音の細部まで鮮明に楽しむ!LETSHUOERとはどんなブランド?高精細サウンドを追求した「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」の魅力を徹底解説

はじめに

通勤電車でイヤホンを片耳だけ外した瞬間、さっきまで鳴っていたベースが急に遠くなる。
あの小さな喪失感に、覚えのある方は多いはずです。
音楽サブスクでロスレス配信が当たり前になり、スマホ一台でスタジオに近い音源が手に入る時代になりました。
それなのに、耳の入り口にある小さな機械が追いついていない。
そんなもどかしさを抱えている方に紹介したいのが、LETSHUOER(レットシュオワー)の「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」です。
心臓部は14.8mmの平面磁界駆動型ドライバー。
薄い膜全体を磁石の力で均一に押し引きして音を出す仕組みで、少し前までは高価なヘッドホンの専売特許のような技術でした。
正直に言うと、最初は「聞き慣れないブランドの平面型で大丈夫なのか」と半信半疑でした。
この記事では、ブランドの成り立ちから企業としての信頼度、S12Proの長所と短所、ライバル製品との違いまで、忖度なしで掘り下げます。
LETSHUOERとは

企業詳細

創業は2016年8月、オーディオ好きの二人から

LETSHUOERの前身は、2016年8月にDannyTo氏とJeffWong氏が立ち上げた「SHUOERACOUSTICS(シュオワー・アコースティクス)」です。
創業者でCEOのDannyTo氏は、パナソニックでシニアエンジニアを務めたのち、多国籍テック企業で営業責任者を経験した人物で、音響工学とオーディオ製造の分野に20年以上携わってきたと紹介されています。
共同創業者のJeffWong氏は、工業デザインを担うエンジニアとして名を連ね、大手企業グループで部門責任者を務めた経歴が公式サイトに載っています。
チームについては、インイヤーモニターの愛好家やオーディオファンで構成され、平均16年の経験を持つ集団だと説明されています。
創業者の経歴や主要スタッフの顔ぶれまで公開しているブランドは、この価格帯では多くありません。

OEMから自社ブランドへ

海外の販売店Audio46によると、同社はもともと2016年にIEM(耳に挿し込むタイプのモニターイヤホン)のOEM(相手先ブランドでの受託製造)メーカーとして事業を始めています。
つまり最初は、他社の名前で売られるイヤホンを作る側でした。
製造現場を知り尽くした会社が、のちに自分の名前で勝負に出た。
この順番は、音作りの手堅さを読み解くうえで見逃せないポイントです。

2021年末、「SHUOER」から「LETSHUOER」へ

国内でブランドを扱うナイコム株式会社の紹介ページでは、SHUOERとして好評を得たのち、2021年末にLETSHUOERへ名称を変えたと説明されています。
ここで冒頭の「三文字」を回収します。
書き足されたのは「LET」の三文字です。
そして同じ2021年に、ブランドの名を一気に広めた平面駆動イヤホン「S12」が登場しています。
名前を新しくした年に、手の届く価格の平面型を世に出した。
改名は単なる看板の掛け替えではなく、再出発の宣言だったと読むこともできます。

所在地をめぐる情報の食い違い

公式サイトのフッターには、広東省東莞市の住所が記載されています。
一方で、海外レビューサイトには深圳の企業として紹介するものがあり、2018年に東莞で設立されたとする販売店もあります。
創業年は公式サイトを含む複数の情報源が2016年8月で一致しているため、当ブログでは「2016年創業、現在の拠点は東莞市」と整理します。
所在地が移ったのかどうか、その経緯は確認できませんでした。

製品ラインナップの広がり

公式サイトでは、IEM、高級ヘッドホン、完全ワイヤレス、有線イヤホン、ポータブル音楽プレーヤー、DAC/AMP(デジタル音声をアナログに変換して増幅する機器)などを手がけると自社を紹介しています。
製品メニューにはLETSHUOER本体に加えてARTTIという別ラインや、カスタムIEM(耳型に合わせて作るオーダーメイドのイヤホン)の案内も並びます。
価格帯の幅は驚くほど広く、フラッグシップのCadenza12は約2,299米ドルの製品として紹介されています。
その一方で、11mmのダイナミックドライバーを積んだ有線モデルDX1や、平面型ドライバーにパッシブラジエーター(低音を補助する振動板)を組み合わせたS15など、入門機から超高級機まで選択肢は多岐にわたります。

S12シリーズの系譜

海外レビューサイトTheHeadphoneer(ザ・ヘッドフォニア)の整理では、S12シリーズは2021年の初代S12に続いて2022年にS12Proが登場し、高域がやや強いという声を受けて2024年の限定版が、2025年にはS12Ultraが発売されました。
評価サイトFrieveも、S122024のように以前の弱点を改善した版を出す姿勢を、測定データへの反応として評価しています。
ユーザーの声を、次のモデルで音にして返す。
この地道さこそ、ブランドの信頼を支えている部分です。

販売網とサポート窓口

公式サイトからは日本を含む各国のAmazonストア、AliExpress、eBay、正規販売店一覧へのリンクが案内されています。
保証規定のページも用意され、メールや電話のほか、Discord(チャット型コミュニティ)やWhatsApp(メッセージアプリ)でも連絡できる体制です。
国内ではナイコム株式会社がブランドページを設けており、大手量販店のヨドバシ.comでも取り扱いがあります。
量販店の棚に並んでいるという事実は、得体の知れない通販ブランドとは一線を画す材料になります。

辛口の視点も押さえておく

褒めるばかりでは公平ではありません。
Frieveは同社の設計思想を多くの同業ブランドより合理的としつつも、測定できない「音楽性」を前面に出す宣伝文句や、性能の伸びに見合わない高価格帯への進出には疑問を示しています。
また、確認できた範囲では売上や財務状況といった数字は公開されていません。
技術と製品の実績は十分、経営の透明性はこれから。
現時点のLETSHUOERは、そんな立ち位置のブランドです。

★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)

運営体制の明確さ ★★★★(4.0)
創業年、創業者の経歴、主要スタッフの顔ぶれまで公式サイトで公開されており、顔の見える運営体制です。
ただし所在地の情報が媒体ごとに食い違っている点は、少しだけ減点しました。

市場での評価実績 ★★★★★(5.0)
S12シリーズは海外の主要レビューサイトで繰り返し取り上げられ、手頃な平面型の代表格として語られてきました。
国内でも代理店と大手量販店を通じて流通しており、実績は申し分ありません。

商品開発の専門性 ★★★★(4.0)
OEM出身の製造力を土台に、ドライバーから筐体、ケーブル、イヤーピースまで一体で仕上げています。
一方で宣伝文句に感覚的な表現が多く、数値による裏付けがもう少し欲しいところです。

社会的・文化的な取り組み ★★★(3.0)
Discordなどを通じたユーザーとの交流や、世界規模の販売網づくりには積極的です。
ただし社会貢献活動のような目立った取り組みは確認できませんでした。

財務情報の開示度 ★★(2.0)
確認できた範囲では、売上や財務状況は公開されていません。
非公開企業としては珍しくないものの、安心材料としては弱い部分です。

総合評価 ★★★☆(3.6)
技術力と市場での実績は、同価格帯のブランドの中でも頭ひとつ抜けています。
経営面の情報開示が進めば、さらに信頼できるブランドになるはずです。

商品紹介「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」

商品詳細

  • 色:ディープスペースブルー
  • 耳の位置:インイヤー
  • ヘッドホン型式:イヤホン
  • インピーダンス:16オーム
  • ドライバー:14.8mm平面磁界駆動型ドライバー
  • 感度:102db/mW
  • 音の特徴:低域の量感が十分、中域の輪郭が鮮明、明瞭な高域
  • 組み合わせ機器:小型のポータブル機器やDAC/アンプ・コンボと組み合わせて使用可能
  • 対応ジャンル:ジャンルを問わず、あらゆる音楽に合う
  • 筐体デザイン:「S12」のデザインを踏襲
  • 通気孔:両側の複数の通気孔で内部から外耳道までの空気圧を緩和し、長時間の着用による疲労を減少
  • ケーブル:銀メッキ単結晶銅線、芯あたり0.05mmの線を98本束ねた4芯タイプ
  • コネクタ:標準の2pin(0.78mm)
  • プラグ:交換可能な2.5mm/3.5mm/4.4mm
  • 筐体素材:アルミニウム製
  • 加工:5軸CNC加工による滑らかな手触りの仕上がり
  • 2pinコネクターの特徴:より安定した音声伝送を実現し、長期使用による接触不良を防止
  • 付属イヤーピース:低反発シリコン、通常シリコン、フォームの3種類(各3サイズ)
  • 付属品:2.5mm/3.5mm/4.4mmプラグ付きのケーブル、レザー収納ケース、説明書、保証書

良い口コミ

「ドングルDACにつないだ瞬間、ベースの粒立ちがはっきりして、思わず音量を上げてしまいました。」

「プラグを3.5mmと4.4mmで付け替えられるので、スマホ用とプレーヤー用でケーブルを買い足さずに済みました。」

「アルミの筐体が小ぶりで、平面型なのに耳から大きく飛び出さないのがうれしいです。」

「イヤーピースが3種類も入っていて、フォームに替えたら高音の刺さりがかなり和らぎました。」

「細かい音までよく聴こえるので、ライブ音源で客席のざわめきを拾えるのが楽しいです。」

気になる口コミ

「曲によってはシンバルやサ行が刺さって、長時間聴くと耳が疲れます。」

「スマホに直接挿すと音量は取れるのに、どこか物足りない感じが残りました。」

「平面型特有の少し金属っぽい響きがあって、アコースティックな曲では好みが分かれそうです。」

「イヤーピースで音が大きく変わるので、合うものを見つけるまで試行錯誤が必要でした。」

「後から2024年版が出て、高域が落ち着いたと聞くと少し複雑な気持ちになります。」

「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」のポジティブな特色

一番の魅力は、14.8mmの平面磁界駆動型ドライバーが生む「情報量」です。
一般的なイヤホンの振動板が、中心を押されて動く太鼓の皮だとすれば、平面型は膜全体に指を並べて一斉に押すようなもの。
膜のどこも遅れずに動くため、ギターの弦が擦れる音や、ボーカルがふっと息を吸う瞬間まで、埋もれずに耳へ届きます。
商品説明にある「低域の量感」「中域の輪郭」「明瞭な高域」という三拍子は、まさにこの仕組みから来ています。

二つ目は、組み合わせる機器を選びにくい点です。
インピーダンス16オーム、感度102db/mWという数値は、ざっくり言えば「少ない電力でも音量を取りやすい」設計を意味します。
スティック型の小さなDAC/アンプでも鳴らせるため、据え置きの大きな機材を揃える必要はありません。

三つ目は、2.5mm/3.5mm/4.4mmの交換式プラグです。
4.4mmはバランス接続と呼ばれる、左右の信号をより分離して送る方式の端子で、ポータブル機器での採用がじわじわ広がっています。
今は3.5mmのドングルで聴き、いずれ4.4mm対応のプレーヤーに乗り換える。
そんな「後から育てる」使い方に、ケーブルを買い替えずに対応できるのは、長く付き合ううえで大きな安心材料です。

四つ目は、着け心地への配慮です。
両側の通気孔が耳の中の空気圧を逃がすため、カナル型にありがちな耳が詰まるような圧迫感を和らげてくれます。
5軸CNC加工のアルミニウム筐体は手触りが滑らかで、耳に当たる部分の角も丸く仕上げられています。
映画を一本観終わるまで着けっぱなしでも、外したくなる場面が減るはずです。

五つ目は、付属品の充実ぶりです。
イヤーピースは低反発シリコン、通常シリコン、フォームの3種類で、それぞれ3サイズ。
合計9通りの組み合わせは、いわば9本の調整つまみです。
高音が刺さるならフォーム、低音をもっと感じたいならサイズを一段上げる、といった形で自分好みに寄せられます。
レザー収納ケースも付くので、鞄の中でケーブルが絡まる心配もありません。

「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」のネガティブな特色

まず覚悟しておきたいのが、高域の強さです。
海外レビューでは高音寄りの鳴り方がたびたび指摘されており、ブランド自身がのちに高域を抑えた2024年版を出しています。
シンバルやサ行が耳に刺さりやすい方は、イヤーピース選びが欠かせません。

次に、平面型ならではの音色のクセがあります。
金属の板を軽く弾いたような、わずかに硬い響きと表現されることが多く、生楽器の柔らかさを最重視する方には合わない可能性があります。

三つ目は、実力を引き出すための追加投資です。
数値上は鳴らしやすいものの、スマホ直挿しでは物足りないという声もあります。
本領を発揮させるなら、小型のDAC/アンプを別途用意する前提で予算を考えておくのが現実的です。
なお、イヤホンジャックのないスマホでは、変換アダプターかDACが必須になります。

四つ目は、商品説明の表記の曖昧さです。
見出しに「平面磁界駆動型ダイナミックドライバー」とありますが、平面型とダイナミック型は本来別の方式です。
本文の記述は「平面磁界駆動型ドライバー」となっているため、平面型と読むのが自然ですが、表記が混在している点は気になります。
また、提供された情報には周波数特性や本体重量、マイクの有無が記載されていません。
通話にも使いたい方は、購入前に販売ページで確認してください。

最後に、世代の問題です。
S12Proの後には2024年版やS12Ultraが登場しています。
購入時は、後継モデルとの価格差を必ず見比べてから決めるのが賢明です。

他メーカーの商品との比較

7Hz「Timeless(タイムレス)」との比較

手頃な平面型ブームの火付け役となったモデルです。
14.2mmの平面型ドライバーを積み、インピーダンス14.8オーム、感度104dBで、価格は発売時219.99米ドルでした。
比較サイトIEMRankingの集計ではS12Proの160米ドルに対し、Timelessは60米ドル高く、中域や高域、ダイナミクスの評価ではTimelessが上回っています。
一方でコネクタはMMCXで、プラグは3.5mmか4.4mmを選ぶ方式です。
抜き差しに強い2pinとプラグ交換式を備えるS12Proは、使い勝手と価格で優位に立ちます。
円盤型の大きな筐体が耳に合わない場合がある点も、Timelessの弱みです。

Hidizs「MP145」との比較

14.5mmの平面型で、感度104dB、インピーダンス30オームというスペックです。
コネクタは0.78mm2pinで、ケーブルは3.5mmか4.4mmのどちらかを選んで購入します。
空気の流れで音を調整するチューニングフィルターを備えているのが特徴です。
海外掲示板Head-Fiでは、MP145のほうが用途の幅や音色の自然さで優れるという声が見られます。
音色の癖の少なさを重視するならMP145、1本のケーブルで3種類の端子に対応したいならS12Proという棲み分けになります。

参考:同ブランドの後継「S122024」

インピーダンス16オーム、感度102dBはS12Proと同じで、鳴らしやすさも変わりません。
筐体はチタン合金に変わり、付属ケーブルもより柔らかくしなやかになったと評価されています。
高域の刺さりが心配な方は、価格差次第でこちらも候補に入ります。

比較から見える選び方

ここで注意したいのが感度の表記です。
S12Proは「dB/mW」、他社製品は「dB」のみやVrms基準など表記がばらばらで、数字を並べて単純に優劣を決めることはできません。
音の完成度ならTimelessやMP145、拡張性と価格のバランスならS12Pro。
これが忖度なしの結論です。

まとめ

名前に「LET」の三文字を足したブランドは、平面型という高嶺の花を、手のひらに収まる道具へと変えました。
LETSHUOERの「カナル型モニターイヤホンLETSHUOERS12Pro」は、その象徴のような一台です。
高域の鋭さや平面型特有の響きなど、クセは確かにあります。
それでも、ライブ音源で客席の息づかいまで聴こえた瞬間の鳥肌は、なかなか他では味わえません。
ロスレス配信が当たり前になった今、最後の数センチを変えるだけで、聴き慣れた曲は別の顔を見せてくれます。
今夜、まずは手持ちのイヤホンのイヤーピースをワンサイズ替えて、いつもの一曲を聴き直してみてください。
耳に届く音が変わる驚きを、きっと実感できるはずです。

タイトルとURLをコピーしました