Audio-Technicaってどんなブランド?音へのこだわりと魅力を徹底解説!重低音を楽しむ「完全ワイヤレスイヤホンATH-CKS50TW2」の実力とは

このイヤホンの帰る場所は充電ケースではありません

はじめに

駅のホームでイヤホンを取り出そうとして、ケースごと家に忘れたと気づく。
あの瞬間の小さな絶望は、多くの人が経験しているはずです。
完全ワイヤレスイヤホンは便利な反面、「ケースとセットで持ち歩く」という決まりごとに縛られてきました。

その決まりごとに正面から疑問を投げかけたのが、日本の老舗音響メーカーAudio-Technica(オーディオテクニカ)です。
同社の重低音シリーズ「SOLIDBASS(ソリッドベース)」の完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS50TW2」は、ケースを家に置いたまま一日を過ごせる設計になっています。
2024年10月の発売にあわせて、ラッパーの千葉雄喜さんを起用した「25時間」がテーマの特設サイトまで用意されました。
ここからも、メーカーがこの長時間再生にどれだけ自信を持っているかが伝わってきます。

とはいえ、話題性だけで選ぶと後悔することもあります。
この記事では、レコード針から始まったAudio-Technicaの歩みを掘り下げ、ATH-CKS50TW2の実力を良い面も気になる面も含めて整理します。
最後には他メーカーの人気モデルとも比べるので、買うかどうか迷っている方は判断の材料にしてください。

Audio-Technicaとは

企業詳細

美術館のレコード鑑賞会から始まった会社

Audio-Technicaの原点は、意外にも美術館にあります。
創業者の松下秀雄は、ブリヂストン美術館で所蔵レコードの鑑賞会を運営するスタッフでした。その後、レコードプレーヤー用のカートリッジを自ら作って売るために独立しています。
カートリッジとは、レコードの溝をなぞって音を拾う「針」の部分です。
1962年4月17日、資本金100万円、創業者を含めて従業員はわずか3名で、東京都新宿区の民家を借りての船出でした。

最初期の製品はMM型ステレオカートリッジの「AT-1」と「AT-3」です。
NHKをはじめとする放送局にも業務用の製品を納め始め、技術開発の一方で、イラストレーターの長新太さんに絵を依頼するなど個性的な広報活動でも知られるようになりました。

「世界最大のピックアップメーカー」への成長

会社の土台を築いたのは、独自に開発したVM型カートリッジです。
この方式は世界最大のピックアップメーカーへと成長する基盤となり、スイス、カナダ、英国、米国、西ドイツ、日本などで次々に国際特許を取得しました。
最盛期には月に100万個ものカートリッジを生産していました。

CDの登場という大きな試練

順調に見えた歩みにも、大きな転機が訪れます。
1982年にCDが登場し、カートリッジ市場は縮小しました。
レコード針の会社にとって、主力市場が縮むのは存続にかかわる事態です。
それでも同社は、早い段階から別の柱を育てていました。
1972年にはアメリカに販売会社「Audio-TechnicaU.S.Inc.」を設立し、1974年にヘッドホン市場へ、1978年にはマイクロホン市場へ参入しています。
いま同社がヘッドホンやイヤホンのブランドとして知られているのは、この時期の多角化があったからです。

「音を電気に変える」専門家としての強み

同社は自らを、振動を電気信号に変えるトランスデューサー(変換器)のメーカーと位置づけています。
レコードの溝の振動を電気に変えるカートリッジ、声の振動を電気に変えるマイク、そして電気を音に戻すヘッドホン。
一見バラバラな製品群は、すべて「振動と電気の変換」という一本の技術でつながっています。
同社は、カートリッジ・マイクロホン・ヘッドホンの3分野で開発から製造、販売までを手がける唯一の企業だと説明しています。
これはあくまで同社自身の説明ですが、3分野を自社で抱えるメーカーが珍しいのは確かです。

意外に幅広い事業内容

「あ、そんなものまで作っているのか」と驚くのが事業の広さです。
音響機器のほかに、CD・DVD・BD用の光ピックアップ、半導体レーザー関連製品、さらには食品加工機器や産業用の除塵装置まで開発・製造・販売しています。
音の会社がお寿司のロボットのような食品機械まで手がけている事実は、技術の応用範囲の広さを物語っています。

プロの現場での実績

同社のマイクロホンは、オリンピックや米国グラミー賞の授賞式で採用された実績があります。
世界中が注目する舞台で使われるということは、それだけ信頼性が求められる現場で選ばれてきたということです。

会社の基本情報

本社は東京都町田市西成瀬にあり、代表取締役社長は松下和雄氏、資本金は1億円です。
求人情報では従業員数541名、国内関連会社を含めて738名と記載されています。
一方で日本経済新聞の企業情報では569人とされており、時点によって数字には幅があります。
ブランドの商標は世界110数カ国で登録済みです。

「アナログ」を掲げる理由

2022年の創業60周年に、同社は新しい企業ブランドメッセージ「もっと、アナログになっていく。」を発表しました。
デジタル全盛の時代に、あえてアナログを掲げるのは不思議に感じるかもしれません。
同社は、人間の感性や人間らしさこそが豊かさの根源だとする独自の「アナログ」観を大切にしていると説明しています。
実際に、カートリッジの製造はいまも日本での手づくりにこだわっているとしています。また、同社調べとして、アメリカやイギリス、フランスなどでターンテーブル市場のシェア1位を獲得したとも発表しています。
世界的なレコード人気の再燃は、創業時の技術を守り続けてきた同社にとって追い風になっています。

忖度なしで見た弱み

良い面ばかりではありません。
同社は非上場企業のため、売上高や利益といった財務情報を一般の人が手軽に確認することはできません。
詳しい財務データは、東京商工リサーチや帝国データバンクといった有料の企業情報サービスで閲覧する形になっています。
また、完全ワイヤレスイヤホン市場ではソニーやAnkerなど強力なライバルが多く、ノイズキャンセリングの強さや価格の安さで真っ向勝負するのは簡単ではありません。
だからこそ同社は、「重低音」や「ケースいらず」といった独自の切り口で勝負している、と見ることができます。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

運営体制の明確さ ★★★★★ (5.0)
本社所在地、代表者、資本金、役員構成まで公式サイトで公開されています。
60年以上続く国内企業として、実体の確かさは申し分ありません。
市場での評価実績 ★★★★☆ (4.5)
オリンピックやグラミー賞でのマイク採用など、プロの現場での実績が豊富です。
一方で、完全ワイヤレスイヤホン市場では大手との競争が激しく、この分野で圧倒的な首位とまでは言えません。
商品開発の専門性 ★★★★★ (5.0)
カートリッジ、マイク、ヘッドホンを自社で一貫して手がける技術基盤は大きな強みです。
「振動と電気の変換」という一本の技術を60年以上磨き続けてきた点を高く評価します。
社会的・文化的な取り組み ★★★★ (4.0)
レコード文化を支え続け、「アナログ」という価値観を発信している点は文化的な意義があります。
アーティストとのコラボレーションなど、音楽文化との接点づくりにも積極的です。
財務情報の開示度 ★★☆ (2.5)
非上場企業のため、売上や利益を一般の人が手軽に確認することはできません。
ただし、有料の企業情報サービスには財務データが収録されており、実態が見えない企業というわけではありません。

総合評価 ★★★★☆ (4.2)
財務の透明性には物足りなさがあるものの、長い歴史と確かな技術力、プロの現場での実績を兼ね備えた信頼性の高いブランドです。
初めてこのブランドの製品を買う人でも、安心して検討できる企業と判断します。

商品紹介「完全ワイヤレスイヤホンATH-CKS50TW2」

商品詳細

  • 色:ブラック
  • 耳の位置:インイヤー
  • ヘッドホン型式:完全ワイヤレス
  • インピーダンス:20オーム
  • ドライバー:φ9mmSOLIDBASSHDTWSドライバー(大口径ドライバー)
  • 特徴:高い密閉性で低音を逃さない設計
  • ノイズキャンセリング:高精度なハイブリッドノイズキャンセリング機能
  • 電源操作:マグネティックスイッチ機能(イヤホンを取り出して左右に離すと電源ON、マグネットでくっつけると電源OFF)
  • 連続再生時間(ノイズキャンセリングOFF時):イヤホンだけで最大25時間
  • 連続再生時間(ノイズキャンセリングON時):最大15時間
  • 連続再生時間(充電ケース併用時):最大65時間
  • 外音取込:ヒアスルー機能、トークスルー機能
  • 防水・防じん性能:IP55相当(イヤホンのみ)
  • お手入れ:使い終えたら水で洗い流すことが可能

良い口コミ

「低音がズンと響いて、いつもの曲がライブ会場で聴いているような迫力に変わりました」

「ケースを持たずに出かけられるのが想像以上に楽で、ポケットが軽くなりました」

「朝から夜まで使っても電池が切れず、残量を気にするストレスがなくなりました」

「外したら左右をくっつけるだけで電源が切れるので、置き場所に迷わなくなりました」

「ランニングで汗をかいても平気で、帰ってから水で流せるのが気に入っています」

気になる口コミ

「イヤホン本体が少し大きめで、耳が小さい自分には長時間だと圧迫感がありました」

「低音が強めなので、ボーカルや弦楽器をすっきり聴きたい曲では好みが分かれそうです」

「ノイズキャンセリングの強さを細かく調整できたら、もっと使いやすかったと思います」

「ケースなしで使えるのは便利ですが、出先で電池が切れたときに充電できないのが少し不安です」

「同じくらいの予算なら、もっと安いノイズキャンセリングイヤホンもあるので迷いました」

「完全ワイヤレスイヤホンATH-CKS50TW2」のポジティブな特色

冒頭で「イヤホンの帰る場所は、もう充電ケースではない」とお伝えしました。
その答えが、マグネティックスイッチ機能です。
使い終わったら左右のイヤホンをマグネットでくっつけるだけで電源が切れます。
つまり、左右のイヤホンがお互いの「帰る場所」になる仕組みです。
ケースは家で待機させておけばよく、出かけるときはイヤホン本体だけをポケットに入れれば準備は完了です。

これを可能にしているのが、イヤホンだけで最大25時間という長時間再生です。
これはノイズキャンセリングOFF時の数字ですが、ON時でも最大15時間持ちます。
たとえば朝7時に家を出て、通勤、仕事中の作業用BGM、帰りの電車、夜のジム通いまで使っても、まだ余裕がある計算です。
夜に帰宅してケースに戻せば、ケース併用で最大65時間まで伸びます。
「電池、もつかな」と気にする時間そのものがなくなるのは、数字以上に大きな価値です。

音の主役は、φ9mmSOLIDBASSHDTWSドライバーです。
ドライバーとは、音を鳴らすスピーカーの心臓部のことです。
大口径のドライバーと高い密閉性の組み合わせで、低音を耳の中に閉じ込めるように届けます。
そこにハイブリッドノイズキャンセリング機能が加わることで、電車の走行音のような低い騒音に音楽の低音がかき消されにくくなります。

外の音が必要な場面も考えられています。
散歩や家事、テレワーク中はヒアスルー機能で周囲の音を取り込めます。
コンビニのレジで店員さんと話すときは、トークスルー機能が役立ちます。

さらに、イヤホン本体はIP55相当の防水・防じん性能を備えています。
雨の日のランニングや汗をかくトレーニングでも使いやすく、使い終えたら水で洗い流せます。
耳に直接入れるものだからこそ、清潔に保てるのはうれしいポイントです。

「完全ワイヤレスイヤホンATH-CKS50TW2」のネガティブな特色

まず、音の好みがはっきり分かれる点です。
重低音を前面に押し出したシリーズなので、クラシックやアコースティックな曲を繊細に聴きたい人には、低音が主張しすぎると感じる可能性があります。

次に、装着感です。
長時間バッテリーを積んでいる分、本体は小さめとは言いにくく、レビューでも耳が小さい人には負担になりうるという声が見られます。
購入前に、できれば店頭で試着するのが安心です。

ノイズキャンセリングについても注意が必要です。
効きの良さを評価する声がある一方で、強さを細かく調整できない点を指摘するレビューもあります。
静けさを最優先にするなら、ノイズキャンセリング特化型のモデルのほうが満足度は高いかもしれません。

「業界最高クラス」のバッテリーという表現にも前提があります。
これは2024年10月時点のメーカー調べで、イヤホン単体・ノイズキャンセリングOFF時の条件での話です。
ノイズキャンセリングONでは最大15時間になるため、使い方によって体感は変わります。

防水・防じん性能は「イヤホンのみ」が対象で、充電ケースは含まれていません。
ケースを濡らさないよう気をつける必要があります。

最後に、ケースを家に置く使い方ならではの弱点です。
出先で電池が切れた場合、その場では充電できません。
長時間の外出が続く日は、ケースを持っていくかどうかを自分で判断する必要があります。

他メーカーの商品との比較

比較相手には、同じ価格帯で人気の高いソニー「WF-C710N」と、Anker「SoundcoreLiberty4NC」を選びました。

バッテリー:ATH-CKS50TW2が大きくリード

ATH-CKS50TW2は、ノイズキャンセリングON時でもイヤホン単体で最大15時間です。
WF-C710Nは、ノイズキャンセリングONでイヤホン本体8.5時間、ケース込みで最大30時間とされています。
SoundcoreLiberty4NCは、ノイズキャンセリングモードでイヤホン本体のみ最大8時間、充電ケース使用時で最大40時間です。
イヤホン単体の持ちでは、ATH-CKS50TW2がほぼ倍近い差をつけています。

防水性能:屋外や運動ならATH-CKS50TW2

ATH-CKS50TW2は防じん性能も含むIP55相当です。
WF-C710NとLiberty4NCはいずれもIPX4の防水規格で、防じん性能の等級は示されていません。
水で洗い流せる点まで考えると、スポーツ用途ではATH-CKS50TW2が一歩上です。

音質と対応コーデック:好みと環境で差が出る

コーデックとは、スマホからイヤホンへ音を送る方式のことです。
ATH-CKS50TW2はAAC、SBCに加えて、次世代規格LEAudio(エルイーオーディオ)のLC3にも対応しています。
Liberty4NCは高音質コーデックのLDACに対応しており、対応するAndroidスマホならより多くの情報量で音を楽しめます。
WF-C710NはSBCとAACのみです。
重低音の迫力ならATH-CKS50TW2、情報量の多さならLiberty4NCが有利です。

使い勝手と価格:ライバルにも強みあり

Liberty4NCは、2台の機器に同時接続できるマルチポイントに対応し、ノイズキャンセリングの強さも手動で選べます。
WF-C710Nは片耳約5.2gの軽量設計で、小さな耳にもなじみやすいモデルです。
価格面では、ATH-CKS50TW2の公式価格は23,980円(税込)です。
WF-C710Nはソニーストアで17,600円(税込)とされ、ATH-CKS50TW2のほうが高めの設定です。

結論:選ぶ基準は「何を一番大事にするか」

電池の持ち、防水性、ケースを持たない身軽さを重視するならATH-CKS50TW2です。
軽さと価格を重視するならWF-C710N、LDACの音質や細かな調整を重視するならLiberty4NCが候補になります。

まとめ

レコード針の会社が、ケースのいらないイヤホンを作る。
並べてみると不思議な組み合わせですが、どちらにも「音楽をもっと気軽に、もっと深く楽しんでほしい」という同じ思いが流れていました。

Audio-Technicaの「ATH-CKS50TW2」は、重低音とイヤホン単体の長時間再生で、朝の満員電車から夜のジムまで一日をまるごと支えてくれる一台です。
サイズ感や価格など、人を選ぶ部分があるのも事実です。
それでも、ケースを探してカバンをひっくり返す毎日から抜け出せるなら、その差額には十分な意味があります。

まずは今日一日、手持ちのイヤホンをケースに出し入れした回数を数えてみてください。
その数が多いほど、この一台が暮らしを軽くしてくれるはずです。

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