はじめに:Amazonで見つけた謎ブランド「IWASHN」との出会い
あなたも同じ経験があるのではないでしょうか。Amazonでキャンプ用品を探していて、突然見慣れないブランド名に出会った時の戸惑いを。今回主役となるのは、IWASHN(イワシン)という扇風機ブランドです。価格は手頃でありながら、20000mAhの大容量バッテリーを搭載し、まるで小さな発電所のような頼もしさを謳っています。でも、正直なところ「このブランド、聞いたことないけど大丈夫?」という不安が頭をよぎりませんか。
2025年の夏も記録的な猛暑となり、キャンプ場でも熱中症対策が欠かせない時代になりました。特に今年は、キャンプブームが落ち着きを見せる中で、本当にキャンプを楽しむ人たちが残り、より質の高い道具を求める傾向が強まっています。そんな中、amazonの商品ページには「株式会社岩本SHN」という販売元が記載されているものの、肝心のIWASHNというブランドについては謎だらけ。まるで霧に包まれた山道を歩いているような気分になります。
本当にこの扇風機は期待通りの性能を発揮してくれるのでしょうか。それとも、安かろう悪かろうの典型例なのでしょうか。今回は、そんなモヤモヤを一掃すべく、IWASHNブランドの正体から製品の実力まで、包み隠さず調査していきます。購入を検討されている方はもちろん、似たような謎ブランドで悩んでいる方にとっても、きっと参考になる内容をお届けします。


IWASHNブランドの正体:一体何者なのか?
IWASHN(イワシン)というブランドは、製品の販売元である「株式会社岩本SHN」に由来していると考えられます。この株式会社岩本SHNは、2022年2月に設立された新しい会社で、東京都大田区に拠点を置いています。法人番号は5010801032698です。Amazonの出品者情報によると、運営責任者名はYANSHAN LI氏となっており、社名と合わせて考えると、中国で製造された製品を日本の法人を通じて販売している、近年Amazonでよく見られるビジネスモデルの一つと推測されます。
IWASHNブランドとしての公式ウェブサイトは見当たらず、主にAmazonや楽天市場などのECモールを主戦場として製品を展開しているようです。企業としての歴史は浅いですが、Amazonの出品者レビューでは過去12ヶ月で78件の評価があり、そのうち88%が肯定的と、一定数の販売実績は積んでいることがうかがえます。
まとめると、IWASHNはメーカーそのものではなく、株式会社岩本SHNが展開するプライベートブランドという位置づけになります。製品の企画や製造は中国の工場で行われ、日本の法律に準拠した形で株式会社岩本SHNが販売と(建前上の)顧客対応を行っているという構図です。
★当ブログのオリジナル企業信頼度評価(5つ星評価)
- 情報透明性:★★☆☆☆ (2.0/5.0)
- 公式サイトがなく、企業情報がECサイトの出品者情報に限られるため、透明性は高いとは言えません。どのような理念で製品を扱っているのか、企業の「顔」が見えにくい点はマイナスポイントです。
- 企業実績:★★☆☆☆ (2.0/5.0)
- 2022年設立と非常に若い企業であり、長期的な信頼性を判断するには時期尚早です。現時点での評価は星2つが妥当と判断しました。
- カスタマーサポート:★★★☆☆ (3.0/5.0)
- Amazonの返品・交換ポリシーという強力なセーフティネットがある点を評価し、星3つとしました。ただし、一部の口コミでは「電話に出ない」との指摘もあり、販売者独自のサポート体制には若干の不安が残ります。
- 製品販売実績:★★★☆☆ (3.0/5.0)
- Amazonでの販売実績や肯定的なレビューが一定数存在することから、多くのユーザーに製品が届き、機能している事実は評価できます。全くの無名ブランドとは一線を画すため、星3つとしました。
- 総合評価:★★★☆☆ (2.5/5.0)
- 総合的に判断すると、星2.5、甘めの評価で星3つといったところです。「怪しいブランド」と一蹴するには惜しい一定の実績はありますが、大手メーカーのような安心感を求めるのは難しい、というのが正直な評価です。
商品紹介:IWASHN F21徹底解剖!その実力は本物か?



商品スペック
- ブランド: IWASHN
- 色: ブラック
- デザイン: 卓上扇風機
- 電源: バッテリー式
- スタイル: カジュアル
- 商品の寸法: 41.7奥行き x 10.7幅 x 25.5高さ cm
- 特徴: LEDライト, リモートコントロール, 傾き調節可能, 首振り, 高さ調節可能
- 推奨用途: 乾燥, 冷却, 換気, 空気循環
- 騒音レベル: 30 dB
- ワット数: 7 W
- バッテリー容量: 20000mAh
- 充電: 22.5W急速充電対応(USB-C入出力, USB-A出力)
- 送風距離: 最大12m
- 連続稼働時間: 最大38時間
- 首振り: 左右最大120度(4段階)、上下最大270度
- タイマー: 1/2/4/8時間
- 付属品: 伸縮三脚スタンド, ステーク×3, リモコン, TpeyCのUSBケーブル, 日本語説明書
良い口コミ
「キャンプや災害時に使えると思う。風量も変えられるし、首振りもタイマーもライトもあって、充電容量も大きく安心感があります。」
「バッテリーが思っていたよりも強力で、説明書記載の時間よりも長く使えました!20000mAhにしてよかったです。」
「風量調節、照明、スマホ充電、リモコン付きと多機能な製品ですごく便利。」
「想像以上に静かで驚きました。ポータブルで使えて、ネックもしっかりしているのでこれからの時期に活躍してくれそうです。」
「三脚で高さを変えたり、外してテーブルに置いたりと色々なシーンで使えます。弱で一晩中回してもバッテリーが75%以上残っていて重宝しています。」
気になる口コミ
「一度使っただけで電源が入らなくなりました。。。」
「プロペラが小さい感じがするけど、風量は問題ありませんでした。」
「色が黒しかないので、ベージュや白などベーシックなカラーもあればよかったです。」
「YouTubeを参考に購入しましたが、専用の持ち運び用のケースやバッグがあればもっと良いと思いました。」
「バッテリーの交換ができるのかが分からない。できるのであれば長く使えていいなと思います。」
「IWASHN コードレス扇風機 F21」のポジティブな特色
IWASHNのF21は、単なる扇風機という枠には収まりません。最大の魅力は、一台で何役もこなす圧倒的な多機能性です。20000mAhという、もはや「ポータブル電源」と呼んでも差し支えない大容量バッテリーを内蔵。これにより、最大38時間の連続運転だけでなく、スマートフォンやその他のガジェットを急速充電できるハブとしても機能します。さらに、夜間の活動を明るく照らすLEDライトも搭載。つまり、これ一台あれば、扇風機、ポータブル電源、ランタンの三つのギアをキャンプに持って行く必要がなくなるのです。荷物を減らしたいミニマルキャンパーにとっては、まさに救世主のような存在と言えるでしょう。
また、その設置方法の多彩さも特筆すべき点です。付属の三脚を使えばリビングのサーキュレーターのように、地面に直接ステークで固定すれば野外の安定しない場所でもしっかりと自立します。さらに、三脚を外して卓上に置いたり、本体を逆さに吊るしてテント内のファンとして使ったりと、まるで変形ロボのようにあらゆるシーンに対応します。この「どこでも使える」という柔軟性が、ユーザーの創造力を掻き立て、アウトドア活動の質を格段に向上させてくれます。
「IWASHN コードレス扇風機 F21」のネガティブな特色
一方で、この製品には手放しで賞賛できない側面も存在します。最も深刻なのは、「初期不良のリスク」と「不透明なサポート体制」です。口コミにもあるように、「一度使ったら壊れた」という報告があり、その際にメーカーの電話対応が機能しなかったというのは、購入をためらう最大の要因になり得ます。14,800円という価格は、決して「壊れてもいいや」と割り切れる金額ではありません。このリスクを回避するには、Amazonの返品・交換保証期間内に徹底的に製品を使い倒し、少しでも異常があれば即座に手続きをすることが必須の自衛策となります。
次に、製品の細部に目を向けると、「所有感を満たすまでの一歩手前」といった物足りなさが見え隠れします。プロペラの質感、カラーバリエーションの欠如、専用ケースの不在など、機能的には問題なくとも、愛着を持って長く使いたいと思わせる「プラスアルファ」の配慮が不足している印象です。また、バッテリーが交換可能か不明である点も、サステナビリティが重視される現代においてはマイナスポイント。数年でバッテリーが寿命を迎えたら、製品ごと買い替えるしかないのかもしれない、という不安が残ります。これらは、ブランドとしての哲学やユーザーへの長期的な視点が、まだ成熟していないことの表れと言えるかもしれません。


競合モデルと徹底比較:IWASHNは本当に「買い」なのか?
IWASHN F21は魅力的なスペックを誇りますが、その実力を正確に把握するためには、市場で評価の高い競合製品との比較が不可欠です。ここでは、ポータブル扇風機界で人気の「HAGOOGI」、デザインで定評のある「CLAYMORE」、そしてプロ品質の「マキタ」と「スノーピーク」という、それぞれ特色の異なる4つのブランドと徹底的に比較していきます。
機能のHAGOOGI vs コスパのIWASHN
まず、IWASHNと最も立ち位置が似ているのが、同じく中国発のブランド「HAGOOGI」です。HAGOOGIのキャンプ扇風機も、大容量バッテリー、LEDライト、リモコン、首振り機能などを搭載した多機能モデルで、IWASHNの直接的なライバルと言えるでしょう。
比較のポイントは「バッテリー容量」と「価格」です。IWASHN F21が20000mAhという巨大なバッテリーを搭載しているのに対し、HAGOOGIの主力モデルは10000mAh前後のものが中心です。このバッテリー容量の差は、そのまま連続使用時間やモバイルバッテリーとしての性能に直結します。単純なスペック比較では、IWASHNに軍配が上がります。
しかし、価格面ではHAGOOGIに分があります。HAGOOGIの扇風機は1万円を切る価格帯のモデルが多く、機能と価格のバランスが取れているため、多くのキャンパーから支持を得ています。一方、IWASHNは14,800円と、やや高めの価格設定です。
結論として、「とにかく長時間使いたい」「スマホやドローンも充電したい」というヘビーユーザーであればIWASHNの20000mAhは非常に魅力的です。しかし、「そこそこの機能で、できるだけコストを抑えたい」という多くのユーザーにとっては、HAGOOGIの方が現実的な選択肢になるかもしれません。
デザインのCLAYMORE vs 多機能のIWASHN
次に、韓国発のブランドで、洗練されたデザインが人気の「CLAYMORE」です。特に「FAN V600+」は、そのミニマルなデザインとパワフルな風量で、おしゃれなキャンパーから絶大な支持を得ています。
CLAYMOREとIWASHNを比較すると、その設計思想の違いが浮き彫りになります。CLAYMOREは「扇風機」としての性能を突き詰めた製品です。7,800mAhのバッテリーを搭載し、風を送るという基本機能に特化しています。LEDライトや自動首振り機能(別売りオプションで対応可)はなく、機能はシンプルです。その代わり、軽量でコンパクト、そして何より所有欲を満たす美しいデザインが最大の武器です。
一方、IWASHNは「多機能ガジェット」としての側面が強い製品です。LEDライト、自動首振り、20000mAhの巨大バッテリーによるモバイルバッテリー機能など、機能の豊富さではCLAYMOREを圧倒します。
どちらを選ぶかは、ユーザーが扇風機に何を求めるかによります。「キャンプサイトの雰囲気を壊さない、シンプルで美しい道具が欲しい」という美意識の高いユーザーであれば、迷わずCLAYMOREを選ぶべきでしょう。しかし、「一台で何でもこなせる便利な道具が欲しい」という合理性を重視するユーザーにとっては、IWASHNの多機能性は非常に魅力的に映るはずです。
プロ品質のマキタ・スノーピーク vs ガジェット系のIWASHN
最後に、プロの現場で絶大な信頼を得る電動工具メーカー「マキタ」と、そのOEM製品である「スノーピーク」のフィールドファンと比較します。この比較は、言わば「プロの道具」と「コンシューマー向けガジェット」の対決です。
マキタおよびスノーピークの扇風機の最大の特徴は、その堅牢性と信頼性、そしてマキタ製の共通バッテリーが使えるというエコシステムです。バッテリーは別売りですが、すでにマキタの電動工具を持っているユーザーであれば、バッテリーを使い回すことができます。風量もパワフルで、AC電源にも対応しているため、キャンプだけでなく自宅やガレージでの作業など、様々なシーンで活躍します。まさに「質実剛健」という言葉がふさわしい製品です。
しかし、機能面ではIWASHNに劣ります。LEDライトやモバイルバッテリー機能はもちろんなく、あくまで「風を送る」という一点に特化しています。また、バッテリーを含めると総額はIWASHNよりも高くなる傾向があります。
ここでの選択基準は「信頼性」と「拡張性」です。多少価格が高くても、長年にわたって安心して使えるプロ品質の道具が欲しい、あるいはすでにマキタの製品を使っているというユーザーであれば、マキタやスノーピークが最良の選択です。特にスノーピーク製品には「永久保証」が付いており、製造上の欠陥であれば無償で修理・交換してくれるという絶大な安心感があります。
対して、IWASHNは一台で完結する手軽さが魅力です。バッテリーを別途購入する必要もなく、箱から出してすぐに全ての機能を使えます。プロの道具のような信頼性や拡張性よりも、手軽に使える多機能ガジェットを求めているユーザーにとっては、IWASHNの方が適していると言えるでしょう。
まとめ:IWASHN F21は、あなたの最高の相棒になり得るか?
さて、IWASHN コードレス扇風機 F21を巡る探求も、いよいよ終着点です。この扇風機は、まるでアウトドア用ガジェットの「全部盛り定食」のような存在でした。20000mAhという驚異的なバッテリー、ランタンにもなるLEDライト、そして変幻自在な設置方法。そのスペック表は、夏のキャンプでのあらゆる「困った」を解決してくれそうな、頼もしいヒーローのように見えます。
しかし、その輝かしい鎧の下には、いくつかの不安要素が隠れていることも事実です。設立から日が浅く、実態が見えにくい販売会社。そして、万が一の時に本当に頼れるのか分からないサポート体制。これは、どんなに優れた武器でも、使い手の腕やメンテナンス次第で宝の持ち腐れになることに似ています。
結局のところ、IWASHN F21は「ハイリスク・ハイリターン」な選択肢と言えるでしょう。Amazonの保証という安全策をしっかりと講じた上で、その多機能性を最大限に活用できる自信があるならば、これほど面白い相棒はいないかもしれません。あなたのキャンプスタイルという名の天秤に、F21の魅力とリスクを乗せて、じっくりと考えてみてください。その選択が、来年の夏の思い出を、より豊かで快適なものに変えてくれることを願っています。

