焼くだけじゃない!料理の幅を広げるTescomの魅力とは?1台6役の「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」を徹底紹介
台所で一番さぼっている家電は…オーブントースターです
はじめに
朝の5分だけ食パンを焼いて、あとは一日中ただ置かれている。
わが家のトースターも、長いことそうでした。
天板の上にはなぜか郵便物が積まれ、正月にはみかんの置き場になる。
調理家電というより、幅35cmの棚として生きていた時期があります。
そこに「ほったらかしで、寝ている間にローストビーフが焼ける」という話が飛び込んできたら、少し気持ちが揺れないでしょうか。
物価が上がり続けるなか、外食を1回減らして家で肉を焼く選択が現実的になりました。
ふるさと納税で届いた大きな塊肉を、どう調理すればいいのか分からず冷凍庫で眠らせている。
そんな声も、SNSでは毎年のように見かけます。
今回取り上げるのは、そうした時間と食材の使い方に踏み込んだ一台、Tescom(テスコム)の「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」です。
コンベクションオーブンというのは、庫内で熱い風を回して食材を包むように焼く方式のこと。
上下のヒーターで表面だけを炙るのではなく、熱風が全体に当たるので焼きムラが出にくくなります。
このTSF61A-Hが面白いのは、その熱風を230℃の高温だけでなく、35℃という人肌に近い低温でも使えるところにあります。
ヨーグルトが作れる温度から、ピザが焼ける温度まで。
ひとつのダイヤルで、その落差をまたいでしまう。
そしてTescomという会社は、キッチン家電よりも先に、美容室のプロが使うドライヤーで名を上げたメーカーです。
髪を傷めない風を作り続けてきた技術者が、食材に当てる風を設計したら何が起きるのか。
その答えを、企業の中身から順番に確かめていきます。


Tescomとは
企業詳細
まず押さえておきたいのが、社名の紛らわしさです。
「テスコム」で検索すると、エレクトロニクス製品の販売を手がける別会社の「テスコム株式会社」も出てきます。
TSF61A-Hを作っているのは、そちらではありません。テスコム電機株式会社、英文商号TescomDenkiCo.,Ltd.、本社は東京都千代田区神田駿河台4-6の御茶ノ水ソラシティ15階、創業年月は1971年10月12日、資本金は9,000万円、代表者は代表取締役社長の葉田順治氏、事業内容は理美容電化製品ならびに小型家電製品の開発・製造、法人番号は1011001014953です。
そして長野県松本市和田に、自社の松本工場を構えています。
規模の感覚もつかんでおきます。公式サイトが公表しているグループ売上高は109億円(2025年3月期)。従業員数は126人という規模です。
家電メーカーとしては大手ではなく、はっきりと中堅。
それでも半世紀以上、同じ領域で戦い続けてきた会社です。
歴史をたどると、この会社の性格がよく見えてきます。出発点は1965年、楠野幹夫氏が東京電販(TokyoElectricSalesCompany)として創業したところから始まります。長野県松本市に自社製造工場を新設し、「テスコム」ブランドとして初めてドライヤーを発売しました。1970年代にはテスコム電機株式会社を設立し、世界初となるカールドライヤー「おしゃれカール」を発売。米国シアーズローバック社からは「シンボル・オブ・エクセレンス賞」を受賞し、1978年にはプロ向けブランド「Nobby」がスタートします。
ここが重要な分岐点です。
一般家庭向けと、美容室のプロ向け。
二つの市場を同時に持ったことで、この会社は「毎日8時間使われ続ける道具」の耐久性を鍛えられることになりました。業務用理美容機器のNobbyブランドは、美容室におけるヘアドライヤーのシェアで約6割を占めるとされています。
美容室に行ったとき、鏡の向こうで美容師さんが握っているドライヤー。
その3台に2台近くが、この会社の製品という計算になります。
調理家電に手を伸ばしたのは、その後です。1980年代、テスコムとして初めての調理家電としてオーブントースターを製造・販売しました。
つまりTSF61A-Hは、思いつきで参入した分野の製品ではなく、40年以上続くオーブントースター事業の延長線上にあります。
開発姿勢を示す出来事も並んでいます。1992年には業界に先駆けてマイナスイオン搭載のドライヤーを開発し、2013年には世界初の真空ミキサー「TMV1000」を発売。2017年には世界初のコラーゲンイオンヘアドライヤー「CPN」を送り出しています。
「世界初」を三つ並べられる中堅メーカーは、そう多くありません。
空気や水分をどう扱うか、という一点に執着してきた会社だと言えます。
生産体制も自前です。1990年代には海外でドライヤーの本格生産を始め、現地法人を設立。2010年代には松本市和田に製造工場を新設して移転し、その後、初の海外自社工場も建設・稼働させました。
委託任せにせず、金型と品質管理を自社で抱える姿勢が読み取れます。
そして、ここ数年で会社の立ち位置が大きく動きました。2023年5月29日、エレコムがテスコム電機の株式を保有する株式会社ティーエスシーから株式譲渡を受け、テスコム電機はエレコムのグループ会社となることが発表されました。「テスコム」ブランドの使用は継続されています。その後、2023年にはテスコムリンクとティーエスシーが、2024年には株式会社テスコムがテスコム電機へ吸収合併され、2025年には本社を神田駿河台へ移転しました。
グループ内に散らばっていた会社を一本にまとめた、ということです。
現在の代表取締役社長である葉田順治氏は、エレコムの創業者であり、2021年6月に社長から代表権のある会長へ退いた人物でもあります。エレコムを1000億円企業まで成長させた経営者です。
その人物が子会社の社長を務めているという事実は、グループにとってテスコム電機が単なる買収先ではないことを示しています。
一方で、忖度なしに書くなら気になる点もあります。
同社は非上場であり、公表しているのはグループ売上高という一行だけ。
営業利益も自己資本比率も、外部からは確認できません。
親会社のエレコムが上場企業であるため、グループ全体の健全性は間接的に読めるものの、テスコム電機単体の収益構造は不透明なままです。
また、公式サイトの製品ブランド構成を見ると、ビューティー製品にはNobbybyTESCOM、Speedom、elimsest、elims、naturamと五つのブランドが並ぶのに対し、キッチンブランドはPureNaturaひとつ。
会社の重心が美容側にあることは、隠しようがありません。
TSF61A-Hを検討する側から見れば、「本業ではない分野の製品」という不安が残るのは自然な話です。
ただし、その不安には反証もあります。家電専門メディアの家電Watchは、このTSF61A-Hを実機レビューし、90℃で2時間かけた鶏ハムについて焼けムラが全くなく、しっかり低温調理された仕上がりだと評価しています。
美容家電で鍛えた熱風制御が、庫内でもきちんと働いている証拠だと受け取れます。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★☆(4.2)
本社所在地、創業年月日、資本金、代表者名、法人番号、工場所在地までが公式サイトで明記されています。
グループ再編の経緯も沿革ページで時系列に開示されており、実体の確認に苦労しない企業です。
市場での評価実績 ★★★★☆(4.5)
美容室向けドライヤーで約6割とされるシェアは、業務用市場で長年選ばれ続けてきた結果です。
家庭向けでも価格比較サイトのレビュー評価が高く、TSF61A-Hはテレビ番組で紹介された旨を表記する販売店も見られます。
商品開発の専門性 ★★★★☆(4.6)
カールドライヤー、真空ミキサー、コラーゲンイオンドライヤーと、世界初を複数回実現しています。
自社工場を国内外に持ち、開発から製造まで自前で回している点も専門性の裏づけになります。
社会的・文化的な取り組み ★★★☆(3.5)
CSRと環境への取り組みのページを設け、社内プロジェクトによる商品企画も進めてきました。
ただし具体的な数値目標や成果指標の公開は限定的で、発信量は大手に及びません。
財務情報の開示度 ★★★(3.0)
非上場のため、公開されているのはグループ売上高のみです。
親会社が上場しているぶん間接的な安心感はあるものの、単体の財務を確認したい読者には物足りない水準です。
総合評価 ★★★★(4.0)
半世紀以上の実績、プロ市場でのシェア、自社製造体制という三点が揃っており、名前を聞いたことがない新興ブランドとは信頼の質が違います。
財務の透明性という一点だけが惜しく、そこを差し引いても十分に信頼できるメーカーだと判断しました。
商品紹介「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」



商品詳細
・容量:1リットル
・ワット数:1200W
・商品の重量:7.26キログラム
・メーカー:テスコム(Tescom)
・温度帯:低温35℃から高温230℃まで設定可能
・低温長時間調理:ローストビーフ、甘酒、ヨーグルトが作れる
・タイマー:最長12時間まで対応(低温モード時/35℃〜90℃設定時)
・オフタイム調理:就寝中や買い物の間など、オーブントースターを使っていなかった時間を調理に活用できる
・発酵:35℃の低温から温められるため、ヨーグルトや甘酒、パン生地の発酵が可能
・フードドライ:果物や野菜を切って並べるだけで自家製ドライフードが作れる
・ジャーキー:肉や魚介で好みの味のジャーキーが作れる
・トースト:専用のトーストモードで外はカリッと中はしっとり焼き上がる
・上火グリル(新機能):チーズトーストやピザトースト、パンの仕上げの焼き目、グラタンやピザのチーズの焦げ目づけに対応し、料理下部はそのままに焦げ目をつけられる
・オーブン&グリル調理:グラタン、ピザなどのオーブン料理、野菜、魚、ハンバーグなどのグリル料理、焼き芋まで対応
・ノンフライ調理:熱風加熱により表面サクッ、カリッと、中はジューシーに仕上がり、買ってきた惣菜も揚げたてのような状態になる
・庫内:本体サイズは抑えながら広い庫内を実現し、食パンなら同時に4枚、一般的なチルドピザ(直径25cm)もそのまま入る
良い口コミ
「寝る前に肉を入れてタイマーを回すだけで、朝にはローストビーフができている。時間の使い方が変わりました」
「食パン4枚が一度に焼けるので、家族4人の朝食が一回転で終わります。トーストモードは温度を考えなくていいのが楽です」
「揚げ物の惣菜を温め直すと本当にサクサクに戻る。買ってきた日の翌日でも、揚げたてに近い食感になりました」
「ヨーグルトメーカーを別で買わずに済みました。35℃から設定できるので、甘酒もパン生地の発酵も同じ一台で完結します」
「上火グリルでグラタンの表面だけを狙って焦がせるのが便利。下が固くなる心配がありません」
気になる口コミ
「低温調理で12時間使える反面、その間はトースターとして使えません。朝食用に別の一台が欲しくなります」
「本体が重く、キッチンの棚に出し入れするのが大変でした。基本は置きっぱなし前提だと思います」
「低温モードは温度帯が35℃から90℃までなので、湯せん式の低温調理器のような細かい温度の追い込みを期待すると物足りません」
「一台六役と言われても、結局よく使うのはトーストとノンフライの二つでした。使いこなすにはレシピを覚える気力が要ります」
「庫内の掃除が手間です。油を使う調理を続けると、網や天板の洗い物が地味に増えました」
「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」のポジティブな特色
最大の価値は、機能の数ではなく「温度の落差」です。
35℃から230℃という幅は、単にスペック表の数字が広いという話では終わりません。
35℃は、ヨーグルトの乳酸菌が働き、パン生地がふくらむ温度。
230℃は、ピザのチーズが泡立って焦げる温度。
この二つを一台でまたげるということは、キッチンから発酵器とオーブンの両方を減らせるということです。
次に効いてくるのが、最長12時間というタイマーの長さ。
ここが他の多機能トースターと決定的に違う部分です。
一般的なオーブントースターのタイマーは、長くても1時間前後。
12時間という設定は、料理を「見張る作業」から「仕掛けて放置する作業」へ変えます。
夜11時に仕込んで、朝7時に取り出す。
その8時間、あなたは寝ているだけです。
提供情報が「オフタイム調理」と名づけているのは、まさにこの発想の転換を指しています。
そして新機能の上火グリル。
これは地味ですが、実用上とても大きい改良です。
グラタンの表面に焦げ目をつけたいとき、全体を加熱し続けると下のマカロニが乾いてしまう。
上だけを狙って焼けるということは、仕上げの一手が使えるということ。
料理の完成度が、ひと段階上がります。
ノンフライ調理も見逃せません。
熱風で余分な油を落としながら加熱するため、コロッケや唐揚げの惣菜が揚げたてに近い食感へ戻ります。
半額シールの惣菜を買って帰る夕方が、少しだけ報われる機能です。
庫内の設計も現実的です。
食パン4枚同時、直径25cmのチルドピザがそのまま入る。
この二つは、四人家族の日常をほぼカバーするサイズ感だと言えます。
「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」のネガティブな特色
正直に書きます。
まず、提供された商品詳細情報そのものに、整合しない記載が混ざっています。
容量が1リットルと書かれている一方で、食パン4枚と直径25cmのピザが入るとも書かれている。
この二つは、常識的に考えて両立しません。
購入を検討する際は、販売ページの数値をそのまま信じず、メーカー公式の仕様表で庫内寸法を確認することをおすすめします。
さらに、提供情報の注釈には、豆類の粉砕やナッツのペースト、離乳食やドレッシング作りといった記述が混ざっています。
これらはミキサーやフードプロセッサーの説明文であり、オーブンの機能ではありません。
他製品の説明が混入している可能性が高く、この機能を期待して購入すると確実に落胆します。
当ブログでは、オーブンの機能としては扱いません。
機能面の弱点も挙げます。
低温モードの上限は90℃です。
湯せん式の低温調理器のように、57℃や63℃といった1℃単位の勝負をする調理には向きません。
熱風は水より熱の伝わり方が穏やかなため、同じ仕上がりを狙うなら設定温度をやや高めにする必要があります。
もうひとつは、占有の問題。
12時間の低温調理を回している間、この一台はトースターとして使えません。
一台六役は、裏を返せば「同時に一役しかできない」ということでもあります。
朝食のトーストと夜の仕込みが競合する家庭では、運用の工夫が必要になります。
重量も無視できません。
提供情報の7.26キログラムという数字は、片手で棚から下ろせる重さではありません。
設置場所を決めて置きっぱなしにする前提で、キッチンの空きスペースを先に測っておくべきです。


他メーカーの商品との比較
最も近いライバルは温度帯が同じあの一台
直接の競合は、アイリスオーヤマのコンベクション式トースターCMOT-S040です。こちらも35〜230℃の温度設定に対応し、トースター・オーブン・ノンフライ・フードドライヤー・低温調理の一台五役をうたっています。
価格帯も1万5千円前後で重なります。
決定的な差は、時間です。CMOT-S040のタイマーは35〜95℃で1分〜4時間、100〜230℃で1分〜1時間。
対してTSF61A-Hは低温モードで最長12時間。
就寝中の仕込みを狙うなら、4時間では足りません。
一方でCMOT-S040には付属のスチーム用素焼きがあり、トーストの食感づくりでは有利です。
熱風の速さで選ぶなら別の選択肢がある
同じアイリスオーヤマのリクック熱風オーブンFVX-M3Bは、性格がまったく違います。一般的なコンベクションオーブンの約30倍にあたる毎秒9.3mの熱風を当てる設計で、温度センサーが食材の量を検知して加熱時間と温度を自動調整します。
惣菜の温め直しと揚げ物の再現に関しては、こちらが明確に上です。
ただし温度調節は60〜200℃、タイマーは最長30分。
発酵も低温調理もできません。
速さを取るか、低温と長時間を取るか。
そのまま二択になります。
専用機と比べると見えてくる限界
湯せん式の低温調理器と比べると、TSF61A-Hの立場ははっきりします。家電Watchの検証では、鶏ハムをTSF61A-Hは90℃で2時間、湯せん式は65℃で2時間かけて調理し、湯せんのほうがしっとり度合いが強いという結果が出ています。
ただし同記事は、TSF61A-Hの鶏ハムも十分にしっとり仕上がり、焼けムラが全くなかったとも書いています。
専用機には勝てない。
けれど、専用機は真空パックが必要で、トーストは焼けません。
結論として誰に向くのか
しっとり感を1℃単位で追い込みたいなら、湯せん式の専用機を買うべきです。
揚げ物の温め直しが主目的なら、熱風特化型が合います。
トースターの置き場所はひとつしかなく、それでいて発酵も長時間調理も諦めたくない。
その欲張りな条件を一台で満たすなら、TSF61A-Hが現状もっとも素直な答えになります。
まとめ
台所で一番さぼっている家電は、たぶんオーブントースターです。
冒頭にそう書きました。
Tescomの「Tescom低温コンベクションオーブンTSF61A-H」が変えるのは、機能の数ではなく、その眠っていた時間のほうです。
朝の5分しか働かなかった箱が、夜の8時間も働き出す。
ローストビーフが焼ける匂いで目が覚める朝は、想像よりずっと気分がいいものです。
ただし万能ではありません。
容量表記の矛盾や、他製品の説明が混ざった注釈、低温上限90℃という制約は、買う前に飲み込んでおくべき事実です。
それでも半世紀以上ドライヤーの風を作ってきた会社が設計した熱風は、素直に信頼できます。
今日からできる一歩を、ひとつだけ。
キッチンで、今トースターが置かれている場所の幅と奥行きを測ってみてください。
そこに35cm×41cmの箱が収まるかどうか。
答えが出た時点で、検討は半分終わっています。




