はじめに
リモートワークが当たり前になった今、オンライン会議での「声」のトラブルに、うんざりした経験はありませんか?相手の声がまるで水中にいるかのようにこもって聞こえたり、「すみません、声が遠いようです」と何度もやり取りが中断したり。そんな小さなストレスが積み重なり、重要な会議の流れを止めてしまうこともあります。
そんな中、ECサイトで彗星のごとく現れた「ZHUOSHENG」というブランド。
価格も手頃で気になる存在ですが、「一体どこの国の会社なんだろう?」「本当に信頼して大丈夫?」と、その正体不明さに一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。正直なところ、「安かろう悪かろう」の製品を選んで後悔したくない、という気持ちはよく分かります。
そこでこの記事では、あなたのそんなモヤモヤを吹き飛ばすべく、謎多きZHUOSHENGというブランドの背景を徹底的に深掘りします。
そして、人気の「会議用マイクスピーカーCS02」を実際に使い込み、その実力を本音でレビューします。
ただのスペック紹介で終わらせません。周りのキーボード音や空調音をどれだけシャットアウトしてくれるのか。カタログ通り、本当に一日中バッテリーは持つのか。そして何より、定番のAnkerやEMEETといった強力なライバル製品と比べて、果たして「買い」なのか。あなたの次のオンライン会議が、驚くほどスムーズで快適になる。そんな一台を見つけるお手伝いができれば幸いです。


ZHUOSHENGとは
企業詳細
Web会議用マイクスピーカーの分野で、優れたコストパフォーマンスを武器に注目を集めている「ZHUOSHENG」。しかし、その企業実態は多くのユーザーにとって謎に包まれています。リサーチを深めたところ、このブランド名は中国・広東省江門市に拠点を置く「Jiangmen Zhuosheng Machinery Co., Ltd.」という企業に関連している可能性が浮上しました。
この企業は、主に自動研磨機や自動溶接機といった産業用機械の独立した研究開発、設計、製造を手がけるテクノロジー企業です。家具、衛生陶器、厨房用品、電子機器など、多岐にわたる業界向けに自動化・半自動化された特殊機械設備を提供してきた実績があります。
この点から、ZHUOSHENGは音響機器専門メーカーというよりは、製造業における高い技術力と生産基盤を背景に、コンシューマー向け電子機器の分野へ進出してきたブランドと推測されます。製品がAmazonなどのECサイトで広く販売されている一方で、ブランド単体の公式ウェブサイトや明確なサポート窓口が見つけにくいのが現状です。これは、製品の企画・販売と製造が異なる体系で行われている可能性を示唆しており、購入を検討する上での一つの判断材料となるでしょう。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
企業情報の透明性: ★★☆☆☆ (2.0/5.0)
製品供給の安定性: ★★★☆☆ (3.0/5.0)
製品の専門性: ★★☆☆☆ (2.0/5.0)
ユーザーサポート: ★★☆☆☆ (2.0/5.0)
総合評価: ★★★☆☆ (3.0/5.0)
総合評価は星3つとしました。産業機械メーカーとしての基盤は存在するものの、音響ブランドとしての情報開示が限定的である点が評価に影響しています。製品はECサイト経由で安定して入手可能ですが、専門性やアフターサポートには未知数な部分が残ります。
商品紹介:ZHUOSHENG 会議用マイクスピーカー CS02



商品スペック
- スピーカーの種類: 3D
- カラー: ブラック
- バッテリ平均持続時間: 24 Hours
- 品目の寸法: 奥行き11 cm x 幅11 cm x 高さ3 cm
- 商品の重量: 440 グラム
良い口コミ
「マイクの集音性能が想像以上に高く、8人程度の会議室の隅に座っていても、声をしっかりクリアに拾ってくれるので驚きました。」
「セットアップが本当に簡単。PCのUSBポートに挿すだけでOSが自動認識してくれるので、機械が苦手な私でも会議開始の1分前で余裕でした。」
「この価格でこの性能は正直言って破格だと思います。以前使っていた国内有名ブランド品と比べても、マイク音質に遜色なく、コストパフォーマンスは最高です。」
「本体がコンパクトで軽いので、客先での打ち合わせにも気軽に持っていけるのが良いですね。主張しすぎないミニマルなデザインも気に入っています。」
「24時間持つというバッテリーは伊達じゃないですね。月曜の朝から充電なしで使い始め、水曜の午後までバッテリー切れを気にせず使えたのは精神的にとても楽です。」
気になる口コミ
「スピーカーの音質が少しこもって聞こえる時があります。特に相手の声が低いと、若干聞き取りにくいかもしれません。マイク性能が良いだけに残念。」
「有線接続しかできないのが今の時代には少し不便。出先でタブレットやスマートフォンとBluetoothでさっと繋げられたら完璧でした。」
「製品自体は良いのですが、メーカーの公式サイトが見当たらず、万が一故障した際のサポートがどうなるのか少し不安になりました。」
「レビューサイトで、別モデルは本体とは別にピンマイクの充電が必要で不便という声を見ました。このモデルは大丈夫そうですが、ブランドとしての設計思想が気になります。」
「音量を最大近くまで上げると、少し音が割れるような感じがします。もう少し広い部屋で使うには、スピーカーのパワーが物足りないかもしれません。」
「ZHUOSHENG 会議用マイクスピーカー CS02」のポジティブな特色
この製品の魅力は、単に「安い」ということではありません。「60点の普通の製品」を「100点の満足体験」に変える工夫が随所に見られます。
最大の特色は、やはり圧倒的なコストパフォーマンスです。1万円前後で手に入る製品でありながら、24時間という驚異的なバッテリー持続時間を実現しています。これは、通常2万円以上の価格帯のモデルに匹敵するスペックです。単に安く買えるだけでなく、「価格以上の価値」を提供してくれるため、特に予算が限られるスタートアップ企業や、個人事業主にとっては、初期投資を抑えつつビジネスの質を格段に向上させる賢い一手となり得ます。
次に、誰でも迷わず使える「プラグアンドプレイ」の利便性です。これは単なる機能ではなく、ユーザーの「心理的負担」を劇的に軽減する重要な要素です。「大事な会議の前に、機器の接続トラブルで時間を無駄にしたくない」という潜在的な恐怖から解放してくれます。箱から出してUSBケーブルを挿すだけ。このシンプルさが生み出す安心感は、価格以上の価値があると言えるでしょう。
「ZHUOSHENG 会議用マイクスピーカー CS02」のネガティブな特色
一方で、完璧な製品でないことも事実です。ネガティブな側面を理解し、それが自身の使い方にとって許容範囲内かを見極めることが、後悔しない選択に繋がります。
最も顕著なのは、スピーカー音質への「割り切り」が必要な点です。複数のレビューで指摘されているように、特に低中音域の再現性が低く、相手の声がやや平坦に聞こえる可能性があります。これは「声が聞こえれば良い」という最低限の機能は満たしつつも、「臨場感」や「聞き心地の良さ」といった快適性を追求するユーザーには物足りなさを感じるかもしれません。音楽鑑賞など、会議以外の用途には不向きです。これは60点の性能を改善するのではなく、「この価格ならここまで」と割り切るべき点です。
また、有線接続のみという「柔軟性の欠如」も無視できません。デスク上のPCとの接続がメインであれば問題ありませんが、会議室のレイアウトによってはケーブルの取り回しに苦労する場面も想定されます。スマートフォンやタブレットと連携させたいユーザーにとっては、この仕様は明確なデメリットとなるでしょう。
最後に、ブランドの信頼性という「見えないコスト」です。低価格の背景には、手厚い国内サポートやブランドサイトの構築といったコストを削っている可能性があります。初期不良のリスクや、長期使用における故障時の対応に不安が残るのは事実です。製品が壊れたら買い替える、という消耗品に近い感覚で捉える覚悟が必要かもしれません。


他メーカー主要製品との徹底比較
会議用マイクスピーカーを選ぶ際、ZHUOSHENG CS02が本当に最適な選択なのかを判断するには、市場で人気のある他社製品との比較が不可欠です。ここでは、価格帯や機能面で競合となる「EMEET M2 Max」「Anker PowerConfシリーズ」「BALILA会議用マイクスピーカー」の3モデルを取り上げ、それぞれの違いを明らかにしていきます。
eMeet M2 Max vs ZHUOSHENG CS02:機能性と音質の対決
eMeet M2 Maxは、Web会議用スピーカーの分野で高い評価を得ているブランドの代表的モデルです。ZHUOSHENG CS02と比較した際の最大の違いは、総合的な音質と接続の柔軟性にあります。
eMeet M2 Maxは、4つのプロフェッショナルマイクと高度なノイズキャンセリング技術「VoiceIA」を搭載しており、キーボードの打鍵音やエアコンの動作音といった環境ノイズを効果的に抑制します。これにより、発言者の声だけをクリアに相手に届けることが可能です。スピーカー音質においても、声の再現性に定評があり、ZHUOSHENG CS02がやや苦手とする「聞き心地の良さ」で一枚上手と言えるでしょう。
さらに、M2 MaxはUSB接続に加えてBluetooth接続にも対応しており、2台を連結して使用範囲を広げるデイジーチェーン機能も備えています。これにより、中規模以上の会議室や、PC以外のデバイスとの接続もスムーズに行えます。
一方、ZHUOSHENG CS02の強みは、圧倒的なコストパフォーマンスとバッテリー持続時間です。M2 Maxが2万円を超える価格帯であるのに対し、CS02はその半額以下で手に入ります。それでいてバッテリー持続時間は24時間と、M2 Maxの約12時間を大きく上回ります。基本的な集音性能は確保しつつ、とにかく初期費用を抑えたい、充電の手間を減らしたいというニーズにはCS02が最適です。
Anker PowerConfシリーズ vs ZHUOSHENG CS02:ブランド信頼性と価格のバランス
Ankerは、モバイルバッテリーや充電器で絶大な人気と信頼を誇るブランドです。その技術力を活かした「PowerConf」シリーズは、ビジネスシーンでの安心感を求めるユーザーから強い支持を受けています。
Anker PowerConfシリーズとZHUOSHENG CS02を比較する上で最も重要なポイントは、ブランドへの信頼感とサポート体制です。Anker製品は、しっかりとしたメーカー保証と日本語でのカスタマーサポートが提供されており、万が一の故障やトラブルの際にも安心です。これは、公式サイトやサポート窓口が見つけにくいZHUOSHENGにはない大きなアドバンテージです。
機能面では、Anker PowerConf S3などのモデルは、優れたノイズリダクション機能やオートゲインコントロール(声の大きさを自動調整する機能)を備えており、安定した通話品質を提供します。また、専用アプリと連携して機能のカスタマイズができる点も魅力です。
価格面では、Anker製品はZHUOSHENG CS02よりも高価な傾向にあります。ここにユーザーの価値観が問われます。少しでも安く、基本的な性能があれば十分と考えるならZHUOSHENG CS02が魅力的です。一方で、多少価格が高くても、長期的な安心感や安定した品質、手厚いサポートを重視するなら、Anker PowerConfシリーズが賢明な選択となるでしょう。
BALILA会議用マイクスピーカー vs ZHUOSHENG CS02:独自の機能性とコンセプトの違い
BALILAは、ZHUOSHENGと同様にコストパフォーマンスに優れた製品を展開する中国系ブランドです。一見すると似たような製品に見えますが、コンセプトに明確な違いがあります。
BALILAの最大の特徴は、複数のワイヤレスピンマイクが付属するモデルが存在する点です。これは、本体のマイクだけで集音するのではなく、各発言者が個別のピンマイクを装着することで、より確実に音声を拾うことを目的とした設計です。特に、参加者間の距離が離れている広い会議室や、発言者が頻繁に移動するようなセミナー形式の場面で大きな威力を発揮します。
対するZHUOSHENG CS02は、本体に内蔵された全指向性マイクで360度全方向から集音するシンプルなスタイルです。ピンマイクを個別に充電したり管理したりする手間がなく、設置すればすぐに使える手軽さが魅力です。
どちらが良いかは、利用シーンによって異なります。5〜8人程度の小中規模の会議で、参加者がテーブルを囲んで着席しているような一般的なWeb会議であれば、ZHUOSHENG CS02の手軽さが際立ちます。しかし、より大人数であったり、特殊なレイアウトの会議室であったりする場合は、BALILAのピンマイク方式が解決策となる可能性があります。ただし、BALILA製品もZHUOSHENGと同様に、ブランドの透明性やサポート体制については未知数な部分が多い点を考慮する必要があります。
まとめ:CS02購入判断のための最終評価
本記事では、謎の多いブランド「ZHUOSHENG」の企業背景を調査し、人気の会議用マイクスピーカー「CS02」を徹底レビューしました。
調査の結果、ZHUOSHENGは中国の産業機械メーカーを母体とする可能性が高いことが分かりました。
CS02は、優れたコストパフォーマンスと24時間という長いバッテリー持続時間が最大の魅力です。
一方で、スピーカー音質や有線接続のみという点、そしてブランドのサポート体制には課題も残ります。
eMeetやAnkerといった信頼性の高いブランドと比較し、自身の利用シーンと予算、そして何を重視するかを明確にすることが、最適な一台を選ぶ鍵となるでしょう。

