停電の夜に頼れるのはコンセントではありません。昼の光をしまい込んだ一冊の「手帳」です。
はじめに
スマホの電池が残り10%を切った瞬間、胸のあたりがきゅっと縮む。
あの感覚を知らない人は、たぶんいません。
それが停電中だったら、どうでしょう。
挿すコンセントがない夜は、画面の数字がひとつ減るたびに、不安が一段ずつ積み上がっていきます。
2024年1月の能登半島地震では、停電が長引いた地域もありました。
9月1日の防災の日を過ぎ、台風のニュースが続くいまの時期は、家の備えを見直すにはちょうどいいタイミングです。
今回取り上げるのは、大阪のLED照明メーカーGOODGOODS(グッド・グッズ)の「モバイルバッテリーソーラーパネルセットCB-150UL18M」です。
太陽の光で電気をつくる折りたたみ式のパネルと、ライト付きのモバイルバッテリーを組み合わせたセット商品です。
先に正直に書いておきます。
この手の商品は、カタログの数字ほど充電できないことも珍しくありません。
だからこそ本記事では、GOODGOODSという会社の素性から、商品の強みと弱み、他社製品との違いまで、遠慮せずに掘り下げます。
冒頭の「手帳」の正体も、読み進めるうちに分かります。


GOODGOODSとは
企業詳細
GOODGOODSの運営元は、大阪府貝塚市に本社を置く株式会社グッド・グッズです。
楽天市場の会社概要では、所在地は大阪府貝塚市麻生中1010-8、代表者は閻化偉氏と記載されています。
企業データベースの掲載情報では、資本金4,000万円、2009年の創業、従業員数13人、貝塚商工会議所に所属とされています。
従業員数は掲載時点の数字のため、現在の規模とは異なる可能性があります。
事業の中身を見てみます。
公式サイトでは、LED照明とリチウムイオンバッテリーの販売、そしてOEM・ODM生産を手がける会社として紹介されています。
OEMは「他社ブランドの商品を受託して製造すること」、ODMは「設計の段階から請け負って製造すること」を指します。
つまり自社ブランドの商品を売るだけでなく、他社向けのものづくりも担ってきた会社です。
沿革をたどると、この会社の歩みがよく分かります。
2009年5月に本社を設立し、同年にアリババ日本版で卸やOEMの受注サイトを開設、12月には上海に支社を置いています。
2011年には楽天市場に出店し、同年8月から大創産業向けのOEM受注を開始、10月には深センに検品センターを兼ねた事務所を開設しています。
2012年にはディズニーランド向けのOEM商品の受注を始め、同じ年にAmazonとYahoo!ショッピングにも店舗を構えました。
百円ショップや大型テーマパークの商品づくりに関わってきた経歴は、小さな会社としては意外な厚みがあります。
ブランドづくりの流れも見ておきます。
2013年9月に【GOODGOODS】を商標登録し、2014年には公式ショップ「GOODTOKU」を開設、同年11月にはLED照明の開発と生産を担う工場を設立しています。
2016年にはLEDブランド【SYOKI】の商標登録を終え、2018年に資本金を4,000万円へ増資、2019年にはシンガポールに子会社を設立しています。
2021年9月には業務拡張のため、本社を現在の貝塚市麻生中へ移しています。
ちなみに、堺の自社商品PRサイトには旧住所の貝塚市澤433-2が掲載されたままで、移転前の記録が残っている形です。
品質管理についても、会社側がはっきり書いている部分があります。
自社ブランドの主力商品にはJANコードを登録し、PSEマークを取得していること、そしてすべての商品を1点ずつ検品してから工場出荷していることが明記されています。
JANコードは商品を識別するためのバーコード番号、PSEマークは電気用品安全法の基準を満たした電気製品に付く表示です。
モバイルバッテリーのような発火リスクのある製品では、PSEマークの有無は最低限の確認ポイントになります。
取り扱う商品の幅は広めです。
LED照明器具や投光器、作業灯、懐中電灯、防災製品、アウトドア用の照明、テント、スマホやタブレットの周辺充電器まで並んでいます。
軸足は一貫して「照明」にあり、そこから電源や防災へ枝を伸ばしてきた会社だと言えます。
防災意識の高まりを受けて、ポータブル電源や防災時に役立つ照明の提案にも力を入れていることを会社自身が打ち出しています。
実際、公式ストアには200W級から1000W級のポータブル電源が並び、本記事の商品に近い構成の「バッテリーライト+18Wソーラーパネル」のセットは税込13,750円で掲載されています。
情報発信の面では、PRTIMESでプレスリリースを配信しており、消費者向け販売、企業向けの卸売、OEMのそれぞれに取り組んでいると説明しています。
一方で、気になる点もあります。
決算などの財務情報は、公開されている範囲では確認できませんでした。
従業員規模から考えると、問い合わせ対応やアフターサポートの厚みは、大手ブランドに及ばない可能性があります。
また、同じバッテリー本体を使った似た構成のセットが、異なる型番で複数売られています。
購入者からすると「どれが自分の買った商品なのか」が分かりにくい点は、改善の余地があると感じました。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★★(4.0)
所在地、代表者名、資本金、創業年が複数の媒体で確認できます。
移転前の住所が一部サイトに残っている点はありますが、会社の実体は十分に追える水準です。
市場での評価実績 ★★★☆(3.5)
2011年から大手モールで販売を続け、百円ショップ大手やテーマパーク向けのOEM実績もあります。
ただし、本商品単体の評価の蓄積は、現時点では判断材料が多くありません。
商品開発の専門性 ★★★☆(3.5)
LED照明を軸に、自社工場の設立や独自ブランドの商標登録まで進めてきた積み重ねがあります。
一方で、バッテリーやソーラー分野の技術的な強みを示す具体的な情報は限られていました。
社会的・文化的な取り組み ★★★(3.0)
防災製品の提案や省エネ照明の推奨など、暮らしの安全に向けた方向性ははっきりしています。
地域の商工会議所への所属も確認できますが、具体的な社会貢献活動の情報は多くありません。
財務情報の開示度 ★★(2.0)
資本金は公開されていますが、売上や決算の情報は確認できませんでした。
非上場の中小企業としては一般的な水準ですが、評価としては控えめにしています。
総合評価 ★★★☆(3.2)
派手さはないものの、15年以上にわたって照明と防災用品を売り続けてきた、足腰のしっかりした中小メーカーという印象です。
大手並みのサポートを期待するより、「実体のある国内の会社から買う」安心感を重視する人に向いたブランドと言えます。
商品紹介「モバイルバッテリーソーラーパネルセットCB-150UL18M」



商品詳細
- 商品の寸法:長さ5cm×幅6cm×高さ10cm
- 付属コンポーネント:ライト本体、Type-C充電ケーブル、取扱説明書、保証書
- 最大電力:18W
- 商品の個数:1
- セット内容:18Wソーラーパネル、モバイルバッテリー
- ソーラーパネル変換効率:23%
- 耐久性能:耐衝撃・防水性能
- デザイン:レザー調(折りたたみ時は手帳やポーチのような外観)
- マグネット:N35マグネット搭載(鉄面に装着可能)
- 重量:265g
- LEDライト:200ルーメン
- ライト点灯時間:最大75時間連続点灯
- バッテリー容量:10050mAh
- 出力ポート:Type-C、USB(同時充電対応)
良い口コミ
「停電したときにライトとスマホの充電が一台で済むので、防災リュックの中身がすっきりしました」
「折りたたむと本当に手帳みたいで、リビングの棚に出しっぱなしでも違和感がありません」
「マグネットで冷蔵庫の横にくっつけておけるので、いざというときにどこにあるか迷いません」
「Type-CとUSBで同時に充電できるから、家族のスマホを2台まとめて充電できて助かりました」
「キャンプの夜にライトとして使ったら、思ったより明るくて手元の作業も困りませんでした」
気になる口コミ
「曇りの日にソーラーで充電してみたら、ほとんど増えなくてがっかりしました」
「付属品の書き方が分かりにくくて、パネルがちゃんと入っているのか箱を開けるまで不安でした」
「防水とあるけど、どこまで濡れて大丈夫なのか具体的な基準が分からないのが心配です」
「レザー調の見た目は好きですが、屋外に何日も置いたら傷んでしまわないか気になります」
「10050mAhだと、家族全員のスマホを何回も充電するには少し物足りなく感じました」
「モバイルバッテリーソーラーパネルセットCB-150UL18M」のポジティブな特色
このセットの一番の価値は、昼と夜で役割を切り替えられることです。
昼はソーラーパネルで光を電気に変え、夜はバッテリーとライトでその電気を使う。
発電、蓄電、照明という三つの仕事を、ひとつのセットで回せます。
停電時に困るのは「スマホの電池」と「暗さ」の二つですが、その両方に同時に手が届く設計です。
ソーラーパネルが別体になっている点も見逃せません。
バッテリーの表面に小さなパネルを貼り付けた一体型と比べると、光を受ける面積に余裕があります。
18Wという最大電力と23%の変換効率は、日光を電気に変える力の目安です。
変換効率とは、パネルに当たった光のうち何割を電気にできるかという数字で、23%は小型の折りたたみパネルとしては十分な水準と言えます。
バッテリー容量の10050mAhは、日常的に持ち歩くモバイルバッテリーとしてはちょうどいい大きさです。
Type-CとUSBの2つの出口から同時に充電できるので、「家族のスマホが同時に残りわずか」という場面でも取り合いになりません。
避難所でコンセントの順番待ちをする時間を想像すると、この同時充電はじわじわ効いてきます。
内蔵のLEDライトは200ルーメンで、最大75時間の連続点灯に対応しています。
最大値をもとに計算すると、毎晩10時間つけっぱなしにしても7晩分に届く数字です。
実際には明るさの設定や使い方で変わりますが、懐中電灯を別に探す手間が一つ減るだけでも、暗闇の中では大きな差になります。
N35マグネットの搭載は、地味ながら使い勝手を底上げしている部分です。
冷蔵庫の側面やスチールラック、車のボディなど、鉄の面にさっと貼り付けられます。
「防災グッズはあるのに、どこにしまったか思い出せない」という失敗を、置き場所を固定することで防げます。
ライトとして使うときも、手で持たずに高い位置から照らせるのは便利です。
レザー調のデザインは、見た目以上に意味があります。
防災グッズは、押し入れの奥にしまい込んだ瞬間から存在を忘れられがちです。
折りたたむと高級手帳やレザーポーチのように見えるこのセットなら、リビングや玄関に出しておいても生活感が出にくい。
普段から目につく場所にあることこそが、いざというときの最大の備えになります。
265gという軽さも、日常使いのハードルを下げてくれます。
缶コーヒー2本分ほどの重さなので、通勤バッグに入れっぱなしにしても苦になりにくい重量です。
「モバイルバッテリーソーラーパネルセットCB-150UL18M」のネガティブな特色
まず理解しておきたいのは、ソーラー充電は天気次第だということです。
18Wはあくまで最大電力で、日差しの強さやパネルの角度、気温によって実際の発電量は大きく下がります。
曇りや雨の日には、ほとんど充電できない場面も覚悟しておく必要があります。
「停電したら太陽があるから大丈夫」と考えるのは危険で、普段から家のコンセントで満充電にしておく運用が前提になります。
次に、提供されている商品情報にはあいまいな部分があります。
付属コンポーネントの欄には「ライト本体、Type-C充電ケーブル、取扱説明書、保証書」とあり、ソーラーパネルの記載がありません。
セット売りと明記されている以上パネルは同梱されていると考えられますが、購入前に販売ページで内容物を確認しておくほうが安心です。
寸法と重量の関係も分かりにくい点です。
長さ5cm×幅6cm×高さ10cmという寸法や265gという重量が、バッテリー単体の数字なのか、パネルを含めたセット全体の数字なのかがはっきりしません。
18Wクラスの折りたたみパネルとバッテリーを合わせて265gというのは、かなり軽すぎる印象を受けます。
防水と耐衝撃についても、等級が示されていません。
「どのくらいの雨まで大丈夫か」「どの高さから落としても平気か」といった基準が読み取れないため、屋外に置きっぱなしにする使い方は避けたほうが無難です。
容量の限界も知っておくべきです。
10050mAhはスマホやタブレットの充電には頼れますが、冷蔵庫や扇風機、電気毛布のような家電を動かす力はありません。
USBで充電できる小さな機器のための電源だと割り切る必要があります。
最後に、ブランドの知名度とサポートの問題があります。
GOODGOODSは実体のある会社ですが、大手ブランドと比べると情報量は多くありません。
故障時の対応や保証の流れを、購入前に一度確認しておくことをおすすめします。


他メーカーの商品との比較
比較の前に押さえたい同社の関連仕様
本製品のバッテリーと仕様がほぼ一致する同社のセット(CB-150UC18W)の販売ページでは、バッテリー本体が約265gで、IP65の生活防水とIK07の耐衝撃に対応し、組み合わせる18Wパネルは約0.6kgで非防水と記載されています。
265gはバッテリー単体の重さである可能性が高いと言えます。
さらに同じページではバッテリーへの充電がType-Cで最大5V/2Aとされる一方、別の販売ページにはPD60W入力の表記もあり、記載が揺れています。
前者が正しければ、18Wパネルの力をバッテリーが受け止めきれない可能性があります。
なお、レザー調のパネルが同じ防水仕様かどうかは確認できませんでした。
AnkerPowerCoreSolar10000との比較
Ankerはバッテリーの表面にパネルを備えた一体型です。
IP64の防塵防水とライト、SOS用の点滅モードを備えますが、太陽光だけでの充電は晴天下14時間で最大50%、満充電には数日かかるとメーカー自身が案内しています。
通常の充電もMicroUSBケーブルが推奨されており、Type-C中心のいまの環境とはやや合いません。
防水等級の明示とブランドの安心感ではAnkerが上です。
一方、発電面積とType-C対応ではCB-150UL18Mが有利で、ソーラーを「本気で使う」ならこちらに分があります。
BigBlue28Wソーラーパネルとの比較
BigBlueの2025年モデルは28W、USB-AとUSB-Cの計3ポートで合計5V/4.8A、変換効率25.4%をうたっています。
レビュー記事では重量約680g、生活防水のIPX4、カラビナ付きとされています。
発電力と防水性能ではBigBlueがはっきり上回ります。
ただしバッテリーは別売りで、夜に電気を使うには自分で組み合わせる必要があります。
同じレビューの筆者も、スマホへの直接充電よりモバイルバッテリーを経由する使い方を勧めています。
最初から蓄電とセットになっている点は、CB-150UL18Mの明確な強みです。
結局どれを選ぶべきか
一式まとめて手軽に備えたいならCB-150UL18Mが向いています。
雨の中でも屋外で発電したい、発電量を最優先したいなら、BigBlueと手持ちのバッテリーの組み合わせが有力です。
ソーラーは保険程度でよく、一体型の手軽さと実績を重視するならAnkerという選び方になります。
まとめ
冒頭の「手帳」の正体は、折りたたんだCB-150UL18Mのソーラーパネルでした。
棚に置けば本のように馴染み、停電の夜には昼に集めた光を明かりと電気に変えてくれる。
GOODGOODSのこのセットは、そんな二つの顔を持っています。
天気に左右される弱点も、表記のあいまいさもあります。
それでも、「普段から目につく場所に置ける防災用品」という発想には、素直にうなずかされました。
台風の季節はまだ続きます。
まずは今日、家の中で一番日当たりのいい窓を一か所だけ決めておいてください。
それだけで、もしものときの動きが一つ、確実に早くなります。




