倒産という二文字を、扇風機一台がひっくり返した。そんな話、信じられるでしょうか。
はじめに
家電量販店の扇風機コーナーで、ひときわ静かに佇む白と黒の一台。
「BALMUDA」というアルファベットを見て、ヨーロッパのどこかの高級ブランドだろうか、と足を止めた経験はありませんか?。
かく言う私も、初めてこのロゴを目にしたとき、スペインあたりのデザイン家電メーカーだと思い込んでいました。
けれど、その正体はまったく違いました。
BALMUDAは、東京で生まれた日本の会社です。
しかも、ただの日本メーカーではありません。
一時は倒産寸前まで追い込まれ、社員の給料を払うのもやっとという崖っぷちに立たされていた企業なのです。
その会社を救ったのが、今回ご紹介するThe GreenFanの原点となった一台の扇風機でした。
夏になると毎年のように新しいモデルが並び、正直どれを選んでも同じでは、と感じてしまう扇風機というジャンル。
そんな「成熟しきった市場」に、BALMUDAはまったく新しい風の概念を持ち込みました。
電気代が気になる今の時代、最小運転時わずか1.5Wという省エネ性能は、家計を預かる方にとって見逃せないポイントかもしれません。
なぜ潰れかけた会社が、日本を代表する家電ブランドへと生まれ変われたのか。
そして、The GreenFan EGF-1800-WKは本当に価格に見合う一台なのか。
企業の裏側から製品の実力まで、じっくり掘り下げていきます。


BALMUDAとは
企業詳細
BALMUDA(バルミューダ)は、東京都武蔵野市に本社を構える日本の家電メーカーです。
英語表記は「BALMUDA Inc.(バルミューダ・インコーポレイテッド)」、つまり日本語に訳すと「バルミューダ株式会社」となります。
設立は2003年。
創業の地は東京で、家電をはじめとした現代の生活に欠かせないさまざまな道具を生み出してきた、自らを「デザインとエンジニアリングの会社」と位置づける企業です。
設立当初の社名は「有限会社バルミューダデザイン」でした。
意外に思われるかもしれませんが、最初に手がけていたのは扇風機でも炊飯器でもなく、パソコンの周辺機器だったのです。
具体的には、Macのノートパソコン用の冷却スタンド「X-Base」という製品でした。
アルミニウムを削り出して作られたこの道具が、BALMUDAの記念すべき第一号製品です。
しかし、デスク周りの製品を中心に展開していた当時の経営は、決して順風満帆ではありませんでした。
2008年に起きたリーマンショックの影響をまともに受け、会社は倒産寸前という深刻な状況に陥ります。
ここで登場するのが、会社の運命を変えた一台。
2010年に発売された扇風機「GreenFan(グリーンファン)」です。
この扇風機は、当時としては革命的でした。
一般的な扇風機が一枚羽根で作る風は、当たり続けると不快に感じることがあります。
一方でGreenFanは、二重構造の羽根によって速さの違う二種類の風を生み出し、それらがぶつかり合うことで、まるで自然界に吹く風のような、面で包み込むやさしい風を実現したのです。
さらに、扇風機の心臓部であるモーターに「DCモーター」を世界で初めて採用しました。
DCモーターとは、簡単に言えば従来型のACモーターに比べて細かい速度調整ができ、消費電力を大きく抑えられるモーターのことです。
この一台が起死回生のヒットとなり、BALMUDAは倒産の淵から一気に返り咲きます。
現在では、扇風機・ヒーター・加湿器・空気清浄機といった空調関連の製品を中心に、トースターやケトル、炊飯器などのキッチン家電まで、幅広いラインナップを展開しています。
企業としての信頼性を語るうえで欠かせないのが、上場企業であるという事実です。
BALMUDAは2020年12月、東京証券取引所マザーズ市場(現在のグロース市場)への上場を果たしました。
証券コードは6612です。
上場企業であるということは、財務情報や経営状況が一定の基準に沿って開示され、社会的な信頼の枠組みの中で運営されていることを意味します。
決算情報は誰でも閲覧でき、株主総会も開かれる、いわば経営の透明性が担保された状態です。
創業者である寺尾玄(てらお げん)氏の経歴も、この会社の個性を語るうえで外せません。
寺尾氏は17歳で高校を中退し、スペインやイタリア、モロッコなど地中海沿岸を放浪した経験を持ちます。
帰国後はプロのシンガーソングライターとして大手レコード会社と契約し、ロックバンドを結成するという、家電メーカーの社長としては異色の経歴の持ち主です。
音楽の夢に区切りをつけたあと、ものづくりの世界へ独学で飛び込み、金属加工の工場に通い詰めて技術を身につけていったといいます。
こうした型破りな背景が、「常識を疑う」というBALMUDAの製品づくりの姿勢に、色濃く反映されているように感じられます。
なお、社名の「バルミューダ」は造語です。
魚のカマスを意味する「Barracuda(バラクーダ)」や、簡素な小屋を指す「Barrack(バラック)」がイメージにあったとされ、「バ」や「パ」といった強い破裂音をあえて名前の先頭に置こうと考えられたそうです。
ヨーロッパのブランドのように聞こえる響きは、こうした狙いから生まれたものだったのです。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
リサーチで確認できた企業情報をもとに、当ブログ独自の視点で信頼度を多角的に採点します。
運営体制の明確さ ★★★★★(5.0)
東京都武蔵野市に本社を置くことが公式に明示され、創業者の経歴や会社の沿革も広く公開されています。情報が隠されている部分がなく、企業としての所在がはっきりしている点は高く評価できます。
市場での評価実績 ★★★★★(5.0)
倒産寸前から復活を遂げたGreenFanをはじめ、トースターやケトルなど数々のヒット商品を世に送り出してきた実績があります。成熟した市場に新しい価値を持ち込み、20年以上にわたって支持され続けている点は信頼の裏付けとなります。
商品開発の専門性 ★★★★★(5.0)
自らを「デザインとエンジニアリングの会社」と定義し、世界初のDCモーター扇風機を生み出すなど、独自の技術力を持っています。流体解析や幾度もの実験を重ねる開発姿勢は、専門性の高さを感じさせます。
社会的・文化的な取り組み ★★★☆☆(3.5)
グッドデザイン賞の受賞歴を多数持ち、デザイン文化への貢献が見られます。
一方で、社会貢献活動の具体的な情報は限定的なため、この評価としました。
財務情報の開示度 ★★★★★(5.0)
東京証券取引所グロース市場に上場しており、証券コード6612として決算情報が公開されています。上場企業として一定の基準に沿った情報開示が行われている点は、大きな安心材料です。
総合評価 ★★★★★(4.7)
日本の上場企業として透明性が高く、確かな技術力とヒット実績を兼ね備えた、信頼度の高いメーカーだと評価できます。
社会的取り組みの情報開示がさらに進めば、より一層の安心につながるでしょう。
商品紹介「The GreenFan EGF-1800-WK」



商品詳細
色:ホワイト×ブラック
電動ファンのデザイン:フロアファン
電源:電源コード式(AC100V 50/60Hz ACアダプター)
スタイル:The GreenFan
商品の寸法:奥行き32cm × 幅33cm × 高さ87.1cm
本体寸法:幅330mm × 奥行き320mm × 高さ871mm(通常時)/497mm(ショートサイズ時)
本体重量:約4.1kg
特徴:首振り
取り付けタイプ:ラックマウント
コントローラーの種類:プルチェーンコントロール
速度数:9
消費電力:1.5W〜20W(バッテリー非充電時)
電源コード長さ:約1.8m(ACアダプターコード長)
生産地:日本
動作音:10dB〜(無響室にて製品から距離1m地点で計測した値)
風の届く距離:15m
風量調整:4段階
切タイマー:1・2・3・4時間
自動首振り:左右それぞれ〜75°まで
手動角度調節:左右それぞれ75°/上向きに19°/下向きに11°
機能:モーター異常検知、バッテリー異常検知、異常電圧検知、オートパワーオフ(18時間無操作のとき)
パッケージ内容:本体、リモコン、マルチプラグアダプター、取扱説明書(保証書付)
その他の特徴:世界で初めてDCモーターを採用した扇風機「グリーンファン」の最新モデル/最小運転時わずか1.5Wの超省エネ性能/冷えすぎないやさしい涼しさと限りなく無音に近い静音性能/専用バッテリーとの組み合わせで最大20時間のコードレス運転が可能/最大風量ではサーキュレーターに匹敵する15m先まで届く大風量
良い口コミ
「風が本当にやわらかくて、直接当たっているのに全然疲れません」
「就寝時に一番弱い風にすると、動いているのか分からないくらい静かで驚きました」
「電気代がほとんど気にならないので、夏場つけっぱなしでも安心です」
「専用バッテリーを使えばコードレスで部屋から部屋へ持ち運べて、想像以上に便利でした」
「白と黒のシンプルなデザインが部屋に馴染んで、置いてあるだけで気分が上がります」
気になる口コミ
「品質には満足していますが、正直なところ普通の扇風機と比べると値段はかなり高めです」
「専用バッテリーが別売りなので、コードレスで使いたい人は追加の出費が必要でした」
「本体は約4.1kgと、女性が頻繁に持ち運ぶには少し重たく感じるかもしれません」
「操作は基本的にリモコン頼りなので、リモコンをなくすと少し不便でした」
「首振りの角度が左右75°までなので、もっと広い範囲に風を送りたい場面もありました」
「The GreenFan EGF-1800-WK」のポジティブな特色
最大の魅力は、なんといっても「風の質」です。
二種類の速さの風を組み合わせることで生まれる面のような風は、扇風機特有の「当たり続けると不快」という感覚をほとんど感じさせません。
長時間浴びていても体が冷えすぎず、自然の風に近い心地よさが続きます。
次に見逃せないのが、圧倒的な省エネ性能です。
最小運転時の消費電力はわずか1.5W。
これは一般的な白熱電球のはるか下という数値で、夏の間つけっぱなしにしても電気代への影響を最小限に抑えられます。
電気料金の値上がりが続く今、この省エネ性は家計にとって心強い味方になります。
そして、静音性も特筆すべきポイントです。
動作音は10dBからと、無響室での計測とはいえ、限りなく無音に近いレベル。
寝室で使っても睡眠を妨げにくく、赤ちゃんのいる家庭や物音に敏感な方にも向いています。
さらに、専用バッテリーと組み合わせればコードレス扇風機として最大20時間の運転が可能になります。
コンセントの位置に縛られず、リビングから寝室、脱衣所まで自由に持ち運べる点は、日々の使い勝手を大きく広げてくれます。
加えて、最大風量ではサーキュレーターに匹敵する15m先まで届く大風量を発揮します。
やさしい風だけでなく、部屋の空気を循環させたいときにも一台で対応できる懐の深さがあります。
生産地が日本である点も、品質を重視する方にとって安心につながる要素です。
「The GreenFan EGF-1800-WK」のネガティブな特色
一方で、購入前に知っておきたい点もいくつかあります。
まず挙げられるのが価格です。
一般的な扇風機が数千円から購入できるのに対し、The GreenFanは高価格帯に位置します。
風の質や省エネ性を考えれば納得できる価格ではあるものの、「とにかく安く涼しくなればいい」という方には割高に感じられるかもしれません。
次に、コードレス運転に必要な専用バッテリーが別売りである点です。
本体だけではコンセントに接続しての使用が基本となり、コードレスの利便性を得るには追加の費用がかかります。
また、本体重量は約4.1kgと、扇風機としては軽くはありません。
頻繁に持ち運ぶことを考えている場合、人によっては少し重く感じる可能性があります。
自動首振りの範囲が左右それぞれ75°までという点も、留意しておきたいところです。
広いリビング全体にまんべんなく風を送りたい場合には、設置場所を工夫する必要が出てくるかもしれません。
これらは、あくまで「価格に対して何を求めるか」という視点で判断すべき部分だと言えます。


他メーカーの商品との比較
一般的なACモーター扇風機との違い
家電量販店で数千円から手に入る一般的な扇風機の多くは、ACモーターを採用しています。
ACモーターは構造がシンプルで安価に作れる一方、風量の調整が2〜3段階と大まかで、消費電力も比較的大きいという特徴があります。
対してThe GreenFan EGF-1800-WKは、世界で初めて扇風機に採用されたDCモーターを搭載し、風量を4段階で細かく調整できます。
最小運転時の消費電力はわずか1.5Wと、AC扇風機とは省エネ性能で大きな差がつきます。
初期費用は高くとも、毎日の電気代と風の質で長く手元を潤していく設計だと言えます。
他社の高級DC扇風機との比較
各社から高性能なDCモーター扇風機が登場しており、羽根のないタイプや、より多段階の風量調整を備えた製品も見られます。
その中でThe GreenFanが際立つのは、二重構造の羽根が生み出す「自然の風に近いやわらかさ」という独自の風質です。
多くの高級扇風機が風量や機能の多さを競う一方で、The GreenFanは「どんな風を届けるか」という体験そのものにこだわっている点が特徴です。
ただし、他社製品の中には手頃な価格でコードレスに対応したものもあり、コードレス運転に専用バッテリーが別途必要なThe GreenFanは、この点でやや割高になる場合があります。
どちらが優れているかは一概には言えず、風の質を最優先するならThe GreenFan、コスト重視で多機能を求めるなら他社製品という選び方になります。
サーキュレーターとの使い分け
空気を循環させることに特化したサーキュレーターと比べると、The GreenFanは「人に心地よい風を送る」ことを主眼に設計されています。
とはいえ、最大風量では15m先まで届く大風量を発揮するため、サーキュレーターに近い使い方もこなせます。
一台で涼を取る扇風機としても、空気を回す道具としても使える汎用性の高さは、他の専用機にはない強みだと言えます。
エアコンとの併用で部屋全体に冷気を行き渡らせたい場合にも、十分に活躍してくれます。
まとめ
たった一台の扇風機が、倒産寸前の会社を日本を代表する家電ブランドへと押し上げた。
これほど痛快な逆転劇は、そうそうありません。
BALMUDAという企業を深く知ると、The GreenFan EGF-1800-WKという一台の見え方が変わってきます。
自らを「デザインとエンジニアリングの会社」と名乗り、常識を疑い続けてきた会社だからこそ、二重構造の羽根で自然の風を再現するという発想が生まれました。
正直なところ、扇風機に数万円を出すと聞くと、最初は「高すぎる」と身構えてしまう方も多いはずです。
その気持ち、よく分かります。
けれど、直接当たっても疲れない風や、動いているのか分からないほどの静けさ、そして夏中つけても気にならない電気代を一度体験すると、その価格の理由に納得がいくものです。
暑さが年々厳しくなる今の夏、涼しさの「質」にこだわってみるのも一つの選択です。
まずは家電量販店の店頭で、The GreenFanの風に直接手をかざしてみてください。
その一手間が、今年の夏の快適さを大きく変えるかもしれません。




