はじめに
家庭で立体物を形にする3Dプリンターは、もはや一部のエンジニアや熱狂的な愛好家だけのものではありません。DIYやフィギュア制作、欠損した家具のパーツ作りなど、私たちのクリエイティビティを支える日常的なツールへと進化を遂げました。
その進化の最前線に立ち、圧倒的なコストパフォーマンスで世界を驚かせているのが『ANYCUBIC(エニーキュービック)』です。しかし、驚くほど手頃な価格を目にすると、『一体どこの国のメーカーなのか』『安かろう悪かろうではないのか』という不安が頭をよぎるかもしれません。
まるで未知の海へ漕ぎ出すような緊張感を感じる方もいるはずです。そこで今回は、急成長を遂げるANYCUBICの正体を徹底的に調査し、期待の最新モデル『Kobra S1 Combo』が私たちの創作生活をどう変えてくれるのか、その真価を余すところなくお伝えします。


ANYCUBICとは
企業詳細
ANYCUBIC(エニーキュービック)は、2015年に中国のシリコンバレーとも称される広東省深セン市で設立されたハイテク企業です。正式名称は「Shenzhen Anycubic Technology Co., Ltd.」。創業者のJames Ouyang氏とIan Luk氏は、大学時代の友人同士であり、3Dプリント技術をより身近でシンプルなものに変えるというビジョンを掲げてこの事業を開始しました。
同社は当初からグローバル市場をターゲットに据えており、特にFDM(熱溶解積層法)と光造形式のプリンターにおいて、他社を圧倒する価格破壊を起こしました。現在では、研究開発から製造、販売までを一貫して自社で行う体制を確立しています。深センの強みである高度なサプライチェーンを最大限に活用し、最新のセンサー技術やAI機能を搭載したモデルを次々と市場に投入しています。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
リサーチに基づいたANYCUBICの信頼度評価は以下の通りです。
- 製品ラインナップの豊富さ:★★★★★(5.0)
- グローバルシェアと実績:★★★★☆(4.5)
- 日本国内の普及度とコミュニティ:★★★★☆(4.0)
- カスタマーサポートの対応力:★★★☆☆(3.5)
- 総合評価:★★★★☆(4.25)
商品紹介:ANYCUBIC Kobra S1 Combo



商品詳細
- ブランド:ANYCUBIC
- 色:バック
- 商品の寸法:49奥行き x 48幅 x 57高さ cm
- 商品の重量:25400 グラム
- 対応ファイル形式:STL, OBJ, GCODE
良い口コミ
- 「多色印刷が非常にスムーズで、これまでの単色プリントとは比較にならないほど表現の幅が広がりました。」
- 「筐体が非常にどっしりとしており、高速でプリントしても揺れが少なく安定した造形が可能です。」
- 「セットアップが非常に簡単で、初心者でも迷うことなく最初のプリントまで辿り着ける親切な設計です。」
- 「自動レベリングの精度が高く、最初の層が剥がれるストレスから解放されたのが一番の収穫です。」
- 「この価格帯でマルチカラー対応のシステムが手に入るのは、業界の常識を覆すほどの衝撃です。」
気になる口コミ
- 「本体が25kg以上とかなり重いので、設置場所を決める際は耐荷重のあるしっかりした机が必要です。」
- 「ファンの音がそれなりに大きいため、静かな寝室などに置くのは少し厳しいかもしれません。」
- 「多色プリントを繰り返すと排出されるフィラメントのゴミが溜まるので、こまめな掃除が必須です。」
- 「説明書は丁寧ですが、細かい設定を追い込むには英語のフォーラムなどを参照する必要があります。」
- 「サイズがかなり大きいため、日本の標準的なメタルラックには収まりきらない場合があります。」
「ANYCUBIC Kobra S1 Combo」のポジティブな特色
本機最大の武器は、単なる3Dプリンターの枠を超えた「マルチカラー造形」の民主化にあります。従来の3Dプリンターは、一色ずつフィラメントを交換する手間がかかるか、あるいは数十万円する高額なシステムが必要でした。Kobra S1 Comboは、これを一般家庭でも現実的な予算で実現しています。
特筆すべきは、造形スピードと精度のバランスです。筐体の重量が25.4kgと重厚であることは、裏を返せば「制振性の高さ」を意味します。ノズルが高速で動く際の微細な振動をこの自重が吸収するため、表面の滑らかさが格段に向上しています。また、STLやOBJといった標準的な形式に広く対応しているため、既存の3Dモデルデータをそのまま流用できる汎用性の高さも魅力です。
「ANYCUBIC Kobra S1 Combo」のネガティブな特色
一方で、導入にあたって覚悟すべきは「物理的な占有面積」と「重量」です。奥行き49cm、高さ57cmというサイズは、一般的な事務机に置くとかなりの圧迫感を与えます。重量も25kgを超えるため、一人での開封や設置には細心の注意が必要です。
また、多色造形プロセスにおいては、フィラメントの切り替え時に「パージ」と呼ばれる捨て打ちが発生します。これにより、単色造形時と比較してフィラメントの消費量が増え、印刷時間も長くなる傾向にあります。これはマルチカラー機共通の課題ではありますが、効率を重視するユーザーにとっては、事前のプランニングが重要となるポイントです。


他メーカーの商品との比較
Bambu Lab(バンブラボ)との比較
現在のマルチカラー3Dプリンター市場において、最大のライバルと言えるのがBambu Labの製品群です。Bambu Labは「高速・高精度・自動化」を極めたメーカーとして知られ、特にAMS(自動素材システム)による多色印刷の先駆者です。
ANYCUBIC Kobra S1 Comboと比較すると、Bambu Labの製品はソフトウェアの統合環境が非常に洗練されており、スマートフォンアプリからの操作性が一歩リードしています。しかし、価格面ではANYCUBICに大きなアドバンテージがあります。Kobra S1 Comboは、Bambu Labのハイエンドモデルに近い機能を、より広い層が手に届く価格帯で提供することに成功しています。「最新の多色印刷を体験したいが、予算も抑えたい」というユーザーにとって、ANYCUBICは極めて強力な選択肢となります。
Creality(クリアリティ)との比較
3Dプリンター業界の巨人、Crealityとの比較も欠かせません。Crealityの「Ender」シリーズや「K1」シリーズは世界中で愛用者が多く、カスタマイズ用のパーツが豊富に出回っているのが特徴です。
Kobra S1 ComboとCrealityの同等機種を比較した場合、ANYCUBICの強みは「パッケージとしての完成度」にあります。Creality製品はユーザーが自分で改造や調整を楽しむ余地が大きい反面、箱出しの状態では調整が必要な場面も少なくありません。対してKobra S1 Comboは、Combo(コンボ)の名が示す通り、多色ユニットが最適化された状態でシステムに含まれています。組み立て後の微調整に時間をかけるよりも、すぐに多色造形を開始したいという実用主義のユーザーには、ANYCUBICの設計思想が合致しています。
スペックと実用性の観点から
寸法面で見ると、ANYCUBIC Kobra S1 Comboは他社のエントリーモデルよりも一回り大きく設計されています。これは、大きな造形物を作りたいというニーズに応えるための選択です。他メーカーの小型機では分割して印刷しなければならないパーツも、このサイズであれば一括で出力できる可能性が高まります。25.4kgという重量も、他社の軽量モデルと比較して物理的な安定感に寄与しており、高速造形時における「層ズレ」のリスクを低減させています。
まとめ
ANYCUBICが深センの活気の中から生み出したKobra S1 Comboは、多色印刷という魔法を私たちのデスクに届けてくれました。25kgを超えるその重厚な佇まいは、安定した造形を実現するための信頼の証と言えます。確かに、設置場所の確保やファンの音といった現実的な課題はありますが、それを補って余りある『色がつく喜び』がここにはあります。かつては白黒だったテレビがカラーになった時のように、あなたの創作物も新しい命を宿すはずです。
世界中で愛用されるブランドへと成長したANYCUBICの技術力は、これからのものづくりをより自由で鮮やかなものへと変えていく原動力となります。自分だけのオリジナル作品をフルカラーで形にする日は、もう目の前まで来ています。新しい技術を手に取る一歩が、あなたの想像力を無限に広げるきっかけとなることを願っています。




