高い椅子を買っても疲れが消えない人は足元を見落としています
はじめに
夕方になると、朝は緩かった靴がきつく感じる。
気づけば足を組んでいたり、椅子の脚にかかとを引っかけていたりする。
デスクワークをする人なら、どちらか一つは覚えがあるはずです。
在宅勤務と出社を組み合わせる働き方が当たり前になり、自宅の作業環境にお金をかける人が増えました。
背もたれが体に合わせて動く椅子、電動で上下する机。
道具は確実に進化しています。
それでも「なぜか疲れる」という声がなくならないのは、体を支える土台である足の置き場所が後回しにされているからではないでしょうか。
日本はもともと畳に座る文化の国で、椅子の生活が家庭に広がってから、まだそれほど長い時間は経っていません。
床から浮いたまま宙ぶらりんになった足は、太ももの裏を座面に押しつけ、じわじわと血の巡りを悪くします。
高い椅子を買っても、ここは解決しません。
そこで注目したいのが、電動で体に合わせて動くワークチェアで一気に名を上げたLiberNovo(リベルノヴォ)です。
このブランドが椅子の相棒として用意したのが「LiberNovoフットレストStepSync」です。
足を置くだけの台に、なぜ椅子メーカーがこだわったのか。
会社の成り立ちから商品の実力、他社製品との違いまで、良い点も気になる点も隠さずにお伝えします。


LiberNovoとは
企業詳細
LiberNovoは、創業からわずか数年で世界のワークチェア市場に割って入った、かなり若いブランドです。
創業は2023年で、主力のチェア「Omni」は約2年の研究開発を経て生まれ、2025年に北米最大級のオフィス家具見本市NeoCon(ネオコン)でデビューしています。
ブランド名にも意味があります。
ラテン語で自由を表す「Liber」と、革新を表す「Novo」を組み合わせた名前で、革新的な設計で体を自由にするという使命を込めているとされます。
創業のきっかけと創業者をめぐる情報
創業の物語は、腰痛から始まります。
公式サイトによると、創業者は長時間のデスクワークによる慢性的な腰痛に悩み、専門家を集めて「自然に動く椅子」を作ろうとしたことがブランドの出発点です。
ただし、創業者に関する情報には揺れがあります。
英語版公式サイトでは創業者を「Yanle」氏とし、ロボット掃除機メーカーNarwal(ナーワル)での経歴を紹介しています。
一方で、企業データベースのDealroomなどでは創業者を「Alex」氏とし、ドローン大手DJIとNarwalでの経験を持つ人物として紹介しています。
さらに日本向けのプレスリリースでは、CEOとして王振旭氏の名前が記載されています。
英語名と本名の違いなのか、創業者とCEOが別人なのか、今回のリサーチでは確認できませんでした。
ここは断定せず、情報が一本化されていない点として受け止めておくのが妥当です。
運営会社と拠点
日本国内でのプレスリリースの発信元はLIBERNOVOHKCO.,LIMITEDで、本社は香港と記載されています。
また、Dealroomには、深圳の「QingxianIntelligentInnovation(Shenzhen)Co.,Ltd.」が親会社とみられる、という記載もあります。
ただし表現は「とみられる」にとどまっており、公式に資本関係が示された情報ではありません。
日本向けには専用の公式サイトがあり、特定商取引法に基づく表記、保証・返品・交換ポリシー、日本向けの問い合わせ窓口(japan_service@libernovo.com)が用意されています。
越境ブランドの中には、日本語の窓口がないまま販売しているところも少なくありません。
その点で、LiberNovoは日本市場に腰を据える姿勢を見せています。
技術者集団としての背景
日本での紹介文では、元世界大手ロボットメーカーの技術者集団が2023年に設立し、男女150人以上の背骨データを2年間追跡しながら電動ワークチェアを開発したと説明されています。
家電メディアの記事でも、ドローンやカメラ、ロボット掃除機の開発に携わってきたエンジニアが立ち上げた企業として紹介されています。
家具メーカーではなく、機械やロボットの技術者が椅子を作った。
この出自が、「動く椅子」という発想につながっています。
クラウドファンディングでの実績
LiberNovoの名を一気に広めたのが、クラウドファンディングです。
米国のKickstarter(キックスターター)では、2025年のキャンペーンで1万1,500人以上から1,000万ドル超を集め、エルゴノミックチェアのプロジェクトとして同サイト史上最高額になったとされています。
なお、この数字はスポンサー記事内の記載です。
集計時期によって「8,000人以上から770万ドル超」とする資料もあり、数字は時期とともに更新されてきたと考えられます。
日本では、応援購入サイトのMakuake(マクアケ)で先行販売が行われました。
期間は2025年10月14日から12月16日まででした。
公開から25時間未満で1億円を突破し、同サイトの家電カテゴリーで歴代最速を記録したと発表しています(2025年10月21日時点、自社調べ)。
最終的には約5,000人から4億6,000万円以上を集めて終了しています。
受賞歴と認証
デザイン面の評価も積み上がっています。
Omniは、RedDot(レッドドット)デザイン賞2026とiFDESIGNAWARD2026の両方を受賞しています。
日本の公式サイトでは、室内の化学物質の放散量に関する認証であるGREENGUARDGold(グリーンガード・ゴールド)の取得も案内されています。
NeoCon2025やCES2026といった大型展示会にも出展しています。
日本での展開と製品ラインアップ
日本では、オンライン販売だけでなく実物を試せる場所も作っています。
2025年11月からは、二子玉川蔦屋家電の1階にあるショールーム「蔦屋家電+」で試座できる展示が始まりました。
2026年5月には渋谷で発表会を開き、フラッグシップの「OmniPro」、電動機能を省いた「OmniSE」、大柄な体格向けの「Maxis-Airflow」を発表しています。
今回紹介するフットレストが外観を合わせている「OmniPro」は、5層構造の座面クッションに吸気式の電動ファンを内蔵し、蒸れを防ぐ「AirFlowモード」が特徴です。
背もたれのリクライニングは105°〜160°の5段階です。
チェア以外にも、StepSyncフットレスト、Omni専用バッテリー、冷却シートパッド、3DAirアイマスク、ナップブランケットなどのアクセサリーを展開しています。
椅子を中心に、休憩まで含めた「座る時間」全体を商品にしようとしているのが見て取れます。
リサーチから見えた注意点
勢いのあるブランドですが、手放しでは褒められない部分もあります。
創業は2023年と新しく、耐久性についての長期的な実績はまだ積み上がっていません。
先に触れたとおり、創業者名や親会社に関する情報は資料によって異なります。
非上場企業のため、売上などの財務情報も公開されていません。
クラウドファンディングの成功は「期待の大きさ」を示すものであり、「数年使った後の品質」を保証するものではない、という点は冷静に見ておく必要があります。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★★(3.0)
日本向けに特定商取引法の表記や専用窓口があり、プレスリリースの発信元も明記されています。
一方で創業者名や親会社の情報が資料によって異なるため、満点には届きません。
市場での評価実績 ★★★★☆(4.5)
KickstarterとMakuakeの両方で、椅子のカテゴリーとして記録的な支援を集めています。
RedDot、iFという世界的なデザイン賞の同時受賞も、評価の裏付けになっています。
商品開発の専門性 ★★★★(4.0)
ロボットや家電の技術者が中心となり、150人以上の背骨データをもとに開発したと説明されています。
新興ブランドとしては、開発の筋道がはっきりしています。
社会的・文化的な取り組み ★★★(3.0)
GREENGUARDGoldの取得や、蔦屋家電+での試座展示など、ユーザーとの接点づくりには熱心です。
ただし社会貢献活動などは、今回のリサーチでは目立った情報を確認できませんでした。
財務情報の開示度 ★★(2.0)
非上場企業のため、売上や利益などの財務情報は公開されていません。
クラウドファンディングの調達額以外に、経営の健全性を外から判断する材料が少ない状況です。
総合評価 ★★★☆(3.5)
実績と勢いは本物で、日本市場への向き合い方にも誠実さが見えます。
創業者情報の一本化と、長期的な耐久性の実績が積み上がれば、さらに評価を上げられるブランドです。
商品紹介「LiberNovoフットレストStepSync」



商品詳細
- 材質:GabrielAtlanticファブリック、プラスチック、ポリウレタン(PU)
- 色:グラファイトブラック
- 商品の寸法:42.3長さ×42.3幅×12高さcm
- ブランド:LiberNovo
- サイズ:OmniPro適用
- 傾斜:約10°のエルゴノミック傾斜設計
- 高さ:約7cmと約12cmの2段階
- 対応デスク環境:約75cmの固定式デスク
- 身長の目安:約153〜190cm
- 張地:OmniProのグラファイトブラックに調和するGabrielAtlanticファブリック
- クッション:厚さ約20mmの発泡クッション
- ベース:堅牢で弾力性のあるベース
- 組み合わせ:LiberNovoチェアの最大160°リクライニングと組み合わせ可能
- 販売形態:フットレスト単品
- 互換性:すべてのLiberNovoチェアで使用可能
- 製品重量:約2kg
良い口コミ
「つま先立ちのように浮いていた足がしっかり着地して、太ももの裏の圧迫感が減りました。」
「約10°の傾斜が絶妙で、足首が無理なく曲がります。平らな台より足を置いたときの収まりが良いです。」
「表面がファブリックでクッションもあるので、冬に素足で乗せてもひやっとしません。」
「OmniProと色味がそろっていて、デスクの下まで統一感が出ました。見えない場所ですが、気分が上がります。」
「リクライニングを倒して休憩するとき、足を伸ばしたまま乗せられるのが楽です。昼休みの仮眠にも使っています。」
気になる口コミ
「高さが2段階しかないので、自分の体にぴったり合わせたい人には物足りないかもしれません。」
「角度が固定なので、足首を動かしたり、もっと寝かせたりはできません。」
「うちのデスクは75cmより低いので、12cmにすると膝が天板に近くなり窮屈でした。」
「フットレストとしては安くない価格なので、LiberNovoの椅子を持っていない人には勧めにくいです。」
「布張りなので、汚れたときの手入れ方法が少し気になります。」
「LiberNovoフットレストStepSync」のポジティブな特色
一番の強みは、「迷わせない設計」にあります。
高さは約7cmと約12cmの2段階、傾斜は約10°で固定です。
調整機能が少ないのは弱点に見えますが、裏を返せば、買ったその日から正解に近い位置に足を置けるということです。
細かく調整できるフットレストは、設定に悩んだ末に結局使わなくなることもあります。
StepSyncは、約75cmのデスクと身長約153〜190cmという目安を示すことで、使う人が考える手間を減らしています。
次に、足裏の感触です。
厚さ約20mmの発泡クッションを、GabrielAtlanticファブリックが包んでいます。
プラスチックや金属がむき出しの台と違い、靴下や素足でも当たりがやわらかく感じられる構造です。
在宅勤務でスリッパを脱いで作業する人にとって、足裏に触れる素材の質は想像以上に快適さを左右します。
そして、この商品ならではの価値が椅子との連動です。
LiberNovoのチェアは最大160°までリクライニングします。
背もたれを倒したとき、足の置き場がなければ体は中途半端な角度で止まってしまいます。
StepSyncを置いておけば、作業から休憩まで椅子から立たずに姿勢を切り替えられます。
冒頭で「高い椅子を買っても疲れが消えない人は、足元を見落としている」と書きました。
その答えがここにあります。
椅子が背中を支え、フットレストが足を支えて、はじめて「座る」という姿勢が完成するのです。
最後に、長く使える安心感です。
メーカー保証は5年間で、すべてのLiberNovoチェアで使えます。
将来OmniSEやMaxisシリーズに買い替えても、フットレストはそのまま使い続けられます。
「LiberNovoフットレストStepSync」のネガティブな特色
まず、調整の自由度は低めです。
高さは2段階のみ、角度は約10°で固定のため、微調整したい人には物足りません。
実際に公式ストアのレビューにも、足置き部分の高さ調整がほしかったという声や、パーツ同士のはまり具合がしっくりこないという声が見られます。
次に、デスクの高さとの相性です。
StepSyncは約75cmの固定式デスクを想定しています。
しかし日本では、市販のデスクの多くは高さ700mm前後だという指摘もあります。
机が低めの環境で約12cmを選ぶと、膝と天板の距離が近くなる可能性があります。
購入前に、自宅の机の高さを測っておくと安心です。
そして価格です。
StepSyncの販売価格は時期や販路によって変わるため、ここでは断定しません。
ただ、公式ストアにはプラスチックとスポンジクッションの組み合わせで2万円弱なら高すぎる、と感じたという声があります。
足を置く台と割り切るなら、より安い選択肢はいくらでもあります。
StepSyncの価値は、LiberNovoチェアとの組み合わせで最大になる商品と言えます。
また、布張りの手入れ方法は提供情報に記載がないため、汚れが気になる人は購入前に確認しておくのがおすすめです。


他メーカーの商品との比較
【比較の前提】
StepSyncは、高さ約7cmと約12cmの2段階、傾斜約10°固定、クッション付きの布張りフットレストです。
ここでは、定番のフットレストを出している2社と比べます。
Humanscale「FM300」との比較
米国のエルゴノミクス製品メーカーHumanscale(ヒューマンスケール)の「FM300」は、足を揺らして動かせるフットレストです。
無垢材の天板とスチールフレームで作られ、高さは3.75〜6.75インチ(約9.5〜17.1cm)の範囲で調整できます。
ボールベアリングのローラーで、ロッキングチェアのように足を前後に揺らせる構造です。
FM300が優れているのは、高さの調整幅と「動かせる」点です。
一方でStepSyncは、クッションとファブリックによる足当たりの柔らかさで勝ります。
木の天板に素足を乗せる感覚と、布とクッションに足を預ける感覚は、かなり違います。
サンワサプライ「MR-FR5」との比較
国内メーカーのサンワサプライ「MR-FR5」は、高さ9/12/15cmの3段階に加え、高さ15cm時に最大60度まで角度を調整でき、発表時の価格は8,228円でした。
調整幅と価格では、MR-FR5が明らかに有利です。
StepSyncが勝るのは、クッション性、見た目の統一感、そして5年間のメーカー保証です。
また、StepSyncの最低高さ約7cmはMR-FR5の最低9cmより低く、低めの足元を求める人には合わせやすくなっています。
サンワサプライ「MR-FR1」との比較
同じくサンワサプライの「MR-FR1」は、幅500×奥行357×高さ97mm(水平時)の大きめの足置きで、角度と高さを調整できます。
2024年時点で3,000円前後で販売されていたというレビューもあります。
とにかく安く足置きを導入したいなら、こちらが現実的です。
比較のまとめ
調整の自由度と価格を重視するなら、サンワサプライ製品に軍配が上がります。
足を動かしながら使いたいなら、HumanscaleFM300が有力です。
StepSyncが選ばれる理由は、LiberNovoチェアとの連動、クッションの柔らかさ、見た目の統一感、そして5年保証です。
LiberNovoの椅子を使っていない人にとっては、割高に感じる可能性が高い商品です。
まとめ
椅子は背中を支える道具で、フットレストは足を支える道具です。
片方だけでは、体を半分しか支えられません。
LiberNovoは創業から数年で世界的な評価を集めた勢いのあるブランドで、その椅子の相棒として作られたのが「LiberNovoフットレストStepSync」です。
調整幅や価格では他社に譲る部分もあります。
それでも、LiberNovoチェアを使っている人なら、足元までそろえたときの一体感は一度味わう価値があります。
今日できる小さな一歩として、椅子に座ったまま、太ももの裏と座面の間に手のひらを差し込んでみてください。
ぎゅっと挟まれて抜きにくいなら、それは足元が助けを求めているサインです。




