はじめに
出かける直前、クローゼットから取り出したシャツの頑固なシワに、思わずため息をついた経験はありませんか。
アイロン台を出すのは億劫だし、時間もない。そんな毎日の小さな悩みを、まるで魔法のように解決してくれるのが衣類スチーマーです。
中でも、洗練されたデザインで注目を集める「SteamOne」は、一体どこの国のブランドなのでしょうか。
この記事では、フランス・パリで生まれたSteamOneという企業の背景に迫りながら、パワフルな自立式モデル「JPES700B」の真価を、口コミや評判を交えて徹底的にレビューします。
お気に入りのブラウスやデリケートなワンピースも、ハンガーにかけたままサッと蒸気をあてるだけ。その手軽さは、一度体験すると元には戻れないほどの感動があります。本記事では、製品の基本的な性能はもちろん、他メーカーの製品と比べることで見えてくるJPES700Bならではの強みと、少し気になるかもしれない弱点を正直にお伝えします。「お気に入りの服を、もっと手軽に、もっと長く美しく着たい」。そんなあなたの想いに寄り添う、心強い一台を見つけるお手伝いができれば幸いです。


SteamOneとは
企業詳細
SteamOneは、2010年にフランスのパリで設立された衣類スチーマー専門メーカーです。そのルーツはユニークで、もともとアパレル業界で働いていたオリビエ・ギャビソンとデイビット・ギャビソン兄弟によって創設されました。彼らはアメリカでの活動時代に衣類スチーマーの利便性に着目し、フランスでその可能性を見出して事業をスタートさせました。
設立当初から業務用モデルに強みを持ち、ヨーロッパの多くのアパレルショップで導入されるなど、プロの現場でその性能と信頼性を確立してきました。ファッション業界の厳しい要求に応えることで培われた技術力が、SteamOne製品の基盤となっています。
日本市場へは2019年11月に初上陸しました。その洗練されたフランスデザインと確かな性能が評価され、スタイリストをはじめとするファッション感度の高いプロフェッショナル層から熱い支持を受けています。日本での展開は合同会社DMM.comが担っており、大手家電量販店やオンラインストアでの販売を通じて、その知名度を広げています。単なる家電製品としてだけでなく、衣類ケアの質を高めるためのツールとして、専門性とデザイン性を両立させたブランドと言えるでしょう。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
リサーチした情報を基に、当ブログ独自の視点でSteamOneの企業信頼度を評価しました。今回は少し甘めの評価を心がけています。
ブランドの歴史と実績:★★★★☆ (4.0/5.0)
2010年設立と歴史は比較的浅いものの、アパレル業務用の世界で確固たる地位を築いた実績は高く評価できます。専門分野での信頼性が一般家庭向け製品への安心感につながっています。
製品の専門性:★★★★★ (5.0/5.0)
衣類スチーマーのみに特化した専門メーカーである点は最大の強みです。一つの分野を深く追求する姿勢は、製品の高い品質と性能への期待感を抱かせます。
日本市場での展開:★★★☆☆ (3.5/5.0)
2019年の上陸以降、DMM.comという大手企業を通じて着実に販路を拡大していますが、日本の大手家電メーカーと比較するとまだ発展途上です。今後のさらなる展開に期待を込めて星3.5としました。
技術力とデザイン性:★★★★☆ (4.5/5.0)
プロが認めるパワフルなスチーム技術と、インテリアにも馴染むフランスならではのミニマルで洗練されたデザインは、他社製品と一線を画す魅力です。機能と美しさの両立は見事です。
総合評価:★★★★☆ (4.3/5.0)
専門性とデザイン性を強みに持つ、非常に信頼できるブランドと評価します。特に「お気に入りの服を大切に、かつ手軽にケアしたい」と考えるユーザーにとっては、これ以上ない選択肢の一つとなるでしょう。
商品紹介:SteamOne 衣類スチーマー George JPES700B



商品スペック
- 色: ブラック
- 商品の重量: 7.7 キログラム
- スタイル: スチーム量27g/分 / 3モード / JPES700B
- ワット数: 1400 W
- 同梱商品: 専用ハンガー、取り外し可能ブラシ、ミトン、スチームボード、専用電源コード、専用アース線付き2芯アダプタ、単4電池2本(試供品)
- 原産国: 中国
- 商品高さ: 180 cm
- 消費電力(ワット数): 1400 W
- 電圧(ボルト): 100 ボルト
- 加熱時間: 1 分
- 容量: 1200 ミリリットル
良い口コミ
「とにかくスチーム量がパワフル!他のハンディタイプとは比べ物になりません。ウールのコートやジャケットのシワもきれいに取れて、消臭効果も感じられました。」
「タンク容量が1200mlと大きいので、週末にまとめて家族の服をケアするのに便利。何度も給水する手間がなくて本当に楽です。」
「立ち上がりが約1分と早いので、朝の忙しい時間でもサッと使えるのが嬉しい。デザインもスタイリッシュで、部屋に出しっぱなしでも気になりません。」
「付属品が充実しているのがいいですね。特にスチームボードとミトンは、襟や袖口など細かい部分を仕上げるのに重宝しています。」
「自立式でハンガーもついているので、アイロン台を出す必要がなく、省スペースで使えます。高さ180cmはワンピースやロングコートにも対応できて助かります。」
気になる口コミ
「期待していたほどコットンシャツの頑固なシワは取れませんでした。プレスができない分、襟元や袖口はフワッとした仕上がりに。アイロンの完璧な仕上がりを求める人には向かないかもしれません。」
「本体が7.7kgと重く、高さも180cmあるので、設置場所を確保するのが大変でした。頻繁に移動させて使うのは少し難しいです。」
「デリケートな薄い生地に使うと、引っ張りながらかけないとシワが寄ってしまい、少しテクニックが必要だと感じました。撫でるだけでは綺麗になりません。」
「スタンバイモードにするためのセンサーの反応が少し気になります。ハンガーやヘッドをかけるパーツが動くので、たまに受信部がずれて機能しないことがありました。」
「フランスのブランドなので、製造もヨーロッパだと勝手に思い込んでいましたが、原産国が中国という点が少し気になりました。耐久性がどうなのか、長く使ってみないとわからないですね。」
「JPES700B」のポジティブな特色
口コミやスペックを基に、この商品の魅力をユーザー視点で深掘りします。単なる事実の羅列ではなく、それが「あなたの生活をどう変えるか」という観点で解説します。
プロの現場から生まれた圧倒的なスチーム力: 「スチーム量27g/分」という数字は、家庭用スチーマーの中でもトップクラスのパワーを意味します。これは、冬物の厚手コートや、クリーニングに出しづらいウールジャケットに付着した嫌なニオイとシワを、繊維の奥からリフレッシュできる力があるということです。週末にまとめて衣類ケアをする際も、パワフルな蒸気が時短を叶えてくれます。
給水の手間を過去にする大容量タンク: 1200mlという大容量タンクは、一度の給水で何枚もの衣類を連続ケアできることを意味します。ハンディタイプのように途中で何度も給水するストレスから解放され、まるでクリーニング店のように、次から次へと作業をこなせます。家族全員分のシャツやワンピースも一気に片付くでしょう。
忙しい朝の救世主、1分での高速起動: 「加熱時間1分」は、出かける直前に「あっ、シワが!」と気づいた時でも、慌てずに対応できるスピードです。アイロン台を準備する時間さえ惜しい朝の数分間を、このスチーマーが作り出してくれます。
「かゆい所に手が届く」充実の付属品: 専用ハンガーやスチームボード、ミトンといった付属品は、単なるオマケではありません。これらはシャツの襟やブラウスの袖口といった「もう一歩、きれいにしたい」部分を、妥協なく仕上げるためのプロの道具です。アイロンがけが苦手な方でも、プロ並みの仕上がりを目指せます。
「JPES700B」のネガティブな特色
「完璧なプレス」はアイロンの領域: 強力なスチームはシワを伸ばしますが、ワイシャツの襟や袖をパリッと仕上げるような「プレス」機能はありません。ビジネスシーンで求められるようなカッチリとした仕上がりを毎日必要とするなら、従来のプレス式アイロンとの併用が現実的です。これは「万能ではない」というより「得意分野が違う」と理解するのが正解です。
存在感のあるサイズと重量: 高さ180cm、重量7.7kgというスペックは、この製品が「出しっぱなし」で使うことを前提としていることを示しています。購入前に、クローゼットの横や部屋の隅など、専用の置き場所を確保できるか必ず確認しましょう。使うたびに収納場所から出し入れするのは、現実的ではありません。
デリケート素材には少しの「慣れ」が必要: パワフルなスチームは、時として繊細な生地にとっては扱いが難しい場合があります。シルクやレーヨンなどの薄い生地にかける際は、少し離れた位置からスチームを当てる、生地を軽く引っ張りながらかけるなど、少しのコツと慣れが求められます。
価格と原産国のバランス: フランスのプレミアムブランドというイメージと、「原産国:中国」という表示にギャップを感じる方もいるかもしれません。設計と品質管理はフランスのSteamOne本社が行っていますが、この点をどう捉えるかは個人の価値観によります。価格に見合う価値があるか、ブランドの背景と製品の性能を総合的に判断することが大切です。


他メーカーとの比較
衣類スチーマーの世界では、SteamOne JPES700Bは独自の立ち位置を確立しています。しかし、購入を検討する上で、他の有力メーカーの製品と比較することは不可欠です。ここでは、日本の市場で人気の高い「パナソニック」「ティファール」「日立」の3大メーカーとSteamOneを、それぞれの特徴を浮き彫りにしながら比較していきます。
パワフルスチームと専門性で選ぶなら「SteamOne」対「ティファール」
SteamOneとティファールは、共にフランス生まれのブランドであり、パワフルなスチームを特徴とする点で共通しています。しかし、そのアプローチには明確な違いがあります。
SteamOne JPES700Bは、「衣類スチーマー専門」のメーカーが作る、プロ仕様のDNAを受け継いだ自立式モデルです。27g/分という圧倒的なスチーム量は、厚手のコートやジャケットのシワ伸ばし、消臭において絶大な効果を発揮します。また、1200mlの大容量タンクは、一度に多くの衣類をケアしたいというニーズに応え、給水の手間を大幅に削減します。これは、週末にまとめて衣類ケアをする家庭や、常に多くの衣類を扱うアパレル関係者にとって大きな魅力です。ただし、重量7.7kg、高さ180cmというサイズ感は、手軽さよりも「据え置き」で本格的に使うことを前提としています。
一方、ティファールは、衣類スチーマーだけでなく調理器具など幅広い製品を手がける総合メーカーです。ティファールの衣類スチーマーは、「アクセススチーム」シリーズに代表されるように、パワフルなスチームを特徴としながらも、より手軽なハンディタイプが主流です。例えば「アクセススチーム フォース」は、ターボモード時に大量のスチームを噴射し、素早いシワ伸ばしを実現します。ティファール製品は、パワフルでありながらコンパクトで取り回しが良く、「必要な時にサッと使いたい」という日常使いのニーズに強く応えます。
比較のポイント:
本格的なケアを求めるなら、専門メーカーならではの圧倒的なスチーム量と大容量タンクを持つSteamOne。日常的に手軽さとパワフルさを両立させたいなら、豊富なラインナップと使い勝手の良さで定評のあるティファール、という棲み分けができます。
使い勝手と多機能性で選ぶなら「SteamOne」対「パナソニック」
日本の家電市場を牽引するパナソニックは、「かゆい所に手が届く」機能性でユーザーから絶大な支持を得ています。
SteamOne JPES700Bは、「スチームをかける」という機能に特化することで、その性能を最大限に高めています。付属品のスチームボードやミトンを使えば、シャツの襟や袖口もある程度整えられますが、基本的にはプレス機能はありません。その潔さが、プロ仕様のパワフルさを生み出しているとも言えます。
対照的に、パナソニックの衣類スチーマーは、日本ならではの細やかな配慮が光ります。特に人気が高いのは、アイロンとしても使える2WAYタイプです。例えば「NI-FS70A」などのモデルは、アイロン面がフラットになっており、ハンガーにかけたままスチーマーとして使うだけでなく、アイロン台の上でプレス仕上げも可能です。また、「360°スチーム」機能は、本体をどの角度に傾けても安定してスチームが出るため、非常に使いやすいと評判です。さらに、約19秒という驚異的な立ち上がり時間や、約660gという軽量設計など、忙しい現代人のライフスタイルに寄り添った設計が随所に見られます。
比較のポイント:
とにかくパワフルなスチームで衣類のシワを伸ばし、風合いを蘇らせることに集中したいならSteamOne。一方、スチーマーの手軽さに加えて、ワイシャツの襟をパリッとさせたいなど、アイロンとしてのプレス機能も一台で完結させたいなら、多機能で使い勝手に優れるパナソニックが有力な選択肢となるでしょう。
独自機能とプレス性能で選ぶなら「SteamOne」対「日立」
日立もまた、パナソニックと並ぶ日本の大手総合電機メーカーであり、独自の機能で差別化を図っています。
SteamOne JPES700Bが大量のスチームで一気にシワを伸ばす「面」でのアプローチを得意とするのに対し、日立の衣類スチーマーは、プレス機能に強みを持つモデルをラインナップしています。例えば「CSI-RX70」などのモデルには、「プレスアタッチメント」が付属しており、スチームをかけながらしっかりと折り目をつけたい場合に便利です。これは、ズボンのセンタープレスなどを自宅で手軽に仕上げたいビジネスパーソンにとって非常に魅力的な機能です。
また、日立は「低温スチーム」機能を搭載したモデルも展開しており、熱に弱いデリケートな素材の衣類にも安心して使える配慮がされています。これらの機能は、一台で様々な素材の衣類をケアしたいというニーズに応えるものです。
比較のポイント:
SteamOneが「シワを伸ばし、風合いを整える」ことに特化しているのに対し、日立は「シワを伸ばし、さらに折り目をつける」という、よりアイロンに近い機能を強化しています。デリケートな衣類への対応や、ズボンのプレスなどを重視するなら日立が適しています。一方で、コートやニットなど、プレスよりも全体の風合いを重視する衣類が多いのであれば、SteamOneのパワフルなスチームが真価を発揮します。
結論:JPES700Bのユニークな立ち位置
これらの比較から、SteamOne JPES700Bは、他メーカーの多機能・ハンディ路線とは一線を画す、「本格ケアに特化した据え置き型」という独自のポジションにいることがわかります。
・パナソニックや日立が「スチーマー兼アイロン」としての一台二役を追求し、日常の利便性を高めているのに対し、SteamOneはスチーマーとしての性能を極限まで追求しています。
・ティファールがパワフルさと手軽さのバランスを重視したハンディタイプを主力としているのに対し、SteamOneはサイズや重量を犠牲にしてでも、プロ仕様の圧倒的なスチーム量と連続使用時間を実現しています。
したがって、JPES700Bは、「手軽さ」や「多機能性」を最優先するユーザーよりも、「お気に入りの衣類を、まるで専門店のようにお手入れしたい」と考える、衣類ケアへの意識が高いユーザーに最も響く製品と言えるでしょう。それは、単なる家電ではなく、衣類との付き合い方を豊かにしてくれる特別なツールなのです。
まとめ
さて、フランス・パリの風をまとった衣類スチーマー、SteamOne「JPES700B」のレビューをお届けしてきました。結論として、この一台は「万人向け」ではありません。むしろ、「服を愛する人のための、特別な一台」と呼ぶのがふさわしいでしょう。
毎朝のシャツを1秒でも早く仕上げたいなら、パナソニックの超速起動モデルに軍配が上がるかもしれません。アイロンのような完璧なプレス仕上げを求めるなら、日立のプレス機能付きモデルが魅力的に映るはずです。
しかし、JPES700Bがくれるのは、そうした時短や多機能性とは少し違う、もっと心豊かな体験です。それは、お気に入りのウールのコートが、たっぷりの蒸気を浴びてふっくらと蘇る感動。クリーニングに出すほどではないけれど気になっていたニットの匂いが、まるでなかったかのように消え去る爽快感。ハンガーにかけたまま、プロのように次々と衣類をケアしていく週末の、あの心地よい時間。
これは単なる家電ではなく、あなたの大切なワードローブを、もっと長く、もっと美しく保つための頼もしいパートナーです。JPES700Bを選ぶということは、日々の暮らしの中に「衣類を慈しむ」という、丁寧で上質な時間を取り入れること。この記事が、あなたの衣類ケアを次のステージへと引き上げる、そのきっかけとなることを願っています。

