みなさん、こんにちは。
世界4カ国のAmazonで販売しているEC事業者のAmaviser管理人です。
英語と中国語に堪能、5年以上のAmazonマーケットプレイスでの販売経験を活かし、みなさんのAmazonショッピングの手助けとなる情報を発信しています。
今回は家庭用掃除ロボットを中心に販売をしている「ECOVACS」(読み方はエコバックス)について調べてみました。
ECOVACSの会社概要
企業名:科沃斯机器人股份有限公司
所在地:江苏省苏州市吴中区友翔路18号
設立:1998年3月11日
代表:庄建华
資本金:4億10万人民币
ブランドホームページ:https://www.ecovacs.com/jp
問い合わせ先
メール:hr@ecovacs.com
Amazon正規販売店:ECOVACS
日々の家事を支援する革新的な製品開発に注力
出典::https://www.ecovacs.com/jp
ECOVACSは、家庭用掃除ロボットや空気清浄器ロボットなどを中心に扱っている中国のブランドです。
中国蘇州市にある科沃斯机器人股份有限公司が商標を保有し、ECOVACSの商品の製造と販売をしています。
中国の企業情報サイト(顺企网)によると、従業員数は1000名となっていますが、アメリカ(オハイオ州)、ドイツ(デュッセルドルフ)、日本(東京)にもオフィスがあり、全世界の従業員数は5000名以上とのことです。
ECOVACSは、2006年から革新的な製品を開発するための経費として毎年、数千万元(日本円で数億円!)投入しています。
10年以上にわたり日本円で億単位もの資金を毎年研究開発費に充てているのはなかなかできないことだと思います。
また、ECOVACSは「ロボットに全世界の家庭でサービスをさせる」ことを使命とし、ロボットが「道具」から「執事」、「伴侶」へと進化するための技術革新に力を入れているそうです。
急激な増資と会社の成長
中国の企業情報サイト(天眼查)によると、科沃斯机器人股份有限公司は、2016年6月から2018年7月までの約2年間で増資を4回行い、2410万元だった資本金を約17倍の4億10万元まで増やしました。
日本円に換算すると約4億円から約65億円に増資したことになります。
わずか2年間で60億円以上も資本を増やしたことになり、企業の規模が急速に大きくなっていることが分かります。
一体どのように資金を調達したのかと思い、調べたところ、1回目の増資を行った2016年6月に大きな変化があったことが分かりました。
それまで同社は、親会社である泰怡凯电器有限公司1社のみから出資を受けていましたが、2016年6月に出資元の企業が一気に14社も増えたのです。
新しく加わった出資元のはほとんどが投資会社であり、今後の会社の成長及び製品への期待を大きく集めていることが分かります。
また、財務指標を見ると、2016年下半期の純利益は5千億元(約8億1千万円)でしたが、2017年下半期の純利益は3億7千5百万元(約60億4千万円)となっています。
業績が非常に好調なことが分かります。
業績の好調に伴いオフィスを移転し、会社の建物も大企業の風格を持つビルへと変化しました。

移転前オフィスの外観

移転後オフィスの外観
中国市場で着実に地位を固め、そして世界へ
ECOVACSは、掃除ロボットDEEBOT、窓ふきロボットWINBOT、空気清浄器ロボット、執事ロボットUNIBOなどの販売を積極的に推し進め、特にeコマース(ネットショップ)の領域で躍進が顕著です。
2013年~2016年の「11月11日:独身の日」(日本では「いい買い物の日」と呼ばれている)期間、Tモール(中国の最大手eコマース)の統計によると、1日のネット購入額において、4年連続で生活用電気製品の販売1位を獲得しました。
なお、アリババの企業信用度指標によると、科沃斯机器人股份有限公司はA評価となっています。
出典:https://xinyong.1688.com/credit/
AAA、AA、A、BBB、BBの5段階の中の3番目ですので、中程度というところですが、業績の好調さを考えると、今後さらにランクがアップする可能性があります。
また、科沃斯机器人股份有限公司はグローバルな中国企業になることに力を注ぎ、「苦労を先にし、後で楽を得る」国際化戦略を実行しました。
通常は中国国内で足場を固めてから世界の市場に参入するというケースが多いのですが、まず、競争の激烈な成熟した先進国の市場に参入し、後に、発展中の中国国内市場に参入しました。」
現在、ECOVACSの製品は、Amazonなどで、中国を始めとして、日本、アメリカ、カナダ、ドイツ、スイス、フランス、マレーシア、オーストラリア等、6大陸35ヶ国以上で製品を販売しており、世界で着実に販売経路を拡大していることが分かります。
ECOVACSの商品レビュー・評価まとめ
これまではECOVACSを運営する会社について見ていきましたが、次に代表的な商品の評判を見ていきたいと思います。
アメリカのAmazonでのレビューも引き合いに出しながら、紹介していきます。
ECOVACS DEEBOT N79 ロボット掃除機
日本では371件のレビューがあり、全体平均は★4.4、★5と★4の合計は90%の商品です。
なお、★1は4%と少なく、全体的に高評価を得ています。(2018年12月25日時点)
アプリを使用して自分のスマートフォンで機能をコントロールできること、落下防止センサーや衝突防止センサーがついており、段差や物体を検知して掃除ができること、などが人気の家庭用掃除ロボットです。
評価の低いレビューを見ると、「始めはよかったが、しばらくして、動かなくなったり、動きがおかしくなったりした」というものがありました。
異常が生じるまでの期間として、1か月~2か月後というレビューが比較的多かったのですが、中には買った初日に壊れてしまったという報告もありました。
多くの人が満足している商品なのですが、製品の当たりはずれがかなり大きいと感じました。
なお、この商品には、1年間の製造元による限定保証と追加アクセサリーセットが付いており、不具合があった場合、修理対応等の措置が取られています。
アメリカのアマゾンのレビューは1630件あり、全体平均は★4.1、★5と★4の合計は77%となっています。
★1は11%ありました。(2018年12月25日時点)
日本と比べると、若干評価が下がっています。
評価の低いレビューを見ると、日本同様「始めはよかったがしばらくしてから動かなくなったり、吸引力が落ちていったりした」というものがありました。
ECOVACS DEEBOT 901 ロボット掃除機
こちらは先程紹介したロボット掃除機のさらに上位の機種になります。
日本で19件のレビューがあり、全体平均は★4.1、★5と★4の合計は79%の商品です。★1は5%ありました。(2018年12月25日時点)
自動で部屋の間取りを計測するマッピング機能が搭載されており部屋ごとに掃除の範囲を指定できること、床に合わせて変更できる2種類の吸引方式が搭載されていることなどが人気の家庭用ロボット掃除機です。
評価の低いレビューを見ると、「特定のエリアを掃除してくれない」というものがありました。マッピング機能を使い場所を指定しても、その場所に入ろうとしないとのことです。
マッピング機能を重視してこの製品を購入した人にとっては大きな減点となる内容です。
また、アプリの機能が今一つというレビューもありました。
なお、この商品にも、1年間の製造元による限定保証と追加アクセサリーセットが付いています。
アメリカのアマゾンのレビューは75件あり、全体平均は★3.9、★5と★4の合計は68%でした。
満足している人が70%に満たない状態となっており、製品に対する評価はあまり高くありません。
なお、★1は16%もありました。(2018年12月25日時点)
評価の低いレビューには「買ってしばらくしたら動かなくなった」「音が大きい」「アプリと上手く連動しない」という内容のものがありました。
ECOVACSのおすすめ度(5段階中)
★★★★☆(4/5)
今回は「ECOVACS」を調べてみましたが、家庭用サービスロボットの製造・販売に力を入れ、ここ数年で急成長している中国発のグローバル企業という印象を受けました。
事業への期待感から複数の投資会社の出資を受けて、規模も大きくなり、業績も好調です。
ただ、製品の品質のばらつきが大きいのが問題点です。
カスタマーセンターの質に対する低評価レビューもあり、本当のグローバル企業になるためには今後の改善が求められます。
上記のようなマイナス点はありましたが、研究開発費に毎年多額の資金を投じており、今後さらに品質が向上する可能性が高いこと、SNSやホームページを通じて積極的に業務内容をアピールし顧客とコミュニケーションを図っていることから判断し、評価を4としました。
今後の展開が楽しみな企業です。