食材の中心温度までコントロール!Tescomとはどんなブランド?しっとり仕上がる「Tescom低温調理器TLC70A-K」の実力を徹底解説

お湯の温度を見ているだけでは肉の本当の焼き加減はわかりません

はじめに

鶏むね肉でサラダチキンを作ったのに、包丁を入れたらパサパサだった。
そんながっかりした経験はありませんか。

物価が上がり続けるなか、外食を控えて家でたんぱく質をしっかりとりたい人が増えました。
コンビニのサラダチキンを毎日買うより、自分で作ったほうが安くつきます。
ところが自分で作ると、なかなかうまくいきません。

低温調理はフランス語で「sousvide(スーヴィード:真空調理)」と呼ばれる技法です。
決まった温度で時間をかけて火を通すことで、肉をやわらかく仕上げます。
ただ、家庭用の多くの低温調理器が見ているのは、肉ではなくお湯の温度です。
肉の厚みや部屋の寒さで、中心の温度はいくらでも変わってしまいます。

この「肉の中心がいま何度なのか」に正面から取り組んだのが、Tescom(テスコム)の「Tescom低温調理器TLC70A-K」です。
食材に温度計を刺して、中心の温度を直接見ながら加熱します。

この記事では、まずドライヤーやミキサーで知られるTescomがどんな会社なのかを掘り下げます。
そのうえで、TLC70A-Kの強みと弱点、他メーカー品との違いまで遠慮なく書いていきます。
冒頭の一文の意味も、読み終えるころにはわかります。

Tescomとは

企業詳細

会社の基本情報

Tescomの正式な社名は、テスコム電機株式会社です。
1965年に創業し、法人としての設立は1971年10月です。
資本金は9,000万円で、本社は東京都千代田区神田駿河台の御茶ノ水ソラシティにあります。
製造拠点として、長野県松本市に長野工場を構えています。

2023年時点のプレスリリースでは、本社は品川区西五反田のテスコム五反田ビルと記載されていました。
その後、御茶ノ水へ本社を移しています。

「キレイをつくる」から始まった小型家電メーカー

Tescomは、半世紀以上にわたって小型家電を作り続けてきたメーカーです。
会社の使命として、「キレイをつくる」という言葉を掲げています。

事業の柱は二つあります。
ひとつはヘアドライヤーやヘアアイロンなどの理美容家電、もうひとつはミキサーやフードプロセッサーなどの調理家電です。
このほか、フットマッサージャーなどの健康器具や、毛玉クリーナーなどのリビング用品も手がけています。

美容室で使われる「Nobby」という看板

Tescomを語るうえで欠かせないのが、美容室向けのブランド「Nobby(ノビー)」です。
2017年の調査会社による調べでは、国内の美容室の約7割でNobbyが使われているとされています。

美容室で髪を乾かしてもらったとき、ドライヤーのロゴを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
あのドライヤーを作っている会社が、実はTescomです。

この業務用の技術を家庭向けに落とし込んだ「NobbybyTESCOMNIB3000」は、2018年度のグッドデザイン賞を受賞しました。
さらに、香港の「DFAアジアデザイン賞2019」で銀賞を獲得しています。

ミキサーでも長年の実績

調理家電の分野でも、Tescomは長く結果を出してきました。
2019年の会社資料では、ミキサーのカテゴリーで14年連続のメーカー販売数量シェアNo.1を獲得したと記載されています。

派手さはありません。
それでも、毎日の台所で静かに使われ続けてきた製品が多い会社です。

海外展開の歩み

Tescomは国内だけで商売をしてきたわけではありません。
2016年のインタビューで当時の経営陣は、30年以上前から中東向けにドライヤーを販売してきたと語っています。
台湾でもヘアドライヤーや調理家電を販売し、ドライヤーでは国内大手メーカーに迫る月もあったと述べています。

松本工場を軸にしたものづくり

長野県松本市の工場では、開発から製造、検査、修理までを一つの拠点で行う体制をとっているとされています。
求人情報でも、松本市で小型家電の試験や検査を担う人材を募集しています。
自社の工場を持ち、品質のチェックを自前で行っている点は、ブランドの信頼を考えるうえで大事なポイントです。

エレコムグループの一員に

Tescomの歴史で大きな転換点となったのが、2023年のエレコムによる買収です。
2023年5月29日、パソコン周辺機器大手のエレコム株式会社は、テスコム電機グループの持株会社である株式会社ティーエスシーの全株式を取得する契約を結んだと発表しました。
それまでティーエスシーの株式は、創業家の楠野氏ら3名が100%を保有していました。

エレコムの狙いは、家電事業の拡大です。
エレコムは2022年に調理家電へ本格参入しており、Tescomの企画・設計・製造・品質管理のノウハウを取り込むことを目的に挙げていました。
Tescomの側から見ると、エレコムが持つ家電量販店への販売力を得られる組み合わせです。

現在、TLC70A-Kの製品ページはエレコムの公式サイトにも掲載され、「テスコム電機株式会社の製品です」と明記されています。
Tescomの代表取締役社長は、エレコムの創業者として知られる葉田順治氏が務めています。
エレコムは東京証券取引所プライム市場の上場企業です。
Tescom自体は上場していませんが、上場企業グループの傘下に入ったことになります。

低温調理器への挑戦とクラウドファンディング

TLC70A-Kのもとになった「芯温スマートクッカーTLC70A」は、まずクラウドファンディングで世に出ました。
2022年5月6日から6月6日まで、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」でテスト販売を行い、目標金額の635%を達成して完売しています。

この反響を受けて、2022年11月1日に一般販売が始まりました。
発売時の店頭予想価格は16,500円です。

長い歴史を持つメーカーが、新しいジャンルではいきなり大量生産せず、クラウドファンディングで反応を確かめた点は注目に値します。
老舗らしい慎重さと、新しいことへの柔軟さの両方がうかがえます。

「業界初」の表記は条件付きで読む

TLC70A-Kの商品説明には「業界初」という言葉が使われています。
メーカーの製品ページでは、この表記に「2022年3月時点で発売されている民生用低温調理器カテゴリーにおいて(自社調べ)」という注記が付いています。

つまり、第三者が認定した「業界初」ではありません。
メーカー自身の調査による、時期とジャンルを限定した表現です。
嘘ではありませんが、広告の言葉として割り引いて受け止めるのが健全です。

現在も新製品を出し続けている

2026年7月には、予約機能付きの「スープメーカーTEC-A04MS」を発売しました。
エレコムグループに入ったあとも、調理家電の新製品を出し続けています。
ブランドとしての活動が止まっていないことは、これから製品を買う人にとって安心材料のひとつです。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

リサーチで確認できた企業情報をもとに、当ブログ独自の視点で信頼度を多角的に採点します。

運営体制の明確さ ★★★★☆(4.5)
本社所在地、工場、資本金、代表者がプレスリリースではっきり公開されています。
エレコムによる株式取得の経緯も、親会社の公式発表で確認できます。

市場での評価実績 ★★★★☆(4.5)
美容室向けのNobbyは国内の美容室で約7割のシェアがあるとされ、ミキサーでも長年の販売実績があります。
半世紀以上続いてきたこと自体が、市場からの信頼を物語っています。

商品開発の専門性 ★★★★(4.0)
自社工場を持ち、開発から検査、修理までを手がける体制は小型家電メーカーとして心強いものです。
一方で、低温調理器の第三者検証では上位に届いておらず、このジャンルではまだ伸びしろがあります。

社会的・文化的な取り組み ★★★(3.0)
デザイン賞の受賞や美容業界への貢献は確認できました。
ただ、環境対策や地域貢献などの具体的な取り組みは、今回の調査では十分に確認できませんでした。

財務情報の開示度 ★★★(3.0)
親会社のエレコムは上場企業として決算を開示しています。
しかしTescom単体の売上高や利益は公開されておらず、外部から細かく確かめることはできません。

総合評価 ★★★☆(3.8)
長い歴史、プロ向け製品での実績、上場企業グループの傘下という三つがそろい、安心して選びやすいブランドです。
財務の見えにくさは残るものの、実体の確かさという点では高く評価できます。

商品紹介「Tescom低温調理器TLC70A-K」

商品詳細

  • 商品の寸法:30.6奥行きx12.4幅x27高さcm
  • ワット数:360W
  • 電圧:100ボルト
  • 商品の重量:1.8キログラム
  • ブランド:テスコム
  • 実績:クラファン目標金額635%達成
  • 温度の測り方:独自の芯温温度計で食材の中心温度を測って調理
  • 一般的な家庭用低温調理器との違い:お湯の温度ではなく食材の中心温度を測定
  • 作れる料理:ローストビーフ、サラダチキン、鶏レバーペースト、甘酒、本格チャーシューなど
  • 付属品:大西シェフ監修のレシピブック
  • 準備と後片付け:大きな鍋や大量の水が不要
  • 設置スペース:約A4縦半分のスペースに設置できるコンパクトサイズ
  • 温度管理:食材の中心温度を直接管理する芯温度計を搭載
  • 調理の安定性:部屋の気温、肉の種類や大きさに関わらず適切な加熱調理が可能
  • 使い方:ほったらかし調理に対応

良い口コミ

「胸肉のサラダチキンが本当にしっとりしていて驚きました。お店で買うものより好きかもしれません。」

「大きな鍋にお湯を張らなくていいのが楽です。洗い物が減って、平日の夜でも気軽に使えます。」

「温度計を刺してボタンを押すだけなので、料理が苦手な私でも失敗しませんでした。」

「レシピブックが付いていたので、届いたその日にローストビーフを作れました。」

「キッチンの隅に置いても邪魔にならない大きさで、出しっぱなしにしています。」

気になる口コミ

「一度に作れる量が少なめで、家族4人分を作るには何回かに分ける必要がありました。」

「お湯で温めるタイプより、できあがりまでに時間がかかる印象です。」

「温度計のセンサー部分は毎回洗わないといけないので、そこだけ少し手間です。」

「スマホで操作できる機種もあるなかで、本体のボタン操作だけなのは少し物足りません。」

「価格がもう少し安ければ、迷わず友人にもすすめられました。」

「Tescom低温調理器TLC70A-K」のポジティブな特色

いちばんの魅力は、食材の中心温度を直接見て加熱してくれることです。
冒頭で書いたとおり、お湯の温度を見ているだけでは肉の焼き加減はわかりません。
TLC70A-Kの芯温温度計は、いわば肉の中心の温度を確かめる聴診器のような役割を果たします。

冬の寒い台所でも、分厚いブロック肉でも、中心の温度を基準に加熱を続けます。
「今日は肉が大きいから時間を延ばそうか」と悩む必要がほとんどありません。
料理の勘に自信がない人ほど、この安心感はありがたいはずです。

二つ目の魅力は、大きな鍋も大量の水もいらないことです。
スティック型の低温調理器では、深い鍋にたっぷりのお湯を張るのが前提になります。
重い鍋を運び、終わったらお湯を捨てて鍋を洗う。
この一連の手間がなくなるだけで、低温調理はぐっと身近になります。

三つ目は、置き場所に困らないサイズです。
約A4縦半分のスペースに収まるので、狭いキッチンでも置き場所を確保しやすいです。
しまい込まずに出しておける家電は、結局よく使われます。

四つ目は、付属のレシピブックです。
大西シェフ監修のレシピには、ローストビーフやサラダチキンだけでなく、鶏レバーペーストや甘酒まで載っています。
届いた日にすぐ作り始められるので、「買ったのに使わない」というよくある失敗を防げます。

さらに、消費電力が360Wと控えめな点も見逃せません。
電子レンジやトースターと同時に使っても、ブレーカーが落ちる心配は比較的少なくすみます。

「Tescom低温調理器TLC70A-K」のネガティブな特色

まず、一度に調理できる量には限りがあります。
本体の中で食材を温める構造上、大きな塊肉や大人数分をまとめて仕込む使い方には向きません。
作り置きを大量にしたい家庭では、物足りなさを感じる場面があるはずです。

次に、温まり方の速さです。
水は空気よりも熱を伝えやすい性質があります。
お湯に沈めるタイプと比べると、できあがりまでに時間がかかる場合があることは理解しておきたい点です。

三つ目は、温度計のお手入れです。
鍋を洗う手間はなくなりますが、食材に刺したセンサー部分は毎回きちんと洗う必要があります。
生の肉に触れる部分なので、ここは手を抜けません。

四つ目は、機能のシンプルさです。
スマートフォンで外から操作できる機種もあるなかで、TLC70A-Kは本体での操作が中心です。
多機能さを求める人には、やや割り切った作りに映ります。

最後に、低温調理そのものの注意点も伝えておきます。
低い温度で火を通す調理法なので、付属レシピの温度と時間を守ることが大切です。
自己流で温度を下げすぎたり、時間を短くしたりするのは避けてください。

他メーカーの商品との比較

比較する2機種

比較対象には、鍋に差し込んで使うスティック型の定番を選びました。
ひとつは葉山社中の「BONIQ2.0」、もうひとつはアイリスオーヤマの「スリム低温調理器LTC-02」です。
どちらもお湯の温度を管理するタイプです。

調理方式と準備の手間

BONIQ2.0は5〜15L、LTC-02は最大12Lのお湯を使います。
LTC-02は深さ10cm以上で内径20cm以上の鍋が必要です。
TLC70A-Kは鍋も水も不要なので、準備と片付けの手軽さではTLC70A-Kが明らかに上です。

パワーと温まり方

消費電力はBONIQ2.0が1000W、LTC-02が800W、TLC70A-Kが360Wです。
数値の差がそのまま性能の差になるわけではありません。
ただ、熱を伝えやすいお湯を大きな電力で温める2機種のほうが、大きな塊肉やまとめて仕込む作業には向いています。

温度設定と便利機能

LTC-02は25〜95℃を0.5℃単位で設定でき、タイマーは最大99時間59分です。
BONIQ2.0は5〜95℃に対応し、Wi-Fi(無線LAN)でつないでスマートフォンから操作できます。
細かい温度設定や遠隔操作を重視するなら、スティック型に分があります。
食材の中心温度を見ながら加熱できるのは、3機種のなかでTLC70A-Kだけです。

価格

発売時の店頭予想価格は、TLC70A-Kが16,500円でした。
調査時点の価格比較サイトの最安値は、LTC-02が約14,700円、BONIQ2.0が22,000円です。
価格は変動するので、購入前に最新の価格を確認してください。

第三者の検証結果

比較サイト「マイベスト」が低温調理器15商品を検証した結果では、TLC70A-Kのスコアは3.87で13位でした。
同じ検証で、BONIQの後継機「BONIQ3.0」は7位に入っています。
仕上がりのおいしさや温度の正確さを総合的に見ると、スティック型の上位機種に軍配が上がった形です。

寸法表記の注意点

TLC70A-Kの寸法は、商品情報では幅12.4cm・高さ27cmと記載されています。
一方で、幅11.2cm・高さ22.9cmと紹介しているメディアもあります。
置き場所がぎりぎりの場合は、購入前にメーカーの公式情報で確認するのが安全です。

比較の結論

少人数分を手軽に作りたい人、鍋を洗う手間を減らしたい人にはTLC70A-Kが向いています。
大量に仕込みたい人、細かい設定やスマートフォン操作を求める人には、BONIQやアイリスオーヤマのスティック型が合います。

まとめ

低温調理の失敗は、多くの場合、肉の中心で起きています。
外からは見えないその場所を、TLC70A-Kは温度計でまっすぐ確かめてくれます。
冒頭で「お湯の温度を見ているだけでは焼き加減はわかりません」と書いたのは、この仕組みのことです。

一度に作れる量や温まる速さでは、スティック型に及ばない部分もあります。
それでも、鍋もお湯も出さずに、しっとりしたサラダチキンが食卓に並ぶ気軽さは本物です。
半世紀以上、美容室と台所を支えてきたTescomらしい、使う人の手間に寄り添った一台です。

まずは今夜、冷蔵庫の鶏むね肉の厚さを指で確かめてみてください。
その厚みの違いこそが、中心の温度を測る意味を教えてくれます。

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