京都中央区新富一丁目6番1号GGIC京橋ビル9階、2024年10月に住所変更の登記が行われています。

法人番号まで確認できる企業は、越境ECブランドとしては決して多くありません。

この点は、購入前の信頼判断において小さくない材料になります。

創業の背景も、単なる思いつきの起業ではありません。

創業者はもともと発電機などを開発・製造していた人物で、カリフォルニア州の一部の州でガソリンを利用した発電機の販売に規制が入ったことをきっかけに、蓄電池型の電源に活路を求めたという経緯が語られています。

日本法人の代表を務める櫻田氏は創業者の知人にあたり、日本での展開を託される形で就任したという流れです。

規制という外圧を、そのまま次の製品カテゴリーの入口に変えた企業、という見方ができます。

技術面については、少し慎重に読み解く必要があります。

固体電池は電解質を液体から固体に置き換えた電池で、発火リスクの低さと温度耐性が最大の利点とされます。

ただし、量産の難易度が非常に高く、自動車メーカーですら本格量産に至っていない領域です。

YOSHINOの場合、電池セルそのものはYoshino Technologyの兄弟会社が生産しており、同社自身は自社工場を持たないファブレス企業として、金型を保有しつつ生産を外部に委託する形を取っていると説明されています。

公式サイトでも、固体電池は日本発祥の技術でありながら商業利用可能な生産では他国が先行しているとし、複数国の技術と優位性を組み合わせて生産していると説明されています。

自社ですべてを作っているわけではない、という点は誤解しないほうがよい部分です。

一方で、市場からの評価は着実に積み上がっています。

2023年12月には、科学情報メディアPopular Science(ポピュラーサイエンス)の「The 50 greatest innovations of 2023(2023年の最も優れた50のイノベーション)」において、家電製品部門のトップイノベーターとして最優秀賞を受賞しています。

国内でも受賞歴があります。

一般社団法人災害防止研究所が主催する「第7回防災グッズ大賞」を「YOSHINO B1200 SST」が受賞し、1,085Whの容量に対して296×204×256mmというサイズと11kgの重量、そして87.74Wh/Lというエネルギー密度が評価されました。

同賞の選定基準は「災害時に役立つものは、日常生活でも役に立つ。日常生活で使われないものが、災害時に使われることはない」というもので、B1200 SSTはこの基準に合致すると判断されています。

製品の安全性についても、第三者認証で裏付けを取りに行っている点は評価できます。

B1200 SSTは2025年5月26日発売、価格は16万9,900円で、ドイツの第三者認証機関テュフズードによる耐熱150℃、圧迫13kN、穿刺4mm、−20℃から5℃における段階的な放電といった安全性試験をクリアしたとされ、10カ所の温度センサーによるバッテリー管理システムがセル単位の電圧・温度・残量を0.1V/0.1℃単位で常時監視します。

自社で「安全です」と主張するだけでなく、外部機関の試験項目を具体的に開示している企業は、実のところそれほど多くありません。

販売とサポートの体制も国内で整えられています。

楽天市場店の会社概要には、東京都中央区の住所、電話番号、代表者名に加え、営業時間10時から17時(土日祝・年末年始を除く)のカスタマーサポート窓口とメールアドレスが明記されています。

また、使用済み製品の回収・リサイクルサービスも提供しており、指定の回収窓口へ送付することでリサイクルに対応するとしています。

売って終わりにしない姿勢が制度として用意されている点は、蓄電池を扱う企業として筋が通っています。

製品ラインナップは1kWh級を軸に上下へ展開しています。

公式オンラインストアにはB1200 SST、B300 SST Pro、B300 SST、B600 SST、B2000 SST、B3300 SSTといったポータブル電源に加え、ソーラーパネルのSP100・SP200、各種セット商品が並びます。

従業員数は10名程度とされており、日本法人としては小規模な体制です。

大企業のような盤石さがあるわけではない、という前提は持っておいたほうが公平でしょう。

ただ、規模の小ささと信頼性の低さは同じ意味ではありません。

登記情報、代表者名、固定電話番号、サポート窓口、回収スキーム、第三者認証、受賞歴。

判断材料がここまで揃うブランドは、この価格帯では少数派です。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

運営体制の明確さ ★★★★☆(4.2)

法人番号、設立日、代表者名、資本金、本店所在地、固定電話番号までが公開情報として確認でき、実体の追跡が容易です。

住所変更の登記履歴まで辿れる点も、透明性という意味では加点材料になります。

市場での評価実績 ★★★★☆(4.5)

海外メディアによるイノベーション部門の最優秀賞と、国内の防災グッズ大賞という、性格の異なる二つの評価を獲得しています。

短期間でこれだけの実績を積んだブランドは、この分野でも珍しい部類です。

商品開発の専門性 ★★★★☆(4.3)

発電機開発の知見を持つ創業者のもとで立ち上がり、量産の難しい固体電池を製品に落とし込んでいます。

ただし電池セルの生産はグループ内の別会社が担っており、自社単独の技術力とは切り分けて考える必要があります。

社会的・文化的な取り組み ★★★☆(3.5)

使用済み製品の回収・リサイクルサービスを整備し、災害の多い日本での防災意識の啓発を事業の軸として掲げています。

一方で、活動の規模や実績を数値で示す情報までは確認できませんでした。

財務情報の開示度 ★★☆(2.5)

未上場企業のため、資本金以外の財務数値は公開されていません。

従業員数も概算値にとどまり、経営の安定性を外部から測る材料は限られます。

総合評価 ★★★☆(3.8)

企業としての実体と技術的な裏付けは十分に確認でき、購入判断の土台としては安心できる水準です。

財務の見えにくさと組織の小ささという弱点はあるものの、それを補うだけの外部認証と受賞歴を積み上げているブランドと評価します。

商品紹介「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」

商品詳細

コネクタタイプ:MC4コネクター+ケーブル

バッテリー容量:293243ミリアンペアアワー

色:グリーン

特徴:軽量

容量・定格出力:バッテリー容量1085Wh、定格出力1200W

出力ポート:AC×4、DC×2、USB-A×2、USB-C×2の計10個

認証:TÜV認証を取得

電池方式:三元系をベースとした固体電池

動作温度範囲:-18℃~60℃

充放電サイクル:4,000回以上

安全性試験:TÜV認証における釘刺し、圧迫、短絡などの試験を実施

バッテリー管理:バッテリー管理システム(BMS)を搭載し、各バッテリーセルの状態を管理

充電方法:ACアダプター、シガーソケット、ソーラーパネルの3種類

AC充電速度:約60分で80%まで充電

動作音:動作時の最低ノイズレベルは25dB

UPS機能:停電などでAC入力が遮断された場合、約0.02秒でバッテリー給電へ切り替え

UPSの制限:オフグリッド型UPSのため0msでの切り替えには非対応、0ms UPSを必要とする機器には使用不可

本体重量:約11kg

ディスプレイ:液晶ディスプレイを搭載し、バッテリー残量や充電・放電状況などを画面上で確認可能

アプリ対応:YOSHINO専用アプリに対応し、BluetoothおよびWi-Fi接続でスマートフォンから電源のオン・オフ操作やバッテリー残量の確認が可能

ファームウェア:Wi-Fi接続により本体ファームウェアのアップデートに対応

良い口コミ

「1085Whあるのに置き場所に困らないサイズで、玄関の棚にそのまま収まりました」

「AC出力が4口あるので、停電中に冷蔵庫とスマホの充電と扇風機を同時に賄えました」

「動いている音がほとんど気にならず、寝室に置いていても眠りを邪魔されません」

「冬の車中泊で車内が冷え込んでも問題なく動いてくれたので、寒冷地でも安心して使えます」

「スマホアプリから残量が確認できるので、わざわざ本体の前まで行かなくて済むのが便利です」

気になる口コミ

「11kgは女性が階段で運ぶには重く、置き場所を決めたら動かさない前提になりました」

「定格1200Wなので、ドライヤーや電子レンジは機種によって動かせず、事前の確認が必要でした」

「同じ容量帯の他社製品と比べると、価格がはっきり高い部類に入ります」

「UPS機能はありますが0ms切替ではないため、デスクトップPCの保護用途では慎重になりました」

「ソーラーパネルは別売りなので、防災目的でひと通り揃えると総額が想像より膨らみました」

「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」のポジティブな特色

最大の武器は、容量あたりの体積の小ささです。

1,085Whの容量を296×204×256mmの筐体に収め、87.74Wh/Lというエネルギー密度を実現しています。

数字だけでは実感しにくいので、同じ1kWh級の代表的な製品と体積で比べてみます。

Jackery 1000 Newのサイズは32.7×22.4×24.7cmです。

EcoFlow DELTA 3は39.8×20.2×28.4cmとされています。

体積に直すとB1200 SSTは約15.5リットル、Jackery 1000 Newは約18.1リットル、DELTA 3は約22.8リットルになります。

同じ電力量を、およそ7割の体積に収めている計算です。

商品ページの「軽量」という表記が指しているのは、天秤に載せたときの重さではなく、この空間効率だと考えると腑に落ちます。

冒頭で触れた11kgの正体は、ここにあります。

次に、温度への強さです。

動作温度範囲は-18℃~60℃と広く、リン酸鉄リチウムイオン電池が苦手としてきた低温域と、夏場の車内のような高温域の両方をカバーします。

真冬の車中泊、雪の残る被災地、炎天下に停めた車のラゲッジ。

こうした場面で性能が落ちにくいという特性は、カタログ上の見栄えよりも実際の安心感に直結します。

安全性の裏付けも具体的です。

釘刺し、圧迫、短絡といった、電池にとって最も過酷な試験項目をTÜV認証の枠組みで実施しています。

10カ所の温度センサーを持つバッテリー管理システムが、セル単位の電圧・温度・残量を0.1V/0.1℃単位で常時監視する仕組みも備えます。

寝室や子ども部屋に置く機器として、この設計思想は素直に評価できます。

静粛性も見逃せません。

最低ノイズレベル25dBは、深夜の図書館に近い水準です。

停電の夜、不安な気持ちで過ごす時間に、ファンの唸り声が加わらないというのは想像以上に大きな差になります。

出力ポート10個という構成も実用的です。

AC4口という数は、この容量帯では多い部類に入ります。

家族4人がそれぞれ違う機器を繋ぎたくなる停電時に、分岐タップを探し回らずに済みます。

そして充放電4,000回以上というサイクル寿命は、毎日使っても10年規模の使用に耐える設計を意味します。

防災用品として押し入れに眠らせるのではなく、日常の延長で使い倒せる耐久性が確保されています。

「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」のネガティブな特色

まず、重量に関する期待は調整しておく必要があります。

約11kgという数字は、同容量帯で見れば平均的です。

Anker SOLIX C1000 Gen 2は11.3kg、EcoFlow DELTA 3 Plusは12.5kgです。

Jackery 1000 Newは約10.8kgとされています。

「軽量」という言葉から片手で持ち運べる製品を想像すると、確実に裏切られます。

小さいけれど、軽くはない。

そこは正直な理解が必要です。

次に、定格出力1200Wという制約があります。

同じ容量帯のライバルが1500W前後を確保している中で、この数値は明確に見劣りします。

消費電力1200Wを超えるドライヤーや電気ケトル、電子レンジは動かせない可能性があり、購入前に手持ち家電の消費電力表示を確認する作業が必須になります。

UPS機能の仕様も、購入前に理解しておくべき点です。

約0.02秒、つまり20ミリ秒での切り替えは十分に速いものの、提供情報でも明記されている通りオフグリッド型のUPSであり、0ms切替を必要とする機器には使用できません。

競合機の多くは10ms切替に対応しています。

デスクトップPCやNAS(ネットワーク接続型ストレージ)の保護を主目的にするなら、この差は無視できません。

さらに、公表数値に表記のゆれがある点も指摘しておきます。

提供された商品情報では動作温度範囲が-18℃~60℃、AC充電は約60分で80%となっています。

一方、メーカーの発信では-20℃から60℃という表記が使われています。

同社の楽天市場店の商品名では「70分80%充電」という表記も見られます。

どれが誤りと断定できる材料はありませんが、販売チャネルによって数値の書き方が揃っていないのは事実です。

購入時は、そのページの表記を基準に確認したほうが安全です。

最後に、容量表記の読み方です。

商品仕様欄の293243ミリアンペアアワーという数字は、1085Whをセル電圧3.7Vで割った値と計算上一致します。

モバイルバッテリーの5000mAhといった数字と同じ感覚で比べられるものではありません。

比較の基準はあくまでWh表記に置くべきです。

他メーカーの商品との比較

体積では勝ち、重量では並ぶ

1kWh級の主戦場は激戦区です。

EcoFlow DELTA 3 Plusは1,024Wh・1,500W・12.5kg・AC満充電56分・LFPで4,000回(80%維持)・UPS10ms。

Anker SOLIX C1000 Gen 2は1,024Wh・定格1,550W・11.3kg・AC満充電54分・サイクル3,000回。

Jackery 1000 Newは1,070Wh・定格1500W・約10.8kg・リン酸鉄で約4000回。

この中でB1200 SSTが明確に上回るのは、体積と温度域と静粛性です。

重量では横並び、むしろJackeryにわずかに負けます。

出力と充電速度では明確に劣る

定格1200Wは、1500W級のライバルに対して見劣りします。

充電速度も、他社が50分台で満充電まで到達するのに対し、こちらは約60分で80%です。

UPS切替も20msと10msの差があります。

スペック表を横並びにした瞬間、B1200 SSTは「勝てる欄が少ない製品」に見えます。

それでも選ぶ理由があるとすれば

差がつくのは、置き場所と気温です。

玄関収納や車の隙間に押し込みたい人、氷点下の環境や高温の車内で使う人にとって、体積と温度域の優位は他社では代替できません。

固体電池という安全性の設計思想も、寝室に常設する用途では効いてきます。

価格差をどう見るか

B1200 SSTの発売時価格は16万9,900円です。

Jackery 1000 Newの定価は119,800円、Anker Solix C1000 Gen 2も同価格帯とされています。

約5万円の差を、体積効率と温度耐性と固体電池の安心料として納得できるかどうか。

判断はここに集約されます。

出力の余裕と価格を優先するなら、他社機を選んだほうが満足度は高くなります。

まとめ

「YOSHINO ポータブル電源 B1200 SST」の11kgは、軽さの証明ではありませんでした。

同じ電力を7割の体積に押し込んだ、密度の証明でした。

冒頭の伏線は、ここで回収されます。

出力1200Wという弱点も、価格の高さも、はっきり存在します。

スペック表の勝負では他社に譲る場面が多い製品です。

それでも、氷点下でも真夏の車内でも動き、玄関の隙間に収まり、深夜に音を立てない。

この四つが揃う1kWh級は、今のところ他に見当たりません。

災害の記憶が薄れないうちに、今日ひとつだけ試してほしいことがあります。

自宅の冷蔵庫の側面か裏面に貼られたシールを見て、消費電力のワット数を確認してみてください。

その数字が分かるだけで、必要な電源の大きさも、選ぶべき製品も、驚くほど具体的に見えてきます。

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