はじめに
夏の夕方、麦茶を注ごうとして製氷皿に手を伸ばす。
指先に触れたのは、乾いたプラスチックの感触だけでした。
冷蔵庫の自動製氷は、一度空にすると次の氷ができるまで数時間かかります。
その間、飲みたかったのはぬるくない一杯だったのに、選択肢は「ぬるいまま我慢する」か「暑い中コンビニまで買いに行く」かの二択になってしまいます。
猛暑日の日数が増え、熱中症への注意喚起が毎年のように繰り返されるようになった今、氷は嗜好品ではなく生活インフラに近い存在へと変わりました。
水筒を持たせる子どもが二人いれば、朝の氷の消費量は一気に跳ね上がります。
そんな「小さいけれど毎日効いてくる不便」に正面から向き合っているのが、ALTENA(アルティーナ)というブランドです。
ブランド名の由来は「あるといいな」という、ごくささやかな願い。
この記事では、ALTENAを手がける企業の実像を可能な限り深く掘り下げたうえで、最短約6分で氷が完成する「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」を、良い点も気になる点も含めて率直に紹介していきます。
氷を待つ時間をゼロに近づけると、暮らしの何が変わるのか。
その答えは、スペック表の数字の外側にあります。


ALTENAとは
企業詳細
ALTENA(アルティーナ)は、三金商事株式会社(MITSUKIN SHOJI Co., Ltd./ミツキンショウジ)が展開する自社ブランドです。
①基本的な企業情報
公開情報を照合すると、三金商事株式会社は2011年4月7日に設立され、法人番号は3320001007422です。
本社所在地は大分県大分市碩田町3-1-35 Mitsukin bldg.で、過去には大分市横田、大分市大在北への所在地変更の履歴も確認できます。
資本金については、プレスリリース配信サイトの企業情報欄に設立年月2011年4月、資本金10,000千円(=1,000万円)、従業員数26人という記載があります。
一方で、Gビズインフォに掲載された職場情報総合サイト由来のデータでは従業員数38人(男性20人、女性18人)、事業概要はEC販売・卸販売と示されています。
数字に開きがあるのは、情報の取得時点が異なるためと考えるのが自然で、少なくとも設立から10年強の間に組織が拡大してきたことは読み取れます。
代表者については、情報源によって表記が分かれています。
公式サイトの会社概要では代表取締役社長として田中新一(李鑫)氏が掲げられており、プレスリリースでも代表取締役社長は田中新一氏と記載されています。
他方、登記情報を扱う企業データベースでは代表者を馬菲菲氏とするものも存在します。
どちらが現時点の正確な情報かは外部から断定できないため、ここでは「公式発表では田中新一氏、一部データベースでは別表記が残っている」という事実のみを記しておきます。
②事業の中身
三金商事は単なる輸入販売会社ではありません。
公式サイトでは、自社商品展開、OEM・商品開発、IPライセンス、企画コンサルティングを事業の軸として掲げており、さらに海外インフルエンサーを起用したライブコマースや越境ECを通じて日本のものづくりを海外に発信する取り組みも行っています。
つまり「売る」だけでなく「つくる」「広める」までを射程に入れた体制です。
ブランドポートフォリオも複数あります。
1人でも設置できるテントや持ち運びやすい小型折りたたみコットなど、初心者や女性でも扱いやすいコストパフォーマンス重視のキャンプ・アウトドア用品を展開するブランドを持ち、車中泊関連の商品群も手がけています。 生活雑貨、アウトドア用品、カー用品という企画・販売領域は、ALTENAの製氷機がアウトドア需要とも接続していることの背景説明になります。
技術志向の一端を示す記録もあります。
大分県の中小企業経営革新計画事例集には、同社が得意とするカメラや車載モニター、ドライブレコーダー、カーナビの技術を融合した車載用カメラモニターシステムの開発テーマで、平成30年10月に承認を受けた記録が残っています。
県の審査を通過した経営革新計画を持つという事実は、企業としての実体と計画性を測るうえで小さくない材料です。
③企業理念
同社は「全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、新しい価値の創造を通じて社会に貢献する」ことを使命に掲げ、日本と世界を価値ある商品と想いでつなぐ百年企業を目指すと表明しています。
大切にする価値観として挙げられているのは「しなやかマインドセット」「誠実・実行」「利他の心」「シンプル&フォーカス」の4つです。
理念を掲げること自体は珍しくありませんが、ここで注目したいのは「シンプル&フォーカス」という言葉が、ALTENAの製品づくりと明確に地続きになっている点です。
④ALTENAというブランドの思想
ALTENAの原点は明快です。
公式ブランドページでは、原点を「あるといいな」というささやかな願いに置き、確かなアイデアで「もう仕方ない」をなくし、見過ごされがちな日常の不便にまっすぐ向き合って解決していくブランドだと定義しています。
さらに踏み込んで、高速製氷機にこだわった理由を「単に早く氷が作れる便利さを届けたかったから」ではなく、「氷がない」という瞬間の落胆をなくし、冷たいドリンクを一口飲んだときの最高の瞬間を1秒でも早く味わってほしかったからだと説明しています。
機能ではなく体験を起点にしている、という宣言です。
⑤製氷機シリーズの歩み
ALTENAの製氷機には前史があります。
もともと「LIVZA」ブランドで販売されていたコンパクト高速製氷機が、ALTENAブランドとして生まれ変わり、「最短6分で氷」を掲げるICE-C01として展開されました。
その初代モデルの実績は数字で裏付けられています。
発売前のクラウドファンディング「Makuake」では開始1時間以内に目標金額を突破し、最終的な達成率は3,549%を記録。その後の一般販売でも楽天市場の製氷機カテゴリで複数回1位を獲得し、レビュー平均は4.0以上という評価を得ています。
そして2026年、シリーズはさらに進みます。
大分県に本社を置く三金商事株式会社は、ALTENA製氷機シリーズの累計販売台数15,000台突破を記念し、最新モデル「クイック&クリア高速製氷機/ICE-C02」の予約販売を開始しました。
この最新モデルはクイックモード、クリア氷モード、標準モードを搭載し、1年保証と日本人スタッフによるカスタマーサポートを備えると案内されています。
本記事の主役である「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」は、この系譜のなかで「透明なキューブ氷」を看板に据えたモデルという位置づけになります。
⑥確認できなかったこと
正直に書いておくと、外部から確認できない情報もありました。
売上高や利益といった財務数値は未上場企業のため非公開で、資本金についても2021年時点のプレスリリース記載以降の更新値は確認できませんでした。
また、製造委託先や生産体制の詳細、環境配慮や社会貢献に関する具体的な取り組みの公表資料も見つけられていません。
ここは「情報がない」という事実として受け止めるのが妥当です。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★(4.0)
公式サイトに会社概要、所在地、代表者名、企業理念が明記され、法人番号から登記情報も追跡できます。
ただし代表者名の表記が情報源によって分かれている点は、加点を抑える理由になりました。
市場での評価実績 ★★★★☆(4.5)
クラウドファンディングでの達成率3,549%、楽天市場カテゴリ1位の複数回獲得、シリーズ累計15,000台突破という数字は、いずれも第三者の場で積み上げられたものです。
レビュー平均4.0以上という実績も、一過性の話題ではないことを示しています。
商品開発の専門性 ★★★★(4.0)
製氷機だけでLIVZA時代から数えて複数世代を展開し、モードや氷サイズの選択肢を増やしてきた改良の連続性が確認できます。
車載カメラモニターシステムで県の経営革新計画承認を受けた記録も、開発志向の企業であることを裏づけます。
社会的・文化的な取り組み ★★★(3.0)
「百年企業を目指す」という長期視点と、日本のものづくりを海外へ発信する事業姿勢は評価できます。
一方で、環境配慮や地域貢献に関する具体的な公表資料は確認できず、ここは今後の開示に期待したいところです。
財務情報の開示度 ★★☆(2.5)
未上場企業であるため売上高や利益は非公開で、資本金1,000万円という数字も2021年時点の記載にとどまります。
最低限の登記情報は公開されているものの、消費者が経営規模を判断する材料としては限定的です。
総合評価 ★★★☆(3.6)
実績と理念の明確さが強く、財務開示の薄さが弱点という、成長段階の自社ブランド企業らしい輪郭が見えました。
少なくとも「どこの誰が売っているか分からない商品」ではない、という安心感は十分に持てる水準です。
商品紹介「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」



商品詳細
- 商品の寸法:22奥行き×32幅×29高さcm
- 容量:1.5リットル
- ワット数:180W
- 消費電力:180W
- 電圧(ボルト):100ボルト
- コードの長さ:約1.5M(ケーブルのみ)
- 製氷時間:6〜17分(排氷1分)
- 一日あたりの製氷量:15キログラム
- 素材:PP、ABS
- 含まれるコンポーネント:本体、貯水タンク、アイスコップ、氷ケース、WEB説明書QRコード(保証書付き)
- 注意事項1:必ず水道水をご利用ください
- 注意事項2:使用環境温度や使用する水の温度で製氷時間が前後します
- 注意事項3:初回使用時、または久しぶりにご使用するときは、記載時間よりも長くかかる場合がございます
- 注意事項4:保冷機能はありません。製氷後はなるべく早くお使いになるか、冷凍庫へ入れてください
良い口コミ
「夕方に思い立って動かしても、夕食の準備が終わる頃には氷ケースが埋まっていました」
「氷が透明なので、麦茶に入れたときの見た目が別物になります」
「貯水タンクに水を入れてボタンを押すだけ。説明書を読み込まなくても操作できました」
「水道水をそのまま使える点が地味にありがたい。ミネラルウォーターを買い足す必要がありません」
「キッチンカウンターの端に置けるサイズで、思っていたより圧迫感がありませんでした」
気になる口コミ
「保冷機能がないので、作ったまま放置すると溶けて水に戻ってしまいます」
「最短6分と聞いていましたが、初回はかなり時間がかかりました」
「排氷のたびに動作音がするため、寝室に近い場所には置きにくいです」
「一日15キロという表示を見て期待したものの、実際にその量を作るには連続稼働と氷の移し替えが必要でした」
「電源コードが約1.5メートルなので、コンセントの位置によっては延長コードが要ります」
「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」のポジティブな特色
最大の武器は、待ち時間の短さです。
製氷時間は6〜17分、排氷は1分と明示されており、冷蔵庫の自動製氷が数時間単位であることを考えると、時間の桁がひとつ違います。
この差は「便利」という言葉より、「あきらめなくてよくなる」という表現のほうが実感に近いはずです。
急な来客、部活から帰ってきた子どもの水筒、思いつきで始めた晩酌。
そのすべてに対して、氷の都合で予定を変えなくてよくなります。
次に、水道水で使えるという設計思想です。
注意事項で「必ず水道水をご利用ください」と指定されているのは制約に見えますが、裏を返せば専用の水も浄水器も不要という意味になります。
ランニングコストがほぼ電気代だけで済む構造は、毎日使う道具として非常に現実的です。
素材がPPとABSという樹脂中心である点も、実用面では利点になります。
金属筐体の製品に比べて本体を軽くしやすく、置き場所の移動や季節ごとの片づけがしやすくなります。
寸法は22×32×29cmで、A4用紙を少し大きくした程度の設置面積に収まる計算です。
キッチンカウンターの一角、あるいはダイニングのサイドボードの上。
専用スペースを確保しなくても居場所が見つかるサイズ感は、導入のハードルを確実に下げます。
付属品の構成も、使い始めの摩擦を減らす方向に振られています。
本体、貯水タンク、アイスコップ、氷ケースが揃っているため、開封してすぐ運用に入れます。
説明書がWEB形式のQRコードで提供され、保証書が付属している点も見逃せません。
紙の説明書は失くしますが、QRコードで参照できる形式なら、数年後に「使い方を忘れた」となっても検索し直す手間がありません。
そして消費電力180W、電圧100ボルトという仕様。
これは一般的な家庭用コンセントでそのまま運用できる範囲であり、特別な電源工事も専用回路も必要ありません。
ALTENAが掲げる「あるといいな」を形にするうえで、導入の手間を極限まで削るという判断が、仕様のあちこちに現れています。
「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」のネガティブな特色
率直に書きます。
この製品の最大の弱点は、保冷機能がないことです。
注意事項に「製氷後はなるべく早くお使いになるか、冷凍庫へ入れてください」と明記されている通り、作った氷はその場にとどめておけません。
つまり、この機械は「氷の貯蔵庫」ではなく「氷の製造装置」だと理解する必要があります。
就寝前にセットして朝に使う、という運用はできません。
この点は、一日あたりの製氷量15キログラムという数字の読み方にも直結します。
15キロという表示は、理論上の24時間連続稼働に近い前提での数値と考えるのが自然です。
保冷機能がない以上、作った端から冷凍庫へ移し替え続けなければ15キロは手元に残りません。
カタログ上の最大値と、生活のなかで実際に使える量は別物だという前提で見るべき数字です。
製氷時間の幅も正直に見ておきましょう。
6〜17分という表記は、最短と最長で約3倍近い差があります。
注意事項で「使用環境温度や使用する水の温度で製氷時間が前後します」「初回使用時、または久しぶりにご使用するときは、記載時間よりも長くかかる場合がございます」と明示されている通り、真夏の室温環境やシーズン初日の使用では、最短値を期待すると肩透かしを食らう可能性があります。
「最短約6分」は達成できる条件が揃ったときの数字であって、平常運転の平均値ではありません。
水道水指定という条件も、人によっては制約になります。
浄水器を通した水やミネラルウォーターを使いたい場面があっても、メーカーが指定している以上は従うほかありません。
コードの長さが約1.5メートルという点も、設置場所を選ぶ要因です。
キッチンのコンセントは調理家電で埋まりがちで、延長コードや電源タップの追加が必要になるケースは想定しておくべきです。
最後にもうひとつ。
本体寸法や重量については、販売チャネルによって表記に差異が見られる場合があります。
設置スペースがぎりぎりの方は、購入前に販売ページの仕様欄を必ず確認することをおすすめします。


他メーカーの商品との比較
「速さ」で見た場合の立ち位置
最短6分クラスは、この市場では突出した値ではありません。
VERSOSの家庭用高速製氷機VS-HI04BEも最短約6分を掲げ、シンプルな操作パネルと2サイズの氷選択を備えながら1万円以下という価格帯で展開されています。
つまり速度だけを見るなら、ICE-CB01は「業界最速」ではなく「最速クラスの一角」です。
同じALTENAのICE-C02が爆速5分を掲げていることを考えると、速度競争は自社内でも進行中です。
「透明氷」で見た場合の立ち位置
ここは明確に優位側です。
VS-HI04BEは透明氷モデルではないと明記されており、低価格帯の高速機は白く濁った氷になるモデルが少なくありません。
一方で透明氷を作れる機種は、速度面で犠牲を払っている例が目立ちます。
透明キューブ氷と13段階の製氷モード調節、自動洗浄機能を備えるモデルでは、本体重量が約11キロと重く、製氷スピードは最短14分という構成です。
クリアロックRM-100Hのように、透明で硬い氷を14分で作るタイプも同様の設計思想と言えます。
「透明」と「速い」を同時に狙える点が、ICE-CB01の実質的な差別化点です。
「機能の厚み」では後れを取る
ここは忖度なしに書きます。
競合には自動洗浄機能を標準搭載する機種が複数あり、2026年版の卓上製氷機ランキングでも、最速6分と自動洗浄を両立するモデルや12リットル級の大容量モデル、保冷性能を備えたモデルが並びます。
特に保冷機能の有無は決定的です。
提供仕様上、ICE-CB01に保冷機能はありません。
作り置きしたい人にとって、この一点だけで選択肢から外れる可能性があります。
「そもそも機械が必要か」という視点
透明氷が目的なら、電源を使わない選択肢も検討に値します。
雑誌『MONOQLO』がビアバー店主と実施した実証テストでは、家庭用製氷器のMALTICE「MALTICEプレミアム」が1位ベストバイに選ばれています。
冷凍庫のスペースと待ち時間を許容できるなら、コストは圧倒的に安く済みます。
逆に「今すぐ大量に」が要件なら、製氷器では絶対に代替できません。
判断軸は速度か、量か、見た目か。
ここを先に決めないと、価格差に納得できないまま買うことになります。
まとめ
氷は、あって当たり前のものです。
だからこそ、ないときのがっかり感は理屈を超えて響きます。
ALTENAが「もう仕方ない」をなくすと言い切ったのは、その感情を軽く扱わなかったからだと思います。
「クリアキューブ高速製氷機 ICE-CB01」は万能機ではありません。
保冷機能はなく、一日15キロという数字も鵜呑みにはできません。
それでも、6〜17分という製氷時間と水道水だけで完結する手軽さは、夏の夕方の選択肢を確実に増やしてくれます。
猛暑が常態化し、冷たい飲み物が体を守る道具になった時代に、待ち時間を数時間から十数分に縮める意味は小さくありません。
冒頭の製氷皿の話に戻ります。
あの乾いた感触を「仕方ない」と受け入れるか、設計で潰しにいくか。
その分かれ道に立っている製品です。
今日できる小さな一歩を挙げるとすれば、まずは自宅の冷蔵庫が氷を1回分作るのに何時間かかるか、実際に測ってみてください。
その数字を知った瞬間、この製品が解決しようとしている問題の輪郭が、はっきり見えてくるはずです。




