このデスクで一番よく働くのは天板ではなく左右の二本のハンドルです
はじめに
午後3時。
オンライン会議が三本続いたあと、立ち上がった瞬間に腰が「ギシッ」ときしむ。
そんな経験に、心当たりはありませんか。
通勤がなくなったぶん、気づけば朝から夕方まで同じ椅子に座りっぱなしだった、という日もあるはずです。
厚生労働省が令和6年1月にまとめた「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することが、成人の推奨事項に入りました。
「仕事は座ってするもの」という職場の常識が、少しずつ揺らいでいます。
とはいえ、電動の昇降デスクは値段も大きさも気になります。
そこで今回は、ゲーミングチェアで知られるE-WINと、同ブランドの「E-WIN 折りたたみ昇降デスク SD118-BR」を取り上げます。
E-WINを日本で売っているのはどんな会社なのか。
使いやすさの理由はどこにあるのか。
他メーカーと比べて、何が優れていて何が足りないのか。
遠慮なく掘り下げていきます。


E-WINとは
企業詳細
①E-WINの基本プロフィール
正直に言うと、最初にE-WINという名前を見たときは「よくある正体不明の通販ブランドかもしれない」と身構えました。
ところが調べてみると、会社の住所から売上高まで自ら公開している、輪郭のはっきりしたブランドでした。
E-WINは、ゲーミングチェアから始まり、昇降デスクや折りたたみラックまで手がける家具ブランドです。
アルファベット表記のブランドで、公式な読み仮名は今回のリサーチでは確認できませんでした。
日本での販売元である株式会社真善美によると、E-WINのゲーミングチェアは海外に生産拠点を置き、2015年からアメリカとヨーロッパで販売が始まりました。
日本では2016年から真善美が独占代理店として販売を始めました。現在は手動昇降デスクや折りたたみ式スタンディングデスク、ラックなど、E-WINブランドの家具も数多く扱っています。
英語圏向けの公式サイトによると、2001年にスポーツカー用シートとオフィス家具の製造からスタートし、2015年にE-WINというブランド名を付けたそうです。
長く「座る」道具を作ってきたブランドが、働く姿勢を支えるデスクにも手を広げた、と考えると流れは自然です。
ただし、海外公式サイトの運営元と、日本で売られている昇降デスクの設計元・製造元が同じかどうかは、公開情報からは断定できません。
②日本の販売元「株式会社真善美」とはどんな会社か
真善美の設立は2011年6月24日で、代表者は周維氏、資本金は700万円です。
会社概要によると、海外のインクジェットメディア(プリンター用紙など)メーカーの出資を受けて、東京・池袋で創業しました。
創業当初の仕事は、ホームセンター、100円ショップ、文具メーカー、家電量販店から依頼を受けて、インクジェット用紙をOEMで作ることでした。
OEMとは、ほかの会社のブランド名で売られる商品を、代わりに作って納める仕事のことです。
つまり真善美は、家具屋として始まった会社ではありません。
大手の小売店に「紙」を納め続けてきた会社が、ネット通販をきっかけに家具やパソコンへ商品を広げてきたのです。
沿革を見ると、事業の広がり方がよく分かります。
2013年9月にインクジェットロール紙のネット販売を始め、2014年7月に埼玉県ふじみ野市の事務所兼倉庫へ移りました。
2016年10月にE-WINゲーミングチェア、2017年5月にSKYNEWブランドの小型パソコンのネット販売を始めています。
2019年1月には鴻巣市へ移り、倉庫面積415坪の事務所兼倉庫を構えました。
同じ年の6月には、輸出の手続き、商品開発、検品を担当する海外オフィスを広州に置きました。2021年5月に深圳へ移り、2022年10月には東京オフィスも開いています。
会社概要には、2021年3月決算の売上高として約8億4,972万円が載っています。
企業データベースでは、社会保険に加入している従業員数は11名となっています。
少人数で、紙からゲーミングチェア、ミニPCまで幅広い商品を扱っている会社だと分かります。
安さの仕組みも説明されています。中間業者を通さず工場から直接輸入し、国内の自社倉庫でまとめて管理することで、余計なコストを減らしているそうです。
品質管理では、現地スタッフによる出荷前の検品に力を入れていると説明しています。
公式ショップの問い合わせ欄には、インボイス制度の登録番号も書かれています。
③ゲーミングチェアから昇降デスク・ラックへ広がったブランド展開
公式ショップのセールページには、小さめのゲーミングチェア、布張りのチェア、電動リクライニングソファが並んでいます。ほかにも、折りたたみ昇降デスク、天板の角度を変えられる昇降テーブル、ガス式昇降テーブル、折りたたみの引き出しラックがあります。
並んだ商品を見ると、「たためる」「高さを変えられる」「小さめ」という特徴が何度も出てきます。 狭い部屋でも仕事と趣味を両立したい人向けに、形や高さを変えられる家具をそろえているようです。
第三者からの評価としては、比較メディアmybestの2025年7月度月間アワードで、同社の昇降テーブルが折りたたみデスク部門の3位に入ったと真善美が告知しています。
ただし、どのモデルが入賞したのかは告知に書かれていません。
④販売チャネルとサポート体制
自社サイトのほか、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングにも出店しています。
公式ショップの電話窓口は、平日の9時〜12時と13時〜17時に受け付けています。
不良品や誤配送のときは、連絡したうえで商品到着後10日以内に着払いで返送すれば交換してもらえます。その送料は同社の負担です。
公式ショップには偽サイトへの注意を呼びかけるバナーもあります。
ブランド名をかたる詐欺サイトにも気を配っていることがうかがえます。
X、Facebook、Instagram、TikTok、YouTubeで情報を発信しているほか、企業からのOEMやODMの相談も受け付けています。
ODMとは、商品の企画や設計から引き受けて製造する方式のことです。
⑤リサーチで分かったこと・分からなかったこと
分かったのは、E-WINの日本の販売元が、所在地・代表者・資本金・沿革・売上高を公開している実在の会社だということです。
倉庫、海外の検品拠点、電話窓口がそろっていて、売った後まで対応する仕組みもあります。
一方で、2022年以降の業績、昇降デスクを作っている工場の名前、海外のE-WIN運営元との契約関係は確認できませんでした。
この分からない部分も踏まえて、次の評価を読んでください。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★☆(4.5)
代表者、資本金、所在地、設立日、沿革まで自社サイトで公開しており、どんな会社が売っているのかがはっきり分かります。
国内に倉庫兼事務所があり、電話窓口の受付時間も明記されているので、ネット通販のブランドとしては安心できます。
市場での評価実績 ★★★★(4.0)
2016年からゲーミングチェアを売り続け、大手ECモールでも長く商品を出してきた実績があります。
比較メディアの月間アワードで昇降テーブルが入賞したことも公表されています。
商品開発の専門性 ★★★☆(3.5)
海外公式サイトではシートやオフィス家具の製造から始まった経歴が紹介されており、「座る」分野での経験はうかがえます。
一方で、日本向け昇降デスクの設計元や製造工場は分からず、専門性を裏付ける情報は少なめです。
社会的・文化的な取り組み ★★☆(2.5)
SNSや動画での商品紹介には積極的ですが、環境への配慮や地域貢献の発信は確認できませんでした。
それでも、公式ショップで偽サイトへの注意を呼びかけている点は、購入者を守る取り組みとして評価できます。
財務情報の開示度 ★★★(3.0)
資本金700万円の企業ながら、売上高を自社サイトに載せているのは珍しく、好感が持てます。
ただし載っているのは2021年3月決算の1期分だけで、その後の業績の変化は分かりません。
総合評価 ★★★☆(3.5)
知名度は高くありませんが、会社の情報を自ら公開し、国内倉庫と電話窓口で購入後まで対応する販売元です。
安さの理由を「直輸入と自社倉庫」と説明できる点で、価格だけが売りの無名ブランドとは違います。
商品紹介「E-WIN 折りたたみ昇降デスク SD118-BR」



商品詳細
- ブランド:E-WIN
- 色:ブラウン
- 形状:長方形
- デスクの種類:スタンディングデスク
- スタイル:昇降式
- 商品の寸法:幅118cm×奥行60cm×高さ81.5cm
- ベース材質:鉄
- トップの素材タイプ:樹脂、エンジニアリングウッド
- 仕上げタイプ:ラミネート
- 特徴:折りたたみ式、キャスター
- 高さ調整:左右のハンドルで8段階
- 対応する作業:座り作業、立ち作業
- 主な用途:在宅ワーク、PC作業、簡易作業台
- 脚部:キャスターと固定脚を使い分け可能
- ストッパー付きキャスター:2個
- 組立:キャスターまたは固定脚を取り付けるだけ
- 収納:折りたたみ式(折りたたむ際は天板の取り外しが必要)
- キャスター装着時のサイズ:幅118cm×奥行60cm×高さ約81.5〜124.5cm
- 固定脚装着時のサイズ:幅118cm×奥行60cm×高さ約76〜120cm
良い口コミ
「午後に眠くなったらハンドルで天板を上げて、立ったまま会議に出ています。座りっぱなしより頭がすっきりします。」
「組立はキャスターを付けるだけで、箱を開けてから使い始めるまであっという間でした。」
「幅が118cmあるので、ノートパソコンと資料を並べても窮屈になりません。」
「普段はキャスターで部屋の隅に寄せておき、使うときだけ窓際に出しています。ストッパーで止められるので作業中も動きません。」
「座る高さと立つ高さを何段目か覚えておけば、毎回迷わず同じ高さに戻せて楽です。」
気になる口コミ
「折りたたむたびに天板を外さないといけないので、毎日片付けるのは正直面倒です。」
「8段階なので、ちょうどいい高さが段と段の間にあって、少し妥協しました。」
「上げ下げするときは天板の上の物をどかさないと不安で、ひと手間かかります。」
「本体を起こすときにフレームに指を挟みそうになって、ヒヤッとしました。」
「一人で持ち上げて運ぶには重く、階段では家族に手伝ってもらいました。」
「E-WIN 折りたたみ昇降デスク SD118-BR」のポジティブな特色
使いやすさの秘密1:高さ調整の主役は左右のハンドル
冒頭で「一番よく働くのはハンドル」と書いた理由がここにあります。
SD118-BRは、左右のハンドルで天板の高さを8段階に切り替えます。
段階式と聞くと、大ざっぱな印象を持つかもしれません。
でも見方を変えれば、「座るときは2段目、立つときは7段目」のように、自分に合う高さを段数で覚えられるということです。
車の運転席をいつもの位置に戻すような感覚で、毎回迷わず同じ高さにできます。
立つか座るかで迷う時間が減ると、立ち作業が習慣になりやすくなります。
使いやすさの秘密2:組立は脚を付けるだけ
組立は、キャスターか固定脚を取り付けるだけです。
家具の組立で一番つらいのは、説明書を見ながら何十本ものネジを締める時間です。
その作業がほとんどないので、買うときのハードルがぐっと下がります。
休日の午前中を組立で使いたくない人にはうれしい点です。
使いやすさの秘密3:キャスターと固定脚を選べる
脚はキャスターと固定脚から選べて、キャスターのうち2個にはストッパーが付いています。
見落としやすいのは、脚によって高さの範囲が変わることです。
キャスター装着時は約81.5〜124.5cm、固定脚装着時は約76〜120cmです。
低めの座り作業を重視するなら固定脚、立ち作業で高さがほしいならキャスター、という選び方ができます。
脚の選択は、動かしやすさだけでなく、体格に合わせるための調整にもなります。
働き方はどう変わる?利用シーン
在宅ワークなら、午前は座って集中し、午後の会議は立って参加する、といった切り替えができます。
幅118cmの天板なら、ノートパソコンと資料を並べても手元に余裕があります。
立ったまま荷物を仕分けたり、趣味の工作をしたりする簡易作業台としても使えます。
忙しい時期が終わったら、折りたたんでしまっておけます。
机を置きっぱなしにするのではなく、必要なときだけ作業場所を出す。
そんな使い方ができることが、SD118-BRの一番の価値です。
「E-WIN 折りたたみ昇降デスク SD118-BR」のネガティブな特色
折りたたみ式でも、天板は外す必要がある
「折りたたみ式」と聞いて、ワンタッチで薄くなる姿を想像すると期待外れになります。
折りたたんで収納するときは、天板を外す必要があります。
毎日出し入れする使い方には向きません。
季節の変わり目や仕事の区切りでしまうくらいの頻度で考えておくのが現実的です。
8段階なので、あと1cmが合わないこともある
段階式は高さを覚えやすい反面、段と段の間では止められません。
キーボードを打つときの肘の角度にこだわる人ほど、わずかなズレが気になるはずです。
椅子の高さや足置きで微調整するつもりでいれば、不満は小さくなります。
手動なので、上げ下げは自分の力で行う
ハンドル式は電源がいらない一方、上げ下げは自分の手で行います。
ノートパソコンや飲み物を載せたまま動かすのは避けて、物を下ろしてから操作するほうが安心です。
脚を付け替えると高さの範囲が変わる
キャスターと固定脚では、最低の高さが約5.5cm、最高の高さが約4.5cm違います。
後から付け替えるのは手間なので、組立の前に「移動しやすさを取るか、低さを取るか」を決めておきましょう。
耐荷重と重量は購入前に確認が必要
商品ページの主な仕様欄には、天板の耐荷重や本体の重さが載っていません。
モニターを2台置く予定や、重い機材を載せる予定があるなら、販売元ショップの仕様表で数値を確認してから決めてください。


他メーカーの商品との比較
【比較の前提】
比較には販売元ショップの仕様表の数値も使います。本体は約23kg、天板の耐荷重は約30kg、保証は1年間です。
高さの上限は、商品情報では約124.5cmですが、販売元ショップでは125.5cmと書かれています。
サンワダイレクト「100-ERD041」との比較(ガス圧式)
価格帯が最も近い手動タイプです。
執筆時点の直販サイトの表示価格は、SD118-BRが29,500円(税込)、こちらが28,800円でした。
サイズは幅120×奥行き60cm、高さ約68.3〜108.2cm、重さは約23.3kgです。
ガスの力で昇降し、身長に合わせて無段階で高さを変えられます。
耐荷重は静止時40kg、昇降中は10kgです。
優れているのは、無段階で細かく合わせられることと、座り作業に向く低い位置まで下げられることです。
一方、高さの上限はSD118-BRのほうが15cm以上高いので、背の高い人が立って作業するならSD118-BRが有利です。
折りたたみ収納ができることと、脚をキャスターか固定脚から選べることもSD118-BRの強みです。
FLEXISPOT「EF1」との比較(電動式)
ボタン操作で昇降する電動フレームで、高さを記憶するメモリー機能があります。耐荷重は70kg、メーカー保証は5年です。
数字の面では、SD118-BRを大きく上回ります。
モニターを何台も置くなら、こちらを検討すべきです。
ただし販売されているのは脚部だけで、天板は別に買う必要があります。
天板込みで届き、電源がいらず、使わない時期にはたためるSD118-BRは、置き場所を固定したくない人に向いています。
アイリスオーヤマ「UDD-1200」との比較(ボルト調整式)
高さは59〜80cmの範囲を3cmずつ変える方式で、変えるにはボルトを付け直す必要があります。
重さは約17.99kg、天板の耐荷重は40kgです。
SD118-BRより軽く、耐荷重も上です。
低めの机として高さを一度決めて使うなら、こちらが合理的です。
ただし立ち作業の高さには届かないため、座る・立つを切り替えたい人にはそもそも候補になりません。
比較から見えるSD118-BRの立ち位置
SD118-BRは、耐荷重と保証では電動式に、高さの細かさではガス圧式に負けます。
それでも、立ち作業に届く高さと、たたんでしまえる手軽さを両方求める人には有力な候補です。
ノートパソコンと資料が中心ならSD118-BR、重い機材を載せるなら電動式、と使い分けて考えるのがおすすめです。
まとめ
冒頭の「一番よく働くのは左右のハンドル」という言葉。
その答えは、座る高さと立つ高さを段数で覚えて、いつでも同じ高さに戻せる手軽さでした。
E-WINの日本の販売元は、紙のOEMから始まり、倉庫と検品の体制を自分たちで整えてきた真善美です。
「E-WIN 折りたたみ昇降デスク SD118-BR」は、電動デスクほど多機能ではありません。
それでも、立ち作業に届く高さと、使わない時期にしまえる手軽さは、狭い部屋で働く人の心強い味方になります。
在宅と出社を行き来する働き方が広がった今、机にも身軽さを求めてかまいません。
まずは今日、立ったときの肘の高さをメジャーで測ってみてください。
その数字が、自分に合う高さを選ぶ最初の手がかりになります。




