はじめに：常識を覆す黒船、現る。
キャンプブームや防災意識の高まりを背景に、すっかり私たちの生活に身近な存在となったポータブル電源。ですが、ドライヤーや電子レンジまで動かせるパワフルなモデルとなると、平気で10万円を超えるものばかり…。欲しいけど、高くて手が出せない。そんな風に感じていた方も多いのではないでしょうか。
2025年、そんな停滞した市場に突如として現れ、常識を根底から覆したのが「Loncin（ロンシン）」です。特に主力モデル「EP1650-3」は、有名ブランドの同等品が霞んで見えるほどの高性能を誇りながら、価格はなんと半額以下。目を疑うような値札に、「安すぎて逆に怖い」「どこの馬の骨とも知れないメーカーじゃないの？」と、あなたの心がザワつくのも無理はありません。
ですが、もしその正体が、世界的な大企業を陰で支えるほどの技術力を持ったメーカーだとしたら…？
この記事では、そんな謎多き黒船「Loncin」の素性を徹底的に解き明かします。その驚くべき企業背景から、主力製品「EP1650-3」の実力、そして本当に“買い”なのかまで。あなたの不安を確信に変えるための、すべての情報がここにあります。
Loncinとは：その正体はBMWを支える技術者集団
Loncin（ロンシン）と聞いて、すぐにピンとくる方はまだ少ないかもしれません。それもそのはず、日本市場に本格参入したのは比較的最近だからです。しかし、その正体は1993年に中国・重慶市で設立され、2012年には上海証券取引所に上場を果たしている「隆鑫通用動力股份有限公司」という確かな実績を持つ大企業です。
主力事業はオートバイやそのエンジン、農業機械、そして近年では新エネルギー分野にも力を入れています。特筆すべきは、その驚異的な技術力。なんと、ドイツの高級バイクメーカーであるBMW Motorradと30年以上にわたりエンジン開発・供給のパートナーシップを結んでいるのです。あのBMWが心臓部であるエンジンを任せるという事実は、Loncinの技術力と品質管理レベルが世界水準にあることを何よりも雄弁に物語っています。
さらに、日本の大手バイクメーカーであるカワサキとも提携していた実績があり、国際的な信頼は非常に厚いと言えるでしょう。日本にも茨城県に「隆鑫商事株式会社」という法人を設立しており、日本市場への本気度が伺えます。
つまり、Loncinは「ポッと出の謎の格安メーカー」ではなく、「世界的なブランドを技術で支える、隠れた実力派企業」というのがその実像です。この強力な製造基盤と開発力こそが、高品質な製品を驚きの低価格で提供できる秘密なのです。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
- 企業規模・安定性：★★★★☆ (4.0/5.0)
上海証券取引所に上場しており、企業としての安定性は高いです。ただ、日本での知名度がまだ低いため星4つとしました。 - 技術力：★★★★★ (5.0/5.0)
BMWへの長年にわたるエンジン供給実績は、文句なしの満点評価に値します。ポータブル電源にもその高い技術力が活かされていると期待できます。 - 実績・歴史：★★★★☆ (4.0/5.0)
1993年設立と30年以上の歴史があり、豊富な実績を誇ります。新興メーカーとは一線を画す信頼感があります。 - 日本市場への本気度：★★★☆☆ (3.5/5.0)
日本法人を設立し、5年保証を謳うなど、市場への意欲は感じられます。しかし、サポート体制の充実度はまだ発展途上の可能性があるため、星3.5としました。 - 将来性：★★★★☆ (4.5/5.0)
主力のエンジン事業に加え、新エネルギー分野に注力している点は将来性が高いと評価できます。 - 総合評価：★★★★☆ (4.2/5.0)
総合的に見て、企業としての信頼度は非常に高いと判断します。特に技術的なバックボーンは他の中価格帯メーカーを凌駕する可能性を秘めています。
商品紹介：「Loncin ポータブル電源 EP1650-3」徹底解剖
商品スペック
- 製品名: Loncin ポータブル電源 EP1650-3
- 容量: 1024Wh (320,000mAh)
- バッテリータイプ: リン酸鉄リチウムイオン電池 (LiFePO4)
- 定格出力: 1500W
- 最大出力（SpurFlux機能）: 2000W
- AC出力ポート: 3ポート（純正弦波、100V 50/60Hz）
- USB-Aポート: 3ポート（各18W、合計54W）
- USB-Cポート: 2ポート（各100W、合計200W）
- シガーソケット: 1ポート（最大96W）
- AC充電時間: 45分で80%、70分でフル充電
- ソーラー充電: 最大400W
- サイクル寿命: 4000回（80%容量維持）
- 使用年数目安: 約10年
- サイズ: 336×268×263mm
- 重量: 約13.6kg
- EPS切替時間: 30ms
- 保証期間: 5年間
良い口コミ
「1000Whクラスでこの性能と価格は驚異的。まさにコスパ最強。色々楽しみながら使っています。」
「充電速度が本当に速い。キャンプに行く朝、準備している間にあっという間に充電が終わっていて最高です。」
「無骨でミリタリー感のあるデザインが好み。安っぽさがなく、所有欲を満たしてくれます。」
「EVにも使われるリン酸鉄バッテリーで10年寿命というのは安心感が違う。安かろう悪かろうではなかった。」
「専用アプリで遠隔操作できるのが便利。消費電力のチェックや充電設定ができるのは、この価格帯では破格の機能。」
気になる口コミ
「最初から過放電状態で電源が入らず、充電もできなかった。すぐに返品したが、品質管理はどうなっているのか不安になった。」
「ソーラー充電はかなり天気が良くないとほとんど充電してくれない。曇りの日は絶望的。もう一台のポタ電経由で充電しています。」
「アプリの充電上限設定がなぜか反映されない。ハードは良いのにソフトが追いついていない感じがする。」
「充電中の冷却ファンの音が思ったよりもうるさい。寝室で使うのは少し気になるレベル。」
「アプリのUIがスマホを回転させても対応しておらず、いちいち縦向きに持ち替えるのが地味にストレス。」
「Loncin ポータブル電源 EP1650-3」のポジティブな特色
- 価格破壊としか言えない圧倒的コストパフォーマンス
最大の魅力は、やはりその価格です。1000Whクラス・定格1500Wという、有名ブランドなら10万円以上はするスペックを、クーポン利用で4万円を切る価格で実現しています。これはもはや「価格破壊」です。週末のキャンプから本格的な防災対策まで、これまで予算の壁で諦めていた層に手を差し伸べる一台と言えるでしょう。 - 準備時間を奪わない驚異の急速充電
独自技術「NitroGo」により、わずか70分で空の状態からフル充電が完了します。これは、他社製品と比較してもトップクラスの速さです。「キャンプに行こう！」と思い立った時、荷物を車に積み込んでいる間に充電が終わる。このスピード感は、一度体験すると元には戻れないほど快適です。 - 安くても長く使える、高耐久・長寿命バッテリー
心臓部には、安全性と長寿命に定評のある「リン酸鉄リチウムイオン電池」を採用。約10年使えるという4000回の充放電サイクル寿命は、初期投資を余裕で回収できるほどの耐久性です。「安かろう悪かろう」ではなく、「安くて、しかも長く使える」という新しい価値観を提供してくれます。
「Loncin ポータブル電源 EP1650-3」のネガティブな特色
- 気まぐれなソーラー充電性能
複数のレビューで指摘されているのが、ソーラー充電性能のシビアさです。「相当な快晴でないと充電してくれない」という声は、特にオフグリッドでの利用や長期の停電対策を考えている方には見過ごせないポイント。太陽光での充電をメインに考えている場合は、期待値を少し下げておく必要があります。 - ハードに追いついていないソフトウェア（アプリ）
本体の性能が高いだけに、アプリの完成度の低さが惜しい点として挙げられます。設定が反映されない、UIが不便といった声は、今後のアップデートでの改善に期待したいところ。とはいえ、この価格で遠隔操作機能が付いていること自体が驚異的とも言えます。 - 無視できない初期不良の報告
「最初から電源が入らなかった」というレビューは、購入を検討する上で最も気になる点でしょう。価格の安さの背景には、品質管理に多少のばらつきがある可能性も否定できません。購入後はすぐに全ての機能が正常に動作するかを徹底的にチェックし、問題があればすぐに対応を求める姿勢が重要です。幸い5年間の長期保証が付いているのは心強い材料です。
徹底比較：Loncinは4大メーカーの牙城を崩せるか？
Loncin EP1650-3の真価を問うために、ポータブル電源市場で絶大な人気を誇る4大メーカーの同クラス製品と比較し、その立ち位置を明らかにします。比較対象は、いずれも1000Whクラスで定格1500W前後の出力を持つ、リン酸鉄リチウムイオン電池採用モデルです。
王者「Jackery」との比較 – 価格か、ブランドの安心感か
Jackeryはポータブル電源の代名詞とも言えるトップブランドです。その最新モデル「Jackery ポータブル電源 1000 New」は、業界トップクラスの軽さ（約10.8kg）とコンパクトさが最大の武器。デザイン性も高く、多くのファンを抱えています。
Loncin EP1650-3と比較した場合、最大の焦点は価格です。Jackery 1000 Newの価格が約14万円であるのに対し、Loncinは約4万円と、その差は歴然。実に3台以上買えてしまうほどの価格差です。容量（1070Wh vs 1024Wh）や定格出力（1500W vs 1500W）はほぼ同等で、急速充電性能もJackeryが約1時間、Loncinが約70分と大きな差はありません。
しかし、Jackeryには長年の販売実績に裏打ちされたブランドイメージと信頼性という大きなアドバンテージがあります。また、約2.8kg軽いJackeryは、持ち運びの頻度が高いユーザーにとっては見逃せない魅力でしょう。
結論：ブランドの安心感と、少しでも軽いモデルを求めるならJackery。それを差し引いても、圧倒的なコストパフォーマンスを最優先するならLoncinが有力な選択肢となります。
技術の「EcoFlow」との比較 – 拡張性か、シンプルさか
EcoFlowは、業界をリードする急速充電技術と高い拡張性で知られるイノベーターです。比較対象の「EcoFlow DELTA 3」は、わずか56分でフル充電できる驚異的な充電速度を誇ります。
Loncinの70分充電も十分に速いですが、EcoFlowはさらにその上を行きます。また、EcoFlowの強みはアプリ機能の充実度と拡張性です。充電の上限・下限を細かく設定できたり、拡張バッテリーを接続して容量を倍増させたりと、ユーザーのニーズに合わせた柔軟な使い方が可能です。
一方、Loncin EP1650-3は、拡張機能こそないものの、必要な機能をシンプルにまとめ、圧倒的な低価格を実現しています。アプリ機能もEcoFlowほど多機能ではありませんが、基本的な遠隔操作は可能です。サイクル寿命は両者ともに4000回と非常に長く、長期的な利用が可能です。
結論：ポータブル電源をシステムとして拡張していきたい、最新技術を駆使したいというガジェット好きにはEcoFlow DELTA 3が魅力的です。対して、単体で完結するシンプルなパワフルさを、とにかく安く手に入れたいならLoncinが最適です。
コスパの「BLUETTI」との比較 – 総合力か、一点突破の価格か
BLUETTIは、豊富なラインナップと高いコストパフォーマンスで人気を集めるブランドです。同クラスの「BLUETTI AC180」は、容量が1152Whと少し大きく、定格出力も1800Wとパワフルなのが特徴です。さらに、電力リフト機能を使えば最大2700Wまでの家電を動かせるという強みも持っています。
価格は8万円台と、Loncinの約2倍ですが、JackeryやEcoFlowよりは手頃な価格帯です。全体のスペックバランスが良く、「安すぎず高すぎず、でも性能は妥協したくない」という層のニーズを的確に捉えています。
Loncin EP1650-3は、AC180と比較すると容量や定格出力でわずかに劣りますが、価格はその半分。「価格」という一点において、BLUETTIのコストパフォーマンスをさらに上回る存在と言えます。急速充電性能やUSBポートの構成など、基本的な使い勝手においては大きな差はありません。
結論：少しでも容量や出力が大きいモデルを、バランスの取れた価格で手に入れたいならBLUETTI AC180。基本的な性能で十分と割り切り、極限までコストを抑えたいのであれば、Loncinの右に出るものはありません。
品質の「Anker」との比較 – 信頼と実績か、未知の可能性か
モバイルバッテリーでお馴染みのAnkerは、その高い技術力と品質管理をポータブル電源にも投入しています。「Anker Solix C1000」は、定格1500W、容量1056WhとスペックはLoncinとほぼ互角。最短58分で満充電できる急速充電性能も魅力です。
Anker最大の強みは、なんと言ってもブランドへの絶大な信頼感と、手厚いカスタマーサポートです。何かあった時の安心感は、他社を圧倒します。製品全体の作りも非常に堅牢で、細部まで品質へのこだわりが感じられます。
価格は約14万円と高価ですが、その価格には長年の実績に裏打ちされた「安心」が含まれていると考えることができます。一方、LoncinはBMWへのエンジン供給という実績こそあれ、ポータブル電源市場での実績はまだ浅く、サポート体制も未知数な部分があります。しかし、その価格差は約10万円。この価格差を前に、「Ankerの安心感」と「Loncinの未知の可能性」を天秤にかけることになるでしょう。
結論：価格が高くても、絶対的な品質とサポートの安心感を求めるならAnker Solix C1000が最適です。企業の技術的背景を信じ、リスクを取ってでも圧倒的な安さを手に入れたいチャレンジャーには、Loncinが非常に魅力的に映るはずです。
まとめ：Loncinはポータブル電源界の革命児だ
まるで高級レストランのフルコースが、牛丼チェーンの価格で食べられるような衝撃。Loncin EP1650-3は、まさにそんな存在です。
もちろん、完璧ではありません。ソーラー充電の気まぐれさや、アプリのちょっとした不便さは、老舗高級店のような洗練されたサービスには及ばないかもしれません。しかし、BMWの心臓部を任されるほどの技術力を持つ企業が作ったという事実は、メインディッシュの圧倒的な美味しさ、つまり基本性能の高さを力強く保証してくれます。
ポータブル電源選びは、時に複雑で、たくさんの選択肢に迷ってしまうものです。ですが、もしあなたが「ブランドや細かな機能よりも、とにかくパワフルで長く使える一台を、賢く手に入れたい」と心から願うなら、この常識破りの一台は、きっとあなたの期待を超える最高の相棒になってくれるはずです。
この記事が、あなたの電源選びの地図となり、最適な一台へと導く一助となれたなら、これ以上の喜びはありません。
