この目覚まし時計の本当の出番は朝ではありません
はじめに
11月に入り、カーテンの向こうがまだ暗いうちに目覚ましが鳴る季節になりました。
東京の日の出は、もう6時を回っています。
暗い部屋で、けたたましいベルに叩き起こされる。
そんな朝は、目は開いても頭だけ布団に置いてきたような気分になります。
「早起きは三文の徳」と言いますが、起き方が雑だと三文どころか一日分の機嫌を失いかねません。
そこで注目されているのが、光で少しずつ部屋を明るくして目覚めを促す「光目覚まし時計」です。
今回取り上げるのは、RETEYUNG(レテユン)というブランドの「RETEYUNG光目覚まし時計AJ320A」です。
月の形をしたランプに、アラームが2つ、10種類の自然音、色が変わるライトまで詰め込まれています。
正直なところ、最初は「機能を盛りすぎた安価なガジェットでは」と疑っていました。
ところが調べていくうちに、この時計の価値は朝の目覚めそのものより、夜の過ごし方とつながっていると分かってきました。
冒頭の一文はその意味です。
この記事では、RETEYUNGがどんな企業なのかを、分かったことと分からなかったことに分けて整理します。
あわせて、AJ320Aの機能や使い勝手、他メーカーの光目覚まし時計との違いまで、遠慮なく掘り下げます。


RETEYUNGとは
企業詳細
Amazonで「光目覚まし」と検索すると、聞き慣れない英字ブランドがずらりと並びます。
RETEYUNGもそのひとつです。
結論を先にお伝えすると、日本語で読める公式の企業情報はほとんど見つかりませんでした。
ただ、手がかりがまったくないわけではありません。
公的な記録から確認できたことを、ひとつずつ並べていきます。
商標の持ち主ははっきりしています
いちばん確かな手がかりは、米国特許商標庁の商標記録です。
RETEYUNGの商標は、HuizhouRuitianyangTechnologyCo.,Ltd.(英語表記の社名)という広東省の企業が保有しており、2023年5月18日に出願され、2024年9月24日に登録番号7517792として登録されています。
区分は第9類です。
第9類は、電子機器や計測機器などをまとめて扱う区分です。
時計とライトとスピーカーを一体にしたAJ320Aは、まさに電子機器の側面が強い商品で、この区分とは矛盾しません。
社名にあるHuizhouは、広東省の恵州市を指すと考えられます。
恵州は電子機器や照明の工場が多く集まる工業都市として知られています。
LEDの照明製品を作る企業が周辺に多い土地柄なので、光目覚まし時計のような商品が生まれる背景としては自然です。
ただし、この企業の工場の規模、従業員数、設立年といった詳しい情報は、今回のリサーチでは確認できませんでした。
社名の漢字表記についても、公的な資料で裏づけが取れなかったため、ここでは推測を書かないことにします。
商標の数から見える会社の姿
同じ記録によると、この企業が保有する商標は合計2件です。
何十ものブランドを抱える大手の輸出企業とは違い、取り扱いを絞った小規模な事業者である可能性が高いと読めます。
小さな会社だから悪い、というわけではありません。
むしろ商品数が少ないほど、ひとつの商品に改良を重ねやすいという見方もできます。
一方で、窓口やサポート体制が見えにくいという弱点は、正直に指摘しておく必要があります。
主力商品はこの月型の目覚まし時計
海外の通販サイトに転載されたAmazon海外版の商品情報を見ると、AJ320Aの位置づけが見えてきます。
ブランドとメーカーの欄はどちらもRETEYUNGで、ASINはB0DCP9DB5G、取り扱い開始日は2024年8月9日と記載されています。
商標登録の時期とほぼ重なるので、ブランドの立ち上げとこの商品の発売は一体だったと考えられます。
注目したいのは、海外での評価の数字です。
Amazon海外版の転載情報では、5点満点中4.3点、レビュー数は1,496件で、目覚まし時計カテゴリーで104位とされています。
時期によって数字が変わっており、別の時点では1,244件のレビューで、目覚まし時計カテゴリー80位という記録も残っています。
レビュー数が着実に増えていることから、一定の期間、継続して売れ続けている商品だと判断できます。
ただし、これは海外での数字です。
日本のAmazonで同じ評価がついているかどうかは、ここでは確認できていません。
海外版と日本向けの説明には違いがある
調べていて引っかかった点もあります。
海外版の説明では、10分間の日の出ライトに加えて、15種類の着信音、10種類の自然音、30分・60分・90分のスリープタイマーを備え、USB-Cアダプターで給電するとされています。
日本向けの商品説明には、着信音の数やタイマーの時間設定ははっきり書かれていません。
さらに、日本向けの仕様ではスタイルが「レトロ」、仕上げが「マット」です。
海外版ではスタイルがModern(モダン)、仕上げがPolished(光沢)となっています。
同じ型番でも、販売する国によって表記や付属品が違う可能性があります。
購入前に、日本のページの説明をよく確認することをおすすめします。
保証期間は短め
もうひとつ見逃せないのが保証です。
海外版の情報では、メーカー保証は3か月と記載されています。
大手メーカーの家電では1年保証が一般的なので、これはかなり短い部類に入ります。
日本で購入した場合の保証条件は、商品ページや同梱の保証書で確認してください。
分かったこと・分からなかったこと
ここまでの内容を整理します。
分かったことは、商標の保有企業、その所在地が広東省であること、保有商標が2件と少ないこと、そしてAJ320Aが海外で1,000件を超えるレビューを集めていることです。
分からなかったことは、公式サイトの有無、日本国内の販売代理店や問い合わせ窓口、企業の設立年や規模、財務情報です。
「正体不明の怪しいブランド」と言い切るほど情報がないわけではありません。
かといって「安心して任せられる企業」と言えるほどの材料もそろっていません。
いわば、商品の実績が企業の顔の代わりになっているブランドです。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
運営体制の明確さ ★★(2.0)
商標の保有企業名と所在地は公的な記録で確認できました。
一方で、公式サイトや日本国内の窓口が見当たらず、問い合わせ先が見えにくい点が減点の理由です。
市場での評価実績 ★★★★(4.0)
海外のAmazonで1,000件を超えるレビューを集め、平均4.3点を維持しています。
ランキングでも目覚まし時計カテゴリーで100位前後に入っており、実際に使った人の声に支えられたブランドだと言えます。
商品開発の専門性 ★★★(3.0)
アラーム、光、自然音、ランプを1台にまとめる設計力は評価できます。
ただ、光の明るさ(ルクス値)など、効果を裏づける数値が公開されていないため、専門性は中くらいにとどめました。
社会的・文化的な取り組み ★★(2.0)
環境への配慮や社会貢献といった活動の情報は見つかりませんでした。
小規模な事業者では珍しくないことなので、最低評価にはしていません。
財務情報の開示度 ★★(2.0)
売上や資本金などの財務情報は確認できませんでした。
上場企業ではないと考えられるため、開示がないこと自体は不自然ではありません。
総合評価 ★★☆(2.6)
企業としての顔はまだはっきりしませんが、商品そのものは多くの購入者に受け入れられています。
保証期間の短さを理解したうえで、「商品の実績を買う」という感覚で選ぶのが現実的なブランドです。
商品紹介「RETEYUNG光目覚まし時計AJ320A」



商品詳細
- スタイル:レトロ
- 仕上げタイプ:マット
- ベース材質:プラスチック
- 電球ベース:B22D
- 商品の寸法:16.5奥行き×11幅×15.5高さcm
- 商品の重量:439グラム
- アラーム:2つのモード(1つ目は朝の目覚まし、2つ目は午後のアフタヌーンティーの時間を知らせる用途)
- スヌーズ機能:ボタンを押すと10分後にアラームが再び鳴る
- 光目覚まし:アラーム1が日の出の光を模倣し、ベルが鳴る10分前から徐々に明るくなる
- 電源:電源コードを使用した接続電源での利用が必要(充電式ではない)
- 照明モード:3段階の調光機能、呼吸ライト、8つのRGBカラーライトモード
- 自然サウンド:鳥のさえずり、流水、夏の夜、雨、オクターブボックス、カチカチ音など10種類
- タイマー:自然音のカウントダウンタイマー
- 主な用途:目覚まし時計、目覚ましライト、ベッドサイドランプ、ネイチャーサウンド、RGBライト
- パッケージ内容:目覚まし時計ライト×1、電源コード×1、アダプター×1、クイックスタートガイド×1、日本語取扱説明書×1
良い口コミ
「アラームの音がどれも穏やかで、心臓に悪いベルで飛び起きる朝から卒業できました。」
「説明書を一度読めば操作はかんたんで、設定に迷ったのは最初の日だけでした。」
「寝る前に雨の音を流しながら月のライトを眺めていると、スマホを触る時間が自然と減りました。」
「月の色を気分で変えられるのが楽しくて、寝室がちょっとしたリラックス空間になりました。」
「午後のアラームを休憩の合図にしているので、在宅勤務で働きすぎることがなくなりました。」
気になる口コミ
「充電式ではないので、コンセントの位置によっては置きたい場所に置けませんでした。」
「日の出の光がアラーム1にしか使えず、午後の昼寝では光で起こしてもらえないのが残念です。」
「明るさが3段階しかなく、真ん中がもう少し細かく選べたらうれしいです。」
「光が明るくなり始めるのがベルの10分前なので、もっとゆっくり明るくなってほしいと感じました。」
「機能が多いぶん、ボタンの組み合わせを覚えるまでは説明書が手放せませんでした。」
「RETEYUNG光目覚まし時計AJ320A」のポジティブな特色
この時計のいちばんの強みは、朝だけでなく夜と午後までカバーできることです。
光目覚まし時計というと「朝に光で起こしてくれる機械」と考えがちです。
でも、朝のすっきりした目覚めは、前の晩の眠り方にかなり左右されます。
AJ320Aは、その夜の時間をきちんと受け持てる作りになっています。
冒頭で「本当の出番は朝ではない」と書いたのは、この点のことです。
夜は「スマホの代わり」になる
寝る前に布団の中でSNSを眺め、気づけば日付が変わっていた。
そんな経験に、思い当たる人は多いはずです。
AJ320Aには、鳥のさえずりや雨、流水など10種類の自然音と、カウントダウンタイマーがついています。
雨音をタイマーで流し、月のライトを一番暗い明るさにしてスマホは手の届かない場所に置く。
それだけで、寝室が「眠るための部屋」に戻ります。
タイマーで音が自動で止まるので、眠りかけたところで手を伸ばしてスイッチを切る必要もありません。
朝は「音より先に光」が来る
アラーム1を設定すると、ベルが鳴る10分前から部屋がじわじわと明るくなります。
暗闇でいきなり大きな音に起こされるのと、薄明るい中で音を聞くのとでは、体の受け止め方がまったく違います。
カーテンを開けておいても外がまだ暗い冬の朝ほど、この10分間の光はありがたく感じるはずです。
スヌーズは10分間隔なので、「あと少しだけ」を一度許しても、大きく寝過ごす心配はありません。
午後は「休憩の合図」になる
もう一つ見落とされがちなのが、2つ目のアラームです。
商品説明では、午後のアフタヌーンティーの時間を知らせる用途がうたわれています。
これを在宅勤務の休憩の合図や、子どもの昼寝の終わりの時間に使うと、とても便利です。
スマホのアラームと違って通知に紛れないので、「鳴ったら一息つく」という習慣を作りやすくなります。
部屋の雰囲気まで変えられる
3段階の調光、ゆっくり明るさが変わる呼吸ライト、8つのRGBカラーモードを備えています。
温かい電球色で読書灯として使うこともできますし、友人が来た夜にはカラフルな間接照明として場を盛り上げることもできます。
レトロでマットな月の見た目は、家電らしさが少なく、インテリアの小物として置いても浮きません。
ギフトにしやすい
目覚まし時計、ライト、自然音を1台で楽しめるので、相手の好みが分からなくても外しにくい贈り物です。
日本語の取扱説明書が同梱されているのも、贈る側としては安心できるポイントです。
新生活の準備や、冬の朝が苦手な家族へのちょっとした贈り物にも向いています。
「RETEYUNG光目覚まし時計AJ320A」のネガティブな特色
良い面だけを並べるのはフェアではないので、気になる点もはっきり書きます。
電源コードが必須で、置き場所が限られる
AJ320Aは充電式ではありません。
コンセントから離れたベッドの反対側や、窓際の棚に置きたい場合は、延長コードが必要になることがあります。
停電したときや、コードが抜けたときにアラームがどうなるかについては、提供されている説明からは読み取れません。
大切な予定がある朝は、スマホのアラームも併用しておくと安心です。
光で起こしてくれるのはアラーム1だけ
日の出のように明るくなる機能は、アラーム1に限られます。
アラーム2は音だけなので、昼寝のときに「光で優しく起こしてほしい」という使い方はできません。
2つのアラームが同じ機能だと期待していると、少し肩透かしを食うかもしれません。
光の強さが数値で示されていない
光目覚まし時計で一番気になるのは、「どれくらいの明るさで起こしてくれるのか」という点です。
ところが、AJ320Aの商品説明には、明るさを示すルクス値が書かれていません。
調光も3段階なので、「最大でどれくらい明るいのか」「細かい調整ができるのか」という点では、光にこだわる人には物足りなさが残ります。
光だけで起きることを目指すよりも、光と音を組み合わせて起きるための時計と考えたほうが、期待とのずれは小さくなります。
明るくなり始めるのは10分前から
光が明るくなり始めるのは、ベルが鳴る10分前です。
後で紹介する他メーカーの製品には、30分かけて明るくなるものもあります。
ゆっくり時間をかけて体を起こしたい人にとっては、10分は少し急ぎ足に感じられるかもしれません。
仕様の表記にあいまいな点がある
電球の口金規格を示す「電球ベース:B22D」という項目が記載されています。
しかし、本体にLEDが組み込まれた目覚まし時計で、電球を交換して使うとは考えにくい作りです。
出品フォームの項目がそのまま入った可能性もあるので、この項目は気にしすぎないほうがよさそうです。
また、企業情報の項目でも触れたとおり、海外版とは仕上げやスタイルの表記が違います。
届いた商品の見た目が写真とまったく同じかどうかは、日本の商品ページの画像で確認しておくのが確実です。


他メーカーの商品との比較
大手メーカーの定番「フィリップスウェイクアップライトHF3506」との比較
光目覚まし時計の代名詞とも言えるのが、フィリップスのWake-upLight(ウェイクアップライト)です。
HF3506は明るさ200ルクスの黄色い光を使い、スヌーズは9分間隔、消費電力は7.5Wの製品です。
設定時刻に向けておよそ30分かけて部屋を200ルクスまで明るくし、明るさは10段階で選べるとされています。
光の明るくなり方と細かい調整のしやすさでは、フィリップスがはっきり上です。
一方で、アラームは1つだけで、アラーム音は2種類にとどまります。
アラームの数、自然音の種類、カラーライトといった多機能さでは、AJ320Aに分があります。
光の強さで勝負する「inti4s」との比較
日本で知名度が高いのが、moonmoonの「inti4s(インティフォーエス)」です。
セットした時間の少し前から明るくなり、最大20,000ルクスの明るさを出す手のひらサイズの光目覚まし時計として紹介されています。
20,000ルクスという数字が本当であれば、光の強さではAJ320Aとは比べものにならないレベルです。
光だけで起きる習慣を本気で身につけたい人にとっては、inti4sのほうが目的に合っています。
ただし、inti4sは光と起床に特化した製品です。
夜の自然音やカラフルな間接照明といった楽しみ方は、AJ320Aならではの持ち味です。
同じ多機能タイプ「GEEYIM」の光目覚まし時計との比較
AJ320Aと同じく、RGBライトと自然音を備えた多機能タイプも比べてみます。
GEEYIMの光目覚まし時計は、Bluetoothでの音楽再生、日の出と日没のシミュレーション、8種類の自然音、20段階の明るさ調整、16段階の音量調節、FMラジオを備えていると紹介されています。
明るさを20段階で選べる点、寝る前に少しずつ暗くなる日没シミュレーション、スマホの音楽を流せる点では、GEEYIMのほうが機能が多くなっています。
自然音の数はAJ320Aが10種類で、わずかに上回ります。
AJ320Aを選ぶ理由は、月の形をしたインテリア性の高さと、操作の分かりやすさになりそうです。
比較から見えるAJ320Aの立ち位置
ここまでの比較をまとめると、AJ320Aは「光の性能で勝負する時計」ではありません。
光の強さではinti4s、明るくなり方の丁寧さではフィリップス、機能の多さではGEEYIMのような多機能タイプに、それぞれ負けています。
それでも、朝の目覚まし、午後の合図、夜の自然音と間接照明を、月の形のランプ1台にまとめた点は他にない個性です。
光の数値を重視する人や、光だけで起きたい人には向きません。
寝室の雰囲気を整えながら、穏やかな朝と夜を手に入れたい人に向いています。
まとめ
「RETEYUNG光目覚まし時計AJ320A」は、朝に強い光で起こしてくれる専用機ではありません。
その代わりに、夜の時間をまるごと預けられる道具です。
雨の音を流し、月のライトを落として、スマホを手放す。
その静かな夜が、翌朝の目覚めを変えていきます。
ブランドとしてのRETEYUNGは、まだ企業の顔がはっきりしない存在です。
それでも、海外で千件を超える声に支えられてきた実績は無視できません。
日の出がどんどん遅くなるこの季節に、まずは今夜、スマホを枕元から一歩遠ざけてみてください。
それが、気持ちのいい朝への最初の一歩になります。




