デロンギは、コーヒーの会社として生まれたわけではありません。
はじめに
台所の隅に置かれた、白くて小さな箱。
そこから立ちのぼる湯気の向こうに、120年分の物語が隠れていると言ったら、少し大げさに聞こえるでしょうか。
「De’Longhi(デロンギ)」というブランド名を、多くの方は冬の家電売り場で覚えたはずです。
オイルヒーター。
あの、じんわりと部屋を温めるイタリア生まれの暖房器具。
ところが今、この会社の売上の大部分を支えているのはコーヒーです。
暖房器具の会社が、なぜ世界のコーヒーマシン市場でトップに立ったのか。
その答えは、実は「熱と圧力を正確に扱う技術」という一本の線でつながっています。
そして今回取り上げる「エスプレッソメーカー EC235J-W」は、その技術の到達点を、いちばん手の届きやすい形にまとめた一台です。
イタリア語で「スタイリッシュ」を意味する、スティローザという愛称を持つモデル。
幅は21cm、重さは3.2kg。
A4の紙より少し小さい面積に、業務用マシンと同じポンプ式抽出の仕組みが詰め込まれています。
在宅ワークが定着し、平日の午前中に自宅でコーヒーを淹れる時間が生まれた方も多いはずです。
カフェのレシートを見返して、月に一万円近く使っていたことに気づいて手が止まる。
あの感覚に覚えがある方にとって、この一台は現実的な選択肢になります。
この記事では、De’Longhiという企業の素顔を徹底的に掘り下げたうえで、EC235J-Wという商品の実力を、良いところも物足りないところも含めて正直に整理します。


De’Longhiとは
企業詳細
創業は1902年、イタリア北東部トレヴィーゾの小さな工房から
De’Longhiの出発点は、コーヒーとは何の関係もありませんでした。1902年、イタリア北東部トレヴィーゾで、交換部品を作る小さな工場として創立されています。創業当初は薪ストーブの生産を専門とし、初めの数十年は他社からの受注生産が中心でした。
つまり、De’Longhiは「無名の下請け町工場」として100年前にスタートしています。
これが冒頭で触れた伏線の正体です。
コーヒーの会社として生まれたわけではない。
にもかかわらず、今やコーヒーの世界で頂点に立っている。
その転換の過程こそが、この企業を理解するうえで最も面白い部分です。
1974年、オイルヒーターが工房を工場へ変えた
転機は戦後にやってきます。1950年に電気機器の製造を開始。そして1974年、最初の電気機器であるオイルヒーターを製造したことで、職人の作業場から工場へと飛躍的な発展を遂げました。
日本でDe’Longhiといえばオイルヒーター、というイメージが強いのは偶然ではありません。
これがブランドとしてのDe’Longhiの実質的な原点だからです。
1970年代には暖房機器やエアコンの下請け生産に従事していましたが、80年代に入ってブランドを強化し、製品の幅を広げ、下請けからメーカーへの転身を実現しました。
自社ブランドを持つ。
これは製造業にとって、収益構造そのものを書き換える決断です。
1993年、暖房技術がコーヒーマシンに接続された
そしてここからが本題です。
De’Longhiがコーヒーマシン分野に参入したのは1993年、ポンプ式のモデルからでした。1990年代に、暖房器具の製造で培った技術をコーヒーマシンの開発・製造に転用したのです。
暖房器具とエスプレッソマシン。
一見すると無関係ですが、共通しているのは「水と熱を、狙った温度で安定的に制御する技術」です。
オイルヒーターは内部の油を均一に温め続ける機器。
エスプレッソマシンは水を90℃前後に保ちながら高圧で押し出す機器。
土台にある熱制御のノウハウが、そのまま活きた形になります。
その後の展開は加速します。2003年には初の全自動マシン「マグニフィカ」を市場に投入。2004年にはネスプレッソとカプセル式コーヒーマシンの流通に関する歴史的な契約を締結し、これが2007年の「ラティシマ」の発売につながりました。
自社ブランドの全自動機と、他社カプセル規格向けの製造受託。
この二段構えが、De’Longhiをコーヒーマシン業界の中心へ押し上げました。
買収で築かれた「グループ」としての厚み
意外に知られていないのが、De’Longhiが単一ブランドではなく巨大なグループだという事実です。
グループのブランドポートフォリオには、1974年に生まれ家庭用コーヒーマシンで世界をリードするDe’Longhi、2001年に買収した英国ブランドKenwood、2012年から永久ライセンスで展開するドイツブランドBraun、2020年に買収した米国ブランドNutribullet、そしてKenwoodと同時に2001年に買収したArieteが含まれます。
キッチンエイド的な立ち位置のKenwood。
ハンドブレンダーで世界的に知られるBraun。
いずれも、日本の家電売り場で見かけるブランドです。
2001年のKenwood買収額は4,590万ポンドで、この取引には食品加工分野のポートフォリオに加え、中国国内の製造拠点へのアクセスも含まれていました。2012年4月のBraunに関する永久ライセンス取得では、プロクター・アンド・ギャンブルに対して初期支払5,000万ユーロ、15年間で9,000万ユーロのロイヤリティ、さらに最大7,400万ユーロの追加条件付き支払いという条件が設定されています。
金額の桁を見れば、これが思いつきの拡大ではないことが分かります。
プロ市場への進出とLa Marzocco
直近で最も大きな動きが、業務用領域への本格進出です。
2024年1月、De’Longhiは14億ドル規模でEversysとLa Marzoccoの事業を連結しました。
La Marzoccoは、世界中のスペシャルティコーヒー店で使われている半自動エスプレッソマシンの象徴的なブランド。
Eversysはスイスの全自動マシン技術で知られる存在です。
2年を経て、半自動セグメントの象徴的リーダーであるLa Marzoccoと、全自動マシンの技術的ベンチマークであるEversysの統合は、その戦略的価値を裏づける結果を出したとされています。
CEOのファビオ・デロンギ氏は、コーヒー事業がグループ総売上の約70%を占めるまでになり、家庭用・プロシューマー向け・業務用にまたがる包括的なポートフォリオを構築したと述べています。
暖房器具の会社という出自を知っていると、この数字は少し不思議に見えます。
財務規模と企業実体
数字で見ると、この企業の規模がはっきりします。
De’Longhiグループは5大陸にまたがる10,000名超の従業員を抱え、複数の生産拠点と50を超える販売拠点からなるグローバルネットワークを展開しています。2025年の売上高は38億ユーロ、調整後EBITDAは6億2,500万ユーロ、純利益は3億ユーロ超を計上しました。
2025年通期の売上は為替一定ベースで10.4%増という記録的な伸びを示し、コーヒーを中心とした家庭用部門と、La Marzocco・Eversysが第4四半期に40%超の成長を記録したプロフェッショナル部門の双方が牽引しました。
同社は2001年からイタリア証券取引所の主要市場MTAに上場しており、120を超える市場で製品を販売しています。
上場企業であるということは、四半期ごとに数字を公開する義務を負うということです。
本社は現在もトレヴィーゾに置かれています。
創業の地から動いていない。
イタリアの製造業らしい、地に足のついた姿勢が見えます。
日本市場との関係
日本での歩みも長いものがあります。
日本法人のデロンギ・ジャパン株式会社は1995年に設立されました。
30年以上、日本市場に腰を据えている計算になります。
2007年9月には東京・代官山に日本初の直営路面店「カーサデロンギ」をオープンし、本社のあるトレヴィーゾ料理を提供するレストランも併設していました(現在は閉店)。また2013年からは、ドイツメーカー「ブラウン」の日本向け調理器具製品の販売・サポート業務をデロンギ・ジャパンが代理請負しています。
サポート窓口が国内にあること。
これは家電を長く使ううえで、スペック表には出てこない大きな安心材料になります。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★★(5.0)
本社所在地、創業年、上場市場、従業員規模、経営トップの氏名まで、企業の基本情報がすべて公開情報として確認できます。
実体の見えない販売事業者が増えるなか、この透明性は最上位の水準に位置します。
市場での評価実績 ★★★★★(5.0)
コーヒー事業がグループ総売上の約70%を占めるまでに成長し、家庭用から業務用まで一貫したポートフォリオを持つ点は、単なる知名度ではなく実績の裏づけがあります。
日本の家電量販店でも定番棚を確保しており、市場からの信任は厚いと判断できます。
商品開発の専門性 ★★★★★(5.0)
1993年のポンプ式参入から2003年の全自動マシン投入まで、自社で技術を積み上げてきた履歴が明確です。
暖房器具で培った熱制御技術をコーヒー機器へ転用した流れには、他社が簡単に真似できない蓄積があります。
社会的・文化的な取り組み ★★★★☆(4.5)
ミラノでの「Out of the Box」やニューヨークでのドキュメンタリー作品のプレミア上映など、コーヒー文化そのものを広げる活動を継続しています。
一方で、環境負荷や労働環境に関する具体的な数値目標までは今回の調査範囲で十分に確認できなかったため、満点は見送りました。
財務情報の開示度 ★★★★★(5.0)
売上高38億ユーロ、調整後EBITDA6億2,500万ユーロ、純利益3億ユーロ超という数字が、公式のプレスリリースとして誰でも閲覧できる形で公開されています。
上場企業として四半期ごとに数字を開示する体制が整っており、疑う余地は少ないと言えます。
総合評価 ★★★★☆(4.9)
創業から120年以上、上場から25年という時間の重みが、そのまま信頼度に反映される企業です。
文化的な取り組みの数値開示という一点を除けば、家電ブランドとしてほぼ死角がありません。
「聞いたことはあるけれど、どこの会社かよく分からない」という状態から入った方ほど、調べたあとの安心感が大きいタイプのブランドです。
商品紹介「エスプレッソメーカー EC235J-W」



商品詳細
製品名:スティローザ エスプレッソ・カプチーノメーカー
コーヒーメーカータイプ:エスプレッソマシン
スタイル:エスプレッソマシン単品
色:ホワイト(エントリーモデル)
商品の寸法:奥行26.5×幅21×高さ30cm
外形寸法:幅210×奥行265×高さ300mm(本体のみ)
商品の重量:3.2kg
本体質量:3.2kg
抽出方式:業務用マシンと同様のポンプ式抽出
ポンプ:内部気圧最大15気圧の電磁ポンプ
ボイラー:ステンレス製
抽出時の圧力:9気圧
最適な抽出温度:90℃
ミルクフロッサー:ステンレス製
操作部:フロントパネルのダイヤル一つで操作
付属コンポーネント:タンパー/計量スプーン、フィルター、フィルターホルダー
電圧:100ボルト(AC)
電源/周波数:AC100V/50-60Hz
消費電力:1100W
電源コードの長さ:2.0m
給水タンク容量(エスプレッソ):1.0L
良い口コミ
「タンピングの力加減を変えるだけで味が変わるので、毎朝の一杯が実験みたいになって楽しい」
「幅21cmしかないので、電子レンジの横の空きスペースにすんなり収まった」
「ステンレスのフロッサーでミルクを泡立てたら、思っていた以上にきめ細かい泡ができて驚いた」
「操作がダイヤル一つだから、説明書を読み込まなくても初日から使えた」
「白い本体がキッチンに馴染んで、出しっぱなしにしても生活感が出ない」
気になる口コミ
「コーヒー粉を自分で計って詰める工程があるので、寝坊した朝は正直めんどうに感じる」
「ミルクの泡立ては慣れるまで数回失敗した。最初からカフェの味を期待すると肩透かしになる」
「豆を挽く機能はないので、結局ミルを別で買い足すことになった」
「使い終わったあとにフィルターホルダーを洗う手間が毎回発生する」
「水タンクが1.0Lなので、来客が続いた日は途中で給水が必要だった」
「エスプレッソメーカー EC235J-W」のポジティブな特色
この製品の価値は、スペック表の数字を一つずつ読み解くと立体的に見えてきます。
「最大15気圧」と「抽出時9気圧」は別物である
最も誤解されやすいのがこの点です。
15気圧という数字だけが一人歩きしがちですが、実際にコーヒー粉へかかる圧力は9気圧に設定されています。
エスプレッソの抽出に最適とされる圧力が、まさにこの9気圧。
つまり15気圧はポンプの余力であり、その余裕があるからこそ、抽出中も9気圧を安定して維持できる構造になっています。
余力を持たせて狙った値を守る。
これは暖房器具で温度を安定させてきたメーカーらしい設計思想です。
ステンレス製ボイラーが支える90℃という数字
抽出温度90℃という条件も、味を左右する決定的な要素になります。
温度が低すぎれば酸味が立ち、高すぎれば焦げたような苦味が出る。
コーヒーの抽出は、料理でいえば油の温度管理に近い作業です。
ステンレス製ボイラーは熱を素早く伝え、においや味の移りも起きにくい素材。
内部にアルミを使う機種と比べたとき、長期使用での安定感で差が出やすい部分になります。
3.2kgという重量が意味するもの
本体重量3.2kgは、キッチン家電としては軽い部類です。
ただし、この軽さには使いこなしのコツが伴います。
フィルターホルダーを装着するときに本体が動きにくいよう、設置面を平らに保つこと。
これだけで日々のストレスが減ります。
一方で、模様替えや大掃除のときに片手で持ち上げられる軽さは、実際に暮らしてみると効いてきます。
消費電力1100Wと2.0mのコードが示す現実的な設計
消費電力1100Wは、電子レンジとほぼ同等の水準です。
同じ回路で同時使用するとブレーカーが落ちる可能性があるため、コンセントの系統を意識する必要があります。
そして電源コード2.0mという長さ。
これは地味ですが、実用面では大きな意味を持ちます。
キッチンのコンセント位置は自由に選べません。
1.0m前後のコードだと設置場所が制限されますが、2.0mあればカウンターの端から反対側まで届く余裕が生まれます。
タンパーが最初から付いている
付属品にタンパー/計量スプーンが含まれている点も見逃せません。
タンパーは粉を押し固める道具で、エスプレッソの味を決める最重要工程を担います。
これが別売りの機種も存在するなか、開封してすぐ本格的な抽出を始められる構成になっています。
フィルターとフィルターホルダーも同梱されており、追加購入なしで一杯目にたどり着ける。
初めての一台としては、この「買い足しゼロ」の設計が効いてきます。
「エスプレッソメーカー EC235J-W」のネガティブな特色
正直に書きます。
この製品には、はっきりとした弱点があります。
豆を挽く機能がない
最大の制約がこれです。
EC235J-Wは半自動機であり、コーヒー粉を用意する工程は使う側の担当になります。
挽きたての豆で淹れたいなら、コーヒーミルを別途用意する必要があります。
エスプレッソは極細挽きが求められるため、安価な手動ミルでは粒度が揃わず、味が安定しないことも起こります。
トータルの予算を考えるとき、この点は必ず計算に入れるべきです。
手間は確実に発生する
粉を計る、フィルターに入れる、タンパーで押し固める、ホルダーを装着する。
抽出前だけでこれだけの工程があります。
そして使用後は、ホルダーとフィルターの洗浄。
全自動機がボタン一つで完結するのに対し、こちらは毎回5分程度の作業時間を見込む必要があります。
朝の支度に追われている平日、この5分が重荷になる可能性は否定できません。
ミルクの泡立てには練習が要る
ステンレス製ミルクフロッサーは高性能ですが、自動ではありません。
ノズルの角度、ミルクの温度、容器の位置。
これらを自分で調整する必要があり、最初の数回はうまくいかないことも珍しくありません。
ラテアートに至っては、さらに練習量が求められます。
「買えばカフェの味」ではなく「練習すればカフェの味」という表現が実態に近いところです。
タンク容量1.0Lと設置スペース
給水タンク容量1.0Lは一人暮らしや二人暮らしには十分ですが、来客が続く場面では給水の手間が発生します。
また、幅21cm×奥行26.5cm×高さ30cmという寸法は、コンパクトとはいえ確保が必要な実面積です。
特に高さ30cmは、吊り戸棚の下に置く場合に引っかかりやすい寸法になります。
購入前にメジャーで実測することを強くおすすめします。


他メーカーの商品との比較
カプセル式との比較:手軽さを取るか、自由度を取るか
最も現実的な競合はカプセル式マシンです。
ネスプレッソのヴァーチュオシリーズは遠心力を使って抽出し、カプセルのバーコードを読み込んで抽出時間や湯量を自動調節します。カプセル式は本体が1万円以下で買えるものも多く、気楽に楽しめる点が支持されています。
本体価格ではカプセル式が圧倒的に有利です。
しかし勝負が分かれるのはランニングコストと自由度になります。
カプセル式は一杯ごとに専用カプセルの購入が必要で、味の選択肢はメーカーが用意した範囲に限られます。
EC235J-Wは市販のコーヒー粉が使えるため、豆の産地も焙煎度も自分で選べます。
毎日飲む人ほど、この差は年単位で効いてきます。
同じ半自動タイプの上位機との比較:価格帯が違いすぎる
半自動というカテゴリで見ると、より本格的な選択肢も存在します。
GAGGIAのClassic Evo Proは記事執筆時点で140,800円、SolisのBarista Perfettaは69,800円という価格帯です。
GAGGIAはイタリアでは「エスプレッソマシンといえばGAGGIA」と言われる老舗ブランドで、業務用譲りの堅牢な作りが持ち味になります。
ただし価格差は数倍。
さらに上位機になると重量17.6kg、幅260×高さ423×奥416mmという業務用に近いサイズのモデルもあり、一般家庭のキッチンでは設置自体が難関になります。
3.2kgで幅21cmのEC235J-Wとは、そもそも土俵が異なります。
全自動タイプとの比較:時間を買うか、工程を楽しむか
デロンギ自身のマグニフィカスタート ECAM22020Bは84,500円前後、La Specialista Arte EC9155Jは104,355円前後という水準です。
全自動機は豆を入れるだけで挽きから抽出まで完結します。
朝の5分を確実に短縮できる点は、半自動機が逆立ちしても勝てない領域です。
一方で価格は4倍前後。
内部機構が複雑なぶん、故障時の修理費も上がります。
抽出工程そのものを楽しみたいのか、結果としての一杯だけが欲しいのか。
ここが分岐点になります。
自社ラインナップ内での比較
同じデロンギでも、EC152Jは幅19.5cm・本体2.8kgでスティローザEC235Jより一回り小さく、デディカEC680BKは幅15cmのスリムボディで32,316円前後という位置づけです。
設置幅を最優先するならデディカ。
価格を最優先するならEC235J-W。
そういう住み分けになります。
比較から見えた結論
EC235J-Wが劣る点は明確です。
ミル非搭載、手動工程の多さ、上位機に比べた構造のシンプルさ。
優れる点も同じくらい明確です。
ポンプ圧15気圧・抽出圧9気圧という本格仕様を、幅21cm・3.2kgという住宅事情に合う筐体で実現している点。
そして、タンパーまで含めて開封即日から使える構成である点。
「本格的な抽出を、最小の面積と最小の初期投資で始める」という一点において、この価格帯で正面から競合する製品は多くありません。
まとめ
暖房器具の会社が、世界のコーヒーを変えた。
冒頭で張った伏線の答えは、シンプルにこれです。
1902年に部品工場として始まったDe’Longhiは、1993年にポンプ式コーヒーマシンへ参入し、2025年には売上38億ユーロ、従業員10,000名超という規模に到達しました。
熱を制御する技術を、暖房からコーヒーへ橋渡しした企業。
その技術の入口に立っているのが、EC235J-Wという一台です。
正直なところ、この製品は万人向けではありません。
粉を計り、押し固め、洗う。
その工程を「面倒」と感じるなら全自動機を選ぶべきです。
けれど、休日の朝にタンパーを握る時間そのものが楽しみになる人には、これ以上ない入口になります。
物価が上がり続けるなかで、外のカフェ代を家に持ち帰る現実的な手段でもあります。
まずやってみてほしい小さな一歩があります。
キッチンのコンセント周りを、メジャーで測ってみてください。
幅21cm、奥行26.5cm、高さ30cm。
その空間が空いているかどうかで、明日からの朝の風景が変わります。




