お風呂掃除がつらいのは汚れのせいではない
はじめに
浴槽のフチに片手をついて、中腰のまま腕を前後に動かす。
三十秒もすれば腰が鳴り、五分後には湯気で前髪が額に張りつきます。
多くの家庭で、風呂掃除は「汚れを落とす作業」ではなく「姿勢に耐える作業」になっているのではないでしょうか。
実際、掃除そのものが嫌いという人より、「かがむのが嫌」「濡れた床で踏ん張るのが嫌」という声のほうが、はるかによく耳にします。
共働き世帯が当たり前になり、家事の総量を削る道具にお金を払う流れが定着したここ数年、浴室掃除の電動化はその象徴のような存在になりました。
そこで注目されているのが、東京発のライフスタイルブランドEPEIOS(エペイオス)と、同ブランドの電動お掃除ブラシ「Epeios バスポリッシャー HM115」です。
ブラシヘッドが回り、柄が伸び、腰を屈めずに浴槽から天井まで届く。
言葉にすれば単純な仕組みですが、毎日の五分を軽くする道具というのは、往々にしてこういう地味な構造をしています。
この記事では、EPEIOSという企業の中身を可能な限り掘り下げたうえで、「Epeios バスポリッシャー HM115」の仕様を提供情報に沿って整理し、他メーカーの同等品と忖度なしに比べていきます。
買うべき人と、見送ってよい人を、はっきり分けて書きます。


EPEIOSとは
企業詳細
EPEIOS(エペイオス)は、家電量販店の棚よりも先にオンラインで名前を知った、という人が多いブランドかもしれません。
公式サイトの説明によれば、EPEIOSは2020年に東京で生まれたライフスタイルソリューションブランドで、アジア圏の技術と生産力に、日本のものづくりで培われた知見を組み合わせた製品を展開しています。
ブランドを運営するのは株式会社EPEIOS JAPANです。
公式の企業情報ページでは、本社は東京都中央区東日本橋、代表者は代表取締役社長の駒崎竹彦氏、設立は2020年3月、資本金は1,000万円、事業内容は小型家電製品等の企画・開発・販売・OEM・ODM、営業時間は午前9時30分から午後6時30分までと記載されています。
ここで押さえておきたいのが、社名の変遷です。
同社はもともと株式会社MPOW JAPANという社名で、2022年1月26日に株式会社EPEIOS JAPANへ社名を変更しました。
変更の理由として、ブランド立ち上げ以降の成長を受け、社名とブランド名を統一して製品品質とブランド価値の向上を図ることが挙げられています。
つまり、別ブランドの日本法人として出発し、自社ブランドを主軸に据え直した会社ということになります。
この経緯は、ブランドの歴史がまだ浅いことの裏返しでもあり、同時に「輸入代理から自社企画へ」という方向転換を実行できた会社であることの証拠でもあります。
外部の企業データベースでは、同社の所在地と同じ住所に株式会社EPEIOS HOLDINGSが存在することも確認できます。
グループとして持株会社を置き、事業会社が国内販売を担う構造だと推測できますが、資本関係の詳細までは公開情報から断定できません。
製品の作り方についても触れておきます。
第三者の解説記事では、EPEIOS製品の製造やアプリ開発はグループ企業が担当し、日本が主導してブランドを展開しているという説明がなされています。
企画とデザインを国内で握り、生産はアジア圏の拠点に任せる。
この体制自体は、いまや国内大手メーカーも含めて広く採用されているやり方で、それ自体を減点材料にする必要はありません。
ブランド名の由来については、ギリシャ神話でトロイの木馬を指揮した知恵者エペイオスに因むという説明が見られます。
ただし、この由来は公式の企業情報ページではなく解説記事側の記述であるため、公式見解として断定はできません。
実績面は、比較的わかりやすい形で残っています。
ノンフライオーブンCP247Aが「家電大賞 2021-2022」にノミネートされ、翌年もスマート加湿器Healとノンフライオーブンのアプリ連携モデルの2製品が「家電大賞 2022-2023」にノミネートされています。
家電大賞は「家電 Watch」(株式会社インプレス)と「GetNavi」(株式会社ワン・パブリッシング)が共同開催する国内最大規模の家電アワードで、読者投票で大賞が決まる点が特徴とされています。
加えて、家電批評2022年8月号の電動歯ブラシランキングでは、EPEIOS 電動歯ブラシ ET003が第1位・ベストバイに選出されています。
雑誌の実測比較で1位を取る製品と、読者投票型アワードにノミネートされる製品を両方持っている点は、素直に評価できる部分です。
企業ビジョンは「Realization of a sustainable world」(サステナブルな世界の実現)を掲げています。
ミッションとしては、豊かなライフスタイルの実現のために、喜びや愉しさ、安心といった物質的な豊かさ以上の、心も豊かになれるような高品質で革新的な製品とサービスを提供し続けるという文言が掲げられています。
デザイン面では、世界的なラグジュアリーブランドでも活躍するブノワ・ピエール エメリー氏とダミアン・オー シュリバン氏が手がけた加湿器Healのように、外部デザイナーを起用したシリーズも展開しています。
取扱カテゴリーは、コーヒー器具、キッチン家電、オーラルケア、リビング雑貨などに広がっています。
サポート面では、公式サイトおよび正規取扱販売店で購入し、メンバー会員登録をした利用者を対象に、通常保証より長い24か月の長期保証を提供する制度が案内されています。
裏を返せば、購入経路によって保証条件が変わる可能性があるということです。
ここは購入前に確認すべき実務的なポイントになります。
一方で、辛口に見ておくべき点もあります。
資本金1,000万円は、家電ブランドの運営会社として突出した規模ではありません。
未上場のため、売上高や利益といった財務数値は公開されておらず、経営の安定性を数字で検証する手段がない状態です。
社名変更から数年という若さもあり、十年単位の修理部品供給や補修体制の実績を評価する材料は、現時点では乏しいと言わざるを得ません。
家電は買った瞬間より、三年後にブラシや部品が手に入るかどうかで満足度が決まる製品です。
そこは期待ではなく、事実として不明であると整理しておきます。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★☆(4.2)
法人名、所在地、代表者名、設立年月、資本金、事業内容が公式サイト上で明記されており、問い合わせ窓口も整備されています。
前身社名からの変更経緯まで自社で告知している点は、情報開示の姿勢として好感が持てます。
市場での評価実績 ★★★★(4.0)
国内最大規模の家電アワードに2年連続でノミネートされ、実測比較を行う専門誌でもベストバイを獲得しています。
ブランド歴が短いわりに、第三者評価の蓄積は着実です。
商品開発の専門性 ★★★☆(3.8)
小型家電の企画・開発に加えOEM・ODMまで手がけており、調理家電、オーラルケア、掃除用品と横断的に製品を出しています。
ただしカテゴリーの幅が広い分、特定分野を突き詰めた専業メーカーと比べると、技術的な深さは見えにくくなります。
社会的・文化的な取り組み ★★★☆(3.4)
サステナブルな世界の実現をビジョンに掲げ、専用ページで取り組みを紹介しています。
外部デザイナーとの協業によるデザインシリーズも文化的な発信として機能していますが、具体的な数値目標や成果報告は確認できませんでした。
財務情報の開示度 ★★☆(2.5)
資本金は公開されているものの、売上規模、従業員数、業績推移といった情報は確認できません。
未上場企業として一般的な水準ではありますが、長期保証を掲げるブランドである以上、継続性を判断する材料が少ない点は減点対象とします。
総合評価 ★★★(3.6)
情報公開の姿勢と第三者からの評価実績は、後発ブランドとしてかなり良好な部類です。
財務面の不透明さと歴史の浅さを織り込んだうえで、「実績で選ぶブランド」というより「製品単位で見極めるブランド」と位置づけるのが妥当だと考えます。
商品紹介「Epeios バスポリッシャー HM115」



商品詳細
・色:ホワイト
・ハンドル材質:プラスチック or アルミニウム
・商品用途・使用方法:浴槽、シンク、デッキ、トイレ、床、ガラス
・商品の寸法:40長さ x 6.9幅 x 6.9高さ cm
・ブラシヘッドの角度調節:90°/135°/180°の3段階
・ハンドルの長さ調節:約40〜135cm
・使用スタイル:伸縮可能な延長スティック式と、小回りの利くハンディ式の2通り
・バッテリー容量:2500mAh×2の大容量バッテリー
・充電時間:4時間
・連続使用時間:約90分
・電源方式:充電式のコードレス仕様
・回転速度:450RPM
・運転音:53dB程度の低騒音モデル
・付属ブラシ:7種類の替えブラシ
・ブラシの使い分け:フラットブラシは台所や床など大きな面、ドームブラシは水槽や洗面台、浴槽などデリケートな対象、コーナーブラシは部屋の隅や曲面、デッキブラシは細部や局所的な掃除
・収納方法:本体の収納フックで壁掛け収納が可能
・保管上の注意:バッテリー寿命とモーターへの影響を考慮し、高温多湿の場所での保管を避けることを推奨
・トラブル時の対応:空回りが発生する場合はプラグを一度抜き、奥までしっかり差し込む
・サポート体制:コールセンターおよびメールサービスで製品や注文に関する質問に対応
良い口コミ
「中腰にならずに浴槽が洗えるので、掃除のあとに腰が痛くならなくなりました」
「柄を縮めてハンディ式にすると、蛇口まわりの細かい部分まで届いて助かります」
「充電が4時間で終わるので、夜に挿しておけば翌朝には使える手軽さがありがたいです」
「思っていたより静かで、子どもが寝ている時間帯でも気兼ねなく使えています」
「ブラシを付け替えるだけで洗面台もトイレも洗えるので、掃除道具が減りました」
気になる口コミ
「ブラシが7種類ありますが、結局いつも同じ2種類しか使っていません」
「回転する力に負けないよう握る必要があり、腕の力はそれなりに使います」
「柄を長く伸ばすと重心が先端に寄って、天井を洗うときは少し疲れます」
「洗剤の泡が飛ぶので、使い方に慣れるまでは服が濡れました」
「収納フックは便利ですが、掛ける場所を先に決めておかないと置き場に困ります」
「Epeios バスポリッシャー HM115」のポジティブな特色
この製品の価値は、「汚れが落ちること」ではなく「姿勢が変わること」にあります。
冒頭で、風呂掃除がつらいのは汚れのせいではないと書きました。
その答えがここです。
約40〜135cmまで長さを調節できるため、浴槽のフチにかがみ込む姿勢も、天井に向かって腕を高く上げ続ける姿勢も、どちらも回避できます。
身長や洗う場所に合わせて柄を伸ばし縮みさせるだけで、腰への負担を減らしながら浴槽から天井まで対応できる設計です。
ブラシヘッドの角度が90°/135°/180°の3段階に変えられる点も、地味ながら効きます。
床を洗うときと壁を洗うときでは、手首が楽な角度がまったく違うからです。
角度が固定された製品では、結局その差を手首のひねりで吸収することになります。
2500mAh×2という大容量バッテリーの効果も明快です。
一般的な電動お掃除ブラシの充電時間が5〜8時間であるのに対し、本製品は4時間に短縮され、連続使用は約90分とされています。
浴室掃除に90分を費やす家庭はまずありませんから、実質的には「何回か使っても充電残量を気にしないで済む」余裕として働きます。
コードレスである以上、コンセントのない浴室でも延長コードを引き回す必要がありません。
450RPMという回転速度は、洗剤をしっかり泡立てながら、力を込めずに汚れを落とすための数値です。
こするのは腕ではなくモーターの仕事になります。
頑固な汚れに対しては少しだけ押し込みながら使う、という但し書きも公式に示されているため、期待値の設定を誤りにくい点も評価できます。
静音性も実生活寄りの設計です。
運転音は53dB程度とされており、集合住宅で夜に掃除をする人にとっては現実的な安心材料になります。
7種類の替えブラシは、浴室専用機から「水まわり全般の掃除道具」へと役割を広げます。
フラットブラシで床、ドームブラシで洗面台や浴槽、コーナーブラシで隅や曲面、デッキブラシで細部。
用途に応じて付け替えられるので、シンクもトイレもガラスも同じ一本で回せます。
そして収納フックです。
掃除道具が散らかる最大の原因は、置き場所が決まっていないことにあります。
タオルハンガーなどに掛けておけるだけで、掃除のハードルは確実に下がります。
「Epeios バスポリッシャー HM115」のネガティブな特色
率直に書きます。
提供された商品情報の範囲では、防水等級の記載が見当たりません。
浴室で使う電動製品にとって、防水性能はもっとも知りたい項目のひとつです。
シャワーをかけて洗い流せるのか、水に沈めても平気なのか、濡れた手で触れるだけにとどめるべきなのか。
ここが不明なままでは、扱いに慎重にならざるを得ません。
購入前に販売ページで必ず確認すべき項目だと考えます。
本体重量の記載がない点も同様です。
柄を135cmまで伸ばした状態で天井を洗う場面では、重量と重心が使い心地を大きく左右します。
「腰を屈めず負担を軽減」という説明は姿勢の話であって、腕が疲れないという話ではありません。
さらに、替えブラシの内訳にも引っかかりが残ります。
7種類付属と明記されている一方、説明されているのはフラット、ドーム、コーナー、デッキの4種類だけです。
残り3種類が何なのかは提供情報からは判断できず、ここは情報の整理不足と指摘せざるを得ません。
ハンドル材質が「プラスチック or アルミニウム」と併記されている点も、購入者にとっては不親切です。
どちらが届くのかで、重量感も耐久性の印象も変わります。
寸法表記も同様で、40長さ×6.9幅×6.9高さcmという数値と、約40〜135cmの長さ調節という説明が並んでいるため、前者が収納時の状態を指すのか別の部位を指すのかが読み取れません。
運用面のクセもあります。
高温多湿の保管を避けるよう推奨されていますが、浴室はまさに高温多湿の空間です。
つまり、使用後は脱衣所などへ持ち出す運用が前提になります。
浴室に掛けっぱなしにできない掃除道具は、その一手間が積み重なると使用頻度に響きます。
空回りが起きた際はプラグの差し込みを確認するという注意書きも示されており、接続まわりに一定の個体差やクセがある可能性は想定しておくべきです。


他メーカーの商品との比較
回転速度で比べる
「Epeios バスポリッシャー HM115」の450RPMは、この価格帯では上位寄りの数値です。
たとえばアイリスプラザが扱うベルソスのIS-BP4は回転数が約300rpm、質量約710g、保護等級IPX5とされています。
一方で、比較メディアでは最大550RPMをうたう11in1タイプの多機能モデルも紹介されています。
450RPMは「非力ではないが最速でもない」という位置づけになります。
バッテリーと充電時間で比べる
ここはHM115の強みが出る領域です。
IS-BP4は充電約5.5時間に対して連続使用が約40〜50分。
ツインバードのBD-4192Wは、フル充電まで約3.5時間、LOWモードで約100分の連続使用が可能とされています。
充電4時間で約90分というHM115は、この二機種のちょうど中間からやや上に位置します。
充電の速さを最優先するならツインバード、稼働時間と充電時間のバランスならHM115という整理になります。
防水性能で比べる
正直に言えば、ここはHM115の弱点です。
ツインバードのBD-4192WはJIS IPX4相当と明記され、組み立てた状態で防水性能を発揮すること、水に沈めないことまで注意書きが添えられています。
越境ECブランドのなかには、本体を水に沈めて使えるIPX8をうたうモデルも存在します。
提供された商品情報に防水等級の記載がない以上、この軸では比較の土俵に上がれません。
長さ調節とブラシ本数で比べる
IS-BP4の長さは64.5〜112cm、IPX8をうたう多機能モデルでは27〜130cmという例もあります。
約40〜135cmまで伸びるHM115は、下限の短さと上限の長さの両方で見劣りしません。
ブラシ本数も、ツインバードが浴槽ブラシ、フラットブラシ、コーナーブラシの3種であるのに対し、HM115は7種類。
多ければ良いとは限りませんが、水まわり全般を一本でまかないたい人には効いてきます。
耐久性とサポートで比べる
無視できない差がここにあります。
IS-BP4のレビューには、三か月で充電しても反応しなくなったという耐久性への不満も投稿されています。
電動掃除用品はモーターとバッテリーを濡れた環境で使う以上、故障リスクを前提に選ぶべきカテゴリーです。
その点、国内に法人を置き、所在地と代表者を公開している運営体制と、会員登録による24か月の長期保証制度を持つEPEIOSは、価格の近い無名ブランドより安心材料が多いと言えます。
ただし長期保証は購入経路に条件があるため、そこは事前確認が必須です。
まとめ
風呂掃除の道具選びは、汚れ落ちの性能比べに見えて、実は「明日も続けられるかどうか」の選択です。
「Epeios バスポリッシャー HM115」は、約40〜135cmの伸縮と3段階の角度調節で中腰をなくし、450RPMの回転でこする力を肩代わりし、53dB程度の静音性で夜の掃除も許容範囲に収めます。
充電4時間で約90分という余裕も、日常使いでは効いてきます。
一方で、防水等級と本体重量が提供情報から読み取れず、7種類とされる替えブラシの内訳も明示されていません。
ここは販売ページで必ず確かめてください。
EPEIOSは家電大賞ノミネートや専門誌ベストバイという実績を持つ一方、財務情報の開示は限定的な後発ブランドです。
期待も課題も、事実として並べたうえで選ぶのが健全だと考えます。
今日からできる一歩として、まずは浴室の掛け場所を一か所だけ決めてみてください。
道具の定位置が決まった瞬間から、掃除の心理的な重さは確実に軽くなります。




