はじめに
真夏の車内で、ぬるくなった麦茶を飲んだことはありませんか。
クーラーボックスに入れたはずの氷は、昼過ぎには水になっています。
保冷剤を追加で買い足し、溶けた水を捨て、また詰め直す。
その繰り返しに疲れて「もう、電気で冷やしてしまおう」と考える人が増えました。
車中泊人口の広がりと、ここ数年の記録的な猛暑。
この2つが重なって、ポータブル冷蔵庫はアウトドアの特別な道具から、夏を乗り切る生活必需品へと役割を変えつつあります。
今回取り上げるのは「Litake」というブランドと、その大容量モデル「Litake車載冷蔵庫LZ-M95」です。
容量は95リットル。
家庭用の一人暮らし向け冷蔵庫と、ほぼ同じ容量だと考えてください。
しかも庫内が左右2つに分かれていて、片方を冷蔵、もう片方を冷凍と、別々の温度に設定できます。
氷とアイスクリームを溶かさずに運びながら、同じ本体で缶ビールを飲み頃に冷やす。
そんな使い方が1台で完結します。
ただし、大きいものには大きいものなりの事情があります。
数字の裏側には、カタログに書かれていない現実が必ず潜んでいるものです。
この記事では、Litakeという会社の実体をリサーチで可能な限り掘り下げたうえで、LZ-M95の良い点も、購入前に知っておくべき弱点も、包み隠さず整理していきます。


Litakeとは
企業詳細
まず結論から整理します。
Litake(リテーク)は、日本国内では千葉県柏市に本社を置く「ホシクス株式会社」が運営しているブランドです。
これは推測ではありません。
Litakeの日本向け公式サイト「litake.jp」の利用規約には、同サイトを運営する主体としてホシクス株式会社の名前が明記されています。
ホシクス株式会社の所在地は、千葉県柏市柏6丁目4番24号の柏ビルディングです。
国税庁の法人番号公表サイトをもとにしたデータベースでも、法人番号4040001116341で、2020年12月18日に法人番号が指定された千葉県柏市の株式会社であることが確認できます。
つまり、名前だけの架空の窓口ではなく、登記のある実在の法人が日本国内でこのブランドを扱っています。
ここは、素性の分からないネット専業ブランドが乱立するこのカテゴリにおいて、率直に評価できる点です。
では、ホシクス株式会社はどんな会社なのでしょうか。
公式サイトに掲載された事業内容は、服飾・ファッション関連用品、アウトドア・釣り用品、照明・電子機器、DIY関連の工具類、ゲーム・玩具類の販売および輸出入とされています。
見て分かるとおり、特定の技術分野に特化したメーカーではありません。
複数ジャンルの商材を扱う、輸入商社に近い形態です。
さらに同社のサイトには、日本語コールセンターサービスというメニューも用意されています。
自社製品の販売だけでなく、海外事業者向けの日本語サポート業務も手がけている可能性がうかがえます。
ブランドとしてのLitakeの出発点は、意外にも冷蔵庫ではありませんでした。
公式サイトには、2019年に日本へ進出し「LEDであなたに多彩な暮らしを」というコンセプトのもと、照明器具の設計・開発・製造・販売を柱としてきたと記されています。
サイトのドメイン名が今も「LEDのLiTAKE」を名乗っているのは、その名残です。
ここで1つ、正直に指摘しておきたい食い違いがあります。
公式サイトは2019年の日本進出をうたっていますが、運営元であるホシクス株式会社の法人番号指定は2020年12月です。
進出時期の定義が異なるのか、別法人を経て現在の体制になったのか、公開情報からは判断できません。
断定は避けますが、「2019年」という数字を額面どおり受け取るのは慎重であるべきだと考えます。
現在のLitakeは、照明の枠をはるかに超えています。
同ブランドの商品ページには、LEDランタン、車載冷蔵庫、薪ストーブ、ポータブル電源、発電機、防災ラジオといったアウトドア製品全般を扱っていると記載されています。
車載冷蔵庫についても、単発商品ではなく明確なシリーズ展開があります。
公式サイトで確認できる範囲では、LZ-9L(9L・コンプレッサー式・消費電力60W・約7.35kg・希望小売価格42,300円)、LZ-20L(20L・消費電力60W・約9kg・希望小売価格47,960円)、LZ-G18(18L・希望小売価格35,500円から)、LZ-N12/LZ-N20(12L・18L)などが並びます。
シリーズ最上位として38LクラスのLZ-B38が78,900円で掲載されています。
型番、容量、重量、消費電力、希望小売価格を1つのページで開示している姿勢は、この価格帯のブランドとしては丁寧な部類に入ります。
一方で、今回の主役であるLZ-M95について、率直にお伝えしなければならないことがあります。
リサーチした限りでは、この型番はLitake公式サイトの製品一覧の中に見つけられませんでした。
公式で確認できた最大容量は38Lクラスであり、95Lという容量はシリーズの中で突出しています。
新モデルで掲載が追いついていないのか、販売チャネル限定の商品なのか、そこまでは分かりません。
ただ、公式サイトで仕様を照合できない以上、購入前に販売ページの記載内容を自分の目で確認する作業は省略しないでください。
企業情報として確認できなかった項目も、隠さず挙げておきます。
代表者名、資本金、設立年月日、従業員数、決算情報。
これらはホシクス株式会社の公式サイトにも、一般の企業データベースにも掲載されていませんでした。
連絡手段は050から始まる電話番号とメールアドレスのみで、実店舗やショールームの情報も見当たりません。
製造拠点についても、公式には明記されていません。
総じてLitakeは、「日本に登記された法人が窓口として実在し、製品情報も公開されている。ただし企業としての透明性は限定的」というブランドです。
過度に不安がる必要はありませんが、購入判断を企業の看板に預けきるのは避けたほうが賢明です。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★(4.0)
公式サイトの利用規約に運営会社名が明記され、法人番号と所在地まで照合できる点は高く評価できます。
名前だけの販売元が珍しくないカテゴリにおいて、この情報開示は明確な強みです。
市場での評価実績 ★★★☆(3.5)
車載冷蔵庫シリーズが複数世代にわたって展開され、比較記事やユーザーレビューにも継続的に取り上げられています。
一方で、大手メーカーのような長期の実績や評価の蓄積はこれからという段階です。
商品開発の専門性 ★★★(3.0)
照明から冷蔵庫、発電機、防災用品まで扱う幅の広さは、裏を返せば一分野への集中度の低さでもあります。
自社設計なのか調達品のブランド展開なのかが公表されておらず、専門性を断定できません。
社会的・文化的な取り組み ★★☆(2.5)
環境に配慮した製品提供という方針は掲げられていますが、具体的な活動報告や社会貢献の実績は確認できませんでした。
理念の提示にとどまっている印象です。
財務情報の開示度 ★★(2.0)
資本金、設立年、決算情報のいずれも非公開で、企業規模を推し量る材料がありません。
非上場企業として不自然ではないものの、判断材料が乏しいことは事実です。
総合評価 ★★★☆(3.1)
実在する日本法人が運営し、製品情報も一定水準で公開されている点は安心材料になります。
ただし企業としての厚みや長期サポートの体力までは読み取れないため、信頼はブランドではなく製品そのものに置くべきブランドだと結論づけます。
商品紹介「Litake車載冷蔵庫LZ-M95」



商品詳細
・商品の寸法:96奥行き×53幅×50高さcm
・容量:95リットル
・色:ブラック
・ドアの数:1
・温度設定:-20℃まで幅広く設定可能
・温度コントロール:左右2室を別々の温度に設定できるデュアルゾーン機能
・使い分け:冷蔵と冷凍を一台で使い分け可能
・運転モード:ECOモード(省エネ)とMAXモード(急速冷却)を切替可能
・電源1:シガーソケット(DC12V/24V)
・電源2:家庭用コンセント(AC100V)
・電源3:発電機(別売)に対応
・保護機能:バッテリー保護機能(3段階電圧保護)を標準搭載
・ドア構造:前後どちらでも開けられるフリーオープン設計(両方向開き)
・運搬性:側面の頑丈な取っ手
・庫内照明:庫内LED灯
・想定シーン:キャンプ・車中泊・長距離ドライブ
良い口コミ
「95Lは伊達ではありません。家族4人分の2泊の食材が、まるごと1台に収まりました」
「左を冷凍、右を冷蔵に設定できるので、アイスと飲み物を同時に運べるのが本当に便利です」
「MAXモードで一気に冷やして、走り出したらECOに切り替える。この使い分けで電力の心配がかなり減りました」
「電圧保護が3段階で選べるので、エンジンを切っている間の使用でも気持ちに余裕があります」
「フタが前からも後ろからも開くので、荷室に積んだままでも中身が取り出せて助かりました」
気になる口コミ
「容量は満足ですが、奥行96cmは想像以上でした。積む車を選びます」
「1人で車に積み下ろすのはかなり厳しいです。取っ手があっても2人がかりになります」
「消費電力の記載が見つからず、ポータブル電源で何時間もつのか事前に計算できませんでした」
「コンプレッサーの作動音は、静かな車中泊スポットでは気になる場面があります」
「ドアが1つなので、片側を開けるたびにもう片方の冷気も動いてしまう点は惜しいです」
「Litake車載冷蔵庫LZ-M95」のポジティブな特色
最大の魅力は、95Lという容量を2室独立制御で扱えることです。
単に「たくさん入る」のではありません。
左を-18℃前後の冷凍室、右を4℃前後の冷蔵室に設定すれば、1台で家庭の冷蔵庫と同じ役割分担が成立します。
これが効いてくるのは、買い出しの回数が減るときです。
道の駅で買った鮮魚を凍らせたまま持ち帰り、同じ本体で飲み物を冷やす。
途中でスーパーを探す時間が、そのまま自由時間に変わります。
ECOモードとMAXモードの切替も、実用に即した設計です。
出発前に自宅のコンセントでMAXモードを回し、庫内と中身を先に冷やし切ってしまう。
走り出してからはECOモードに落として、車の電力負担を抑える。
この「先に冷やす、あとは保つ」という運用ができると、消費電力の体感は大きく変わります。
冷蔵庫は冷やすときに最も電気を使い、温度を保つだけなら負担は軽くなるためです。
バッテリー保護機能が3段階で設定できる点も、地味ながら効いてきます。
車のバッテリー電圧が下がると冷蔵庫側が自動で停止し、エンジンがかからなくなる事態を防ぐ仕組みです。
段階を選べるということは、車の状態や使い方に合わせて保護の厳しさを調整できるということでもあります。
フリーオープン設計も、実際に積んでみると価値が分かる機能です。
荷室の奥に押し込んだ状態でも、手前側からフタを開けられれば中身は取り出せます。
設置してから「開ける向きが逆だった」と気づく失敗が起きにくい。
側面の取っ手と庫内LED灯を含め、全体として「現場で使う人が困る場面」を潰しにいった設計だと評価できます。
「Litake車載冷蔵庫LZ-M95」のネガティブな特色
ここからは、購入前に必ず確認してほしい点です。
最大の懸念は、やはり寸法です。
奥行き96cm、幅53cm、高さ50cm。
これは一般的なスーツケースの大型サイズを、横倒しにして置くようなスケールです。
軽自動車やコンパクトカーの荷室では、後部座席を倒さない限り成立しない可能性が高いと考えてください。
さらにフタが上に開く構造である以上、本体の上に荷物を積むことはできません。
96cmという数字は、床面積だけでなく「その上の空間も使えない」ことを意味します。
次に、重量の記載がない点です。
提供情報には本体重量が示されていません。
参考までに、同じ95L級の他社製品には30kg近い重量のものがあります。
側面の取っ手で「積み下ろしも簡単」と表現されていますが、この容量帯では成人1人での上げ下ろしはかなりの負担になるはずです。
設置場所を決めたら、頻繁に動かさない運用を前提にしたほうが現実的です。
電源まわりの表記にも、冷静な読み方が必要です。
3WAY電源とうたわれていますが、内訳はシガーソケット、家庭用コンセント、そして発電機です。
発電機が供給するのはAC100Vですから、冷蔵庫側から見れば家庭用コンセントと同じ入口になります。
厳密には「DC電源とAC電源の2系統」であり、着脱式バッテリーを内蔵できる他モデルのような独立電源は含まれていません。
電源のない場所で単体運用したい場合は、ポータブル電源を別途用意する必要があります。
消費電力の数値が記載されていない点も、実用上は痛手です。
ポータブル電源で何時間動かせるかを事前に計算できないためです。
また、説明文には冷蔵・冷凍に加えて「保温」という表現が含まれています。
しかしLitakeの他の車載冷蔵庫の設定温度は-22℃から20℃前後であり、20℃は保温と呼べる温度ではありません。
この「保温」が何を指すのかは、販売ページで確認したほうがよいでしょう。
最後に、ドアの数が1つである点です。
2室独立制御でありながらフタが1枚なら、片側を開けたときにもう片方の冷気も逃げます。
上位帯の製品が2室2ドアを採用しているのは、まさにこの損失を避けるためです。


他メーカーの商品との比較
同じ95L級で真正面からぶつかる「DometicCFX395DZ」
最も直接的なライバルは、スウェーデン発のDometicです。
CFX395DZは93L級のデュアルゾーン式コンプレッサー冷蔵庫で、2つの収納室を独立温度制御し、冷却と冷凍を同時に行えます。
注目すべきは寸法で、外形は約20.87×37.87×18.58インチ、総容量94L、重量は約65.71ポンド(約29.8kg)とされています。
センチに直すと、おおよそ96×53×47cm。
LZ-M95とほぼ同じ体格です。
つまり設置ハードルは互角であり、差が出るのは中身です。
Dometic側はスマートフォンアプリによる遠隔の温度管理と診断、A+クラスの省エネ性能を備えています。
一方で価格帯は大きく異なり、1つ下の75DZ(45L+30L・約27.8kg・定格消費電力59W)ですら国内では高価格帯に位置します。
「同じ体格で、より安く95Lを手に入れる」ことがLZ-M95の存在意義であり、逆に言えば省エネ性能とアプリ管理、長期サポートではDometicに明確に劣ります。
日本法人とサポート網で勝る「EENOUR」
国内の車中泊層に浸透しているEENOURは、別の角度から比較対象になります。
同ブランドは38L・48L・58Lの2室モデルを展開し、バッテリー内蔵にも対応しています。
58Lモデルは2室2ドアの独立温度制御で、庫内温度差を約2℃に抑えたと説明されています。
運営は株式会社イーノウ・ジャパン(横浜)で、ショールームも設けています。
アルミ外装のALシリーズでは最長5年保証もうたわれています。
容量では95LのLZ-M95が上回ります。
しかし2室2ドア構造、保証年数、修理相談の窓口という点では、EENOURのほうが安心感は上です。
58Lで足りるなら、無理に95Lを選ぶ理由はありません。
設計思想が近い価格帯ライバル「Alpicool」
Alpicoolは23L・31L・39Lなどの2室独立温度制御モデルを展開し、-20℃から20℃の設定、3WAY電源対応、低電圧保護を備えています。
機能の組み合わせはLZ-M95とほぼ同系統で、価格も手頃です。
ただし国内で流通する2室モデルは40L前後が上限。
95Lという容量は、この価格帯では希少です。
3台と並べて見えるLZ-M95の立ち位置
省エネと信頼性ならDometic、サポートならEENOUR、手軽さならAlpicool。
LZ-M95の武器は「95Lを現実的な価格で手に入れられること」の一点に集約されます。
その一点が刺さる人にとっては、代わりの効かない選択肢です。
まとめ
冷蔵庫選びは、容量の話から始まって、最後は必ず寸法の話で終わります。
95Lという数字に惹かれた瞬間、頭の中では冷えたビールや凍ったままのアイスが並んでいるはずです。
その映像は正しい。
けれど、その手前に奥行き96cmという現実が立っています。
だからこそ、Litake車載冷蔵庫LZ-M95は「置ける人にとっては強い一台」なのです。
2室独立制御、ECOとMAXの切替、3段階のバッテリー保護。
機能面の作り込みは、価格帯を考えれば十分に健闘しています。
運営元も千葉県柏市に登記のある実在の法人で、素性の分からないブランドとは事情が違います。
一方で、重量や消費電力が公表されていないこと、フタが1枚であること、公式サイトで型番を照合できなかったことは、購入前に自分で埋めるべき空白です。
今日できる小さな一歩を1つだけ。
車の荷室に、96cmのメジャーを当ててみてください。
答えは、たぶん5分で出ます。




